2015.2.13
 

 

NTS優秀選手台湾遠征
平成27年1月17日(土)〜22日(木) 台湾・台北/士林高商グラウンド

ジュニア世代の育成・強化を!
NTS優秀選手台湾遠征を実施!!




今年もNTS優秀選手による台湾遠征が実施された

  今回、初の試みとして台湾の高校生との対戦が実現。
初戦は台湾高校生チャンピオンに完封負けを喫した



これで闘争心に火がついたか……高い潜在能力が目覚める!



本来の力を発揮しはじめた選手たち。第2戦から連戦連勝!



「台湾高校生チャンピオン」には再戦を申し込み、
7−1で圧勝!! 見事「リベンジ」も果たした。



とても中学生とは思えない「金の卵」ばかり……。
彼女たちの「今後の成長」に期待が高まる



投手では100q/hを超える球速を記録した選手も出現!



今回の台湾遠征で貴重な国際経験を積んだ選手たち。
ソフトボールの「未来」を担う選手たちの今後に注目!

 年明け早々の1月17日(土)〜22日(木)、毎年「恒例」となっているNTS(全国女子ジュニア育成中央研修会)で選出された優秀選手17名の台湾遠征が実施された。
 NTSは、JOC(公益財団法人日本オリンピック委員会)が策定した「JOCゴールドプラン(国際競技力向上戦略)に基づく施策「一貫指導システム(競技者育成プログラム)の一つとして実施されているもので、今回で11回目の開催。全国9ブロック(北海道、東北、関東、北信越、東海、近畿、中国、四国、九州)から各6名ずつ選抜された54名に、日ソ協選手強化本部会推薦の6名を加えた計60名の選手が参加。昨年11月15日(土)〜18日(火)の4日間にわたり、静岡県伊豆市・天城ドームを主会場に研修が行われ、17名の優秀選手を選出し、選抜チームを編成。今回の台湾遠征が実施された。
 台湾遠征出発前日の1月16日(金)、選手たちは、東京・国立スポーツ科学センター内のアスリートビレッジに集合。日本のトップレベルの選手たちが「世界の舞台」で戦うための「強化拠点」である国立スポーツ科学センターやナショナルトレーニングセンターを見学。「チーム」としての初練習を行った後、夕食後には「事前指導」(講義)を行い、まず「日本代表」として、国を代表し、すべてのソフトボールプレーヤーの「代表」として国際大会に臨むための心構え、代表選手としての言動、立ち居振る舞いや、これまでオリンピックや世界選手権、あるいはジュニア世代においても輝かしい成績を残し続けてきた女子ソフトボールの歴史と伝統を「引き継ぐ者」「次代を担う者」として選ばれたことの意味、責任の重さについて、吉田央ヘッドコーチを中心に入念な指導が行われた。
 翌日(1月17日/土)、チームは台湾・台北へ出発。現地で調整練習を行い、19日(月)から台湾の中学生・高校生との強化試合に臨んだ。
 過去4回の台湾遠征はすべて南投で行われ、同じ中学生が相手であったが、今大会では「初の試み」として、台湾の高校生との対戦が実現。一つ上のカテゴリーを相手に、NTS優秀選手たちがどんな戦いを見せるか、注目が集まった。

・1月18日(日)


 
・1月19日(月)


  1 2 3 4 5 6 7
日  本 0 0 0 0 0 0 0 0
士林高商 1 0 0 0 0 0 x 1
日本: ●増田侑希・渡辺聖菜・勝股美咲−山内早織
 日本は初戦、今回の台湾遠征から実施される「初の試み」として高校生と対戦。しかも、台湾の高校チャンピオンチームとの対戦となった。
 日本の先発・増田侑希が先頭打者を三振に打ち取ったものの、次打者が内野安打で出塁。3番打者を三振に打ち取ったものの、このとき士林高商が二塁盗塁を仕掛け、これにキャッチャーの二塁悪送球が絡み、二死三塁のピンチを招き、4番打者にレフト前に運ばれ、1点を失った。
 一方、日本は序盤、走者を出しながら得点に結びつけることができず、4回表の一死二塁の一打同点のチャンスにも「あと一本」が出ず、無得点。5回以降は三者凡退を繰り返し、一人の走者も出すことができず、完封負け。初戦を飾ることができなかった。

  1 2 3 4
日  本 7 0 5 6 18
北投國中 0 0 1 0 1
※大会規程により4回得点差コールド
日本: ○佐藤有紗・後藤希友−山内早織
長打: 〔三塁打〕渡辺聖菜、川畑真愛A、川村莉緒
〔二塁打〕伊波菜々A、奥田芽衣、川村莉緒、山内早織
 初戦を落とした日本は、今度は同じ中学生が相手ということもあり、本来の力を発揮。初回、1番・伊波菜々の二塁打で猛攻の口火を切ると、7本の長短打を集中。大量7点を挙げ、3回表にも6本の長短打で5点、4回表にも6本の長短打で6点を挙げ、計18点を奪い、北投國中を圧倒した。
 守っては、先発・佐藤有紗が3回裏に1点を失ったものの、最後は後藤希友につなぎ、18−1で大勝。4回コールドで今大会初勝利を挙げた。


・1月20日(火)


  1 2 3 4 5
日  本 3 1 1 0 3 8
福營國中 0 0 0 0 0 0
※大会規程により5回得点差コールド
日本: ○後藤希友・増田侑希−女鹿田千紘・山内早織
長打: 〔三塁打〕柳谷穂乃佳、川畑真愛
〔二塁打〕柳谷穂乃佳
 先攻の日本は初回、1番・柳谷穂乃佳がいきなりライトオーバーの二塁打を放ち、出塁。2番・妹尾沙梨菜の死球、2つのパスボールで1点を先制。さらに相手守備の乱れと4番・奥田芽衣のライト前へのタイムリーで2点を追加。この回3点を先制した。
 日本は続く2回表にも、死球で出塁をした走者を一塁に置き、9番・川畑真愛のレフトオーバーの三塁打で1点を追加。3回表には、一死から5番・川村莉緒がセンター前ヒットを放ち、これに相手守備の乱れが絡み、二塁まで進み、6番・佐藤有紗のタイムリーで3点目。5回表にも1番・柳谷穂乃佳のタイムリースリーベースなどで3点を加え、8点のリードを奪った。
 守っては、先発・後藤希友、2番手・増田侑希とつなぐ投手リレーで福營國中打線をノーヒットに抑え込み、完封。8−0の5回コールド勝ちを収めた。

  1 2 3 4
日  本 3 7 3 4 17
雙園國中 0 0 0 0 0
※大会規程により4回得点差コールド
日本: ○勝股美咲・後藤希友−山内早織・女鹿田千紘
長打: 〔本塁打〕渡辺聖菜
〔三塁打〕伊波菜々、柳谷穂乃佳、工藤環奈、塚本蛍
〔二塁打〕伊波菜々、山内早織
 先攻の日本は初回、1番・伊波菜々の二塁打、2番・川村莉沙の四球、内野ゴロで一死二・三塁とし、4番・山内早織のタイムリーツーベースで2点を先制。次打者の内野ゴロで三塁へ進み、6番・川畑真愛のセンター前タイムリーで1点を追加。初回に3点を先制した。
 日本はその後も攻撃の手を緩めず、2回表には9番・塚本蛍、1番・伊波菜々の長短打、3番・渡辺聖菜の本塁打などで大量7点を追加。3回表には3点、4回表に4点と着々と加点し、計17点を奪う猛攻を見せた。
 守っては、先発・勝股美咲が3回を1安打、7連続を含む8三振を奪う力投を見せ、最後は後藤希友が締めくくり、17−0の4回コールドで大勝した。

  1 2 3 4 5 6 7
士林高商 0 0 0 0 0 1 0 1
日  本 1 0 2 2 1 1 x 7
日本: 渡辺聖菜・○佐藤有紗−山内早織
長打: 〔本塁打〕奥田芽衣
〔三塁打〕柳谷穂乃佳
〔二塁打〕伊波菜々
 この日、中学生相手のダブルヘッダーに連勝した日本は、初戦、完封負けを喫した台湾の高校生チャンピオンチーム・士林高商に再戦を申し込み、当初予定にはなかった第3試合がはじまった。
 日本は先発・渡辺聖菜が先頭打者に安打を許したものの、盗塁をしっかりと阻止。後続も打ち取り、初回を無失点で切り抜けると、その裏、2番・柳谷穂乃佳が絶妙なバントヒットで出塁。二死後、4番・山内早織が死球でつなぎ、5番・川村莉緒のセンター前ヒットで二塁走者が一気にホームイン。先取点を挙げた。
 これで試合の流れをつかんだ日本は、3回裏、1番・伊波菜々のツーベース、2番・柳谷穂乃佳のスリーベース、パスボールで2点を追加。続く4回裏にも、7番・奥田芽衣のソロホームランなどで2点を加え、5回裏、6回裏にも小刻みに加点。徐々にリードを広げた。
 日本は、先発・渡辺聖菜が3回まで無難にまとめ、無失点で4回表から2番手・佐藤有紗にバトンを渡すと、佐藤有紗が6回表に1点を失ったものの、最後まで投げ切り、7−1で快勝。初戦で敗れた「リベンジ」を果たした。


・1月21日(水)


  1 2 3 4 5
丹鳳高中 0 0 0 0 0 0
日  本 0 2 4 0 1x 7
※大会規程により5回得点差コールド
日本: ○増田侑希・佐藤有紗−山内早織
 この日は高校生とのダブルヘッダー。日本は2回裏、連続四球からチャンスをつかみ、6番・山内早織のタイムリーと相手守備の乱れで2点を先制。続く3回裏には、5番・川村莉緒、7番・女鹿田千紘のタイムリーなどで4点を追加。大きくリードを奪うと、5回裏には、二死走者なしから敵失で出塁した走者がすかさず盗塁。得点圏に走者を進めると、5番・川村莉緒がライト前にタイムリーを放ち、5回コールド勝ちに必要な7点を奪い、試合終了。
 投手陣も先発・増田侑希が4回を投げ、わずか1安打、9三振を奪う力投。佐藤有紗も1イニングながら2三振を奪うなど、完全に丹鳳高中打線を抑え込み、5回コールド勝ちを収めた。

  1 2 3 4 5 6
秀峰高中 0 0 0 0 1 0 1
日  本 0 2 1 2 2 1x 8
※大会規程により6回得点差コールド
日本: ○勝股美咲・後藤希友・渡辺聖菜・佐藤有紗−山内早織・女鹿田千紘
長打: 〔本塁打〕山内早織
〔三塁打〕植田きらら
〔二塁打〕工藤環奈、川畑真愛、伊波菜々
 今回の台湾遠征の最終戦の相手も高校生。しかし、今回の遠征を通じ、逞しく成長した日本チームには、初戦で見せたようなナーバスな脆さはまったくなくなっていた。
 日本は2回裏、4番・山内早織の右中間へのソロホームランで先手を取ると、一死後、6番・工藤環奈が二塁打を放ち、7番・川畑真愛のセンターフライでタッチアップから三塁を狙うと、これが相手守備の乱れを誘い、この回2点目。続く3回裏には2番・妹尾沙梨菜のタイムリーで1点、4回裏には7番・川畑真愛、9番・伊波菜々の二塁打などで2点、5回裏には相手守備の乱れで2点を追加。着々とリードを広げると、6回裏には8番・植田きららが右中間を破る三塁打で出塁。次打者のレフトへの犠牲フライで三塁走者を迎え入れ、6回コールド勝ち。最終戦も8−1で勝利を収め、台湾遠征を締めくくった。

 初戦こそ、高校生相手の対戦で0−1の完封負けを喫したが、逆にそれで目が覚めたか、その後は連戦連勝。一つカテゴリーが上となる高校生との対戦でも、まったく遜色のない試合を展開。互角どころか「圧勝」の連続で、この世代「最強」の選手たちであることを証明してみせた。
 コーチングスタッフも、昨年のNTS優秀選手の台湾遠征でアシスタントコーチを務め、今回はヘッドコーチに「昇格」した吉田央氏を中心に、選手強化本部会から強化委員の渡辺祐司氏がチームリーダーとして参加。かつて「日本代表」の選手としてシドニーオリンピックで銀メダルを獲得し、北京オリンピックではコーチングスタッフの一員としてチームの金メダル獲得に貢献した田本博子コーチが自らの「実体験」を選手たちに伝承。出発前日の「事前研修」にはじまり、現場での熱い実技指導に選手たちの目は輝き、日を追うごとに『日本代表』にふさわしい技術と心構えを習得していった。
 今回の遠征メンバーは、投手では、NTS過去最高となる103キロに並ぶ球速を誇る投手もおり、野手でも「とても中学生とは思えない」と高い評価を受けた「金の卵」たちばかり。将来を嘱望される「次世代の日本代表」に早くから「国際経験」を積ませ、さらなる成長につなげるべく実施されたNTS優秀選手台湾遠征。今後の彼女たちの成長に大いに期待がかかる。


・選手スピーチ


平成26年度NTS優秀選手
台湾遠征選手団名簿
スタッフ
人数 役職 氏名 支部 所属先
1 チームリーダー 渡辺 祐司 京都 京都市立樫原中学校
2 ヘッドコーチ 吉田 央 鳥取 北栄町立北条中学校
3 アシスタントコーチ 田本 博子 京都 京都市立嵯峨中学校
4 トレーナー 大石 益代   (公財)日本ソフトボール協会
5 総務 藤井 まり子   (公財)日本ソフトボール協会

選手
人数 守備 氏名 支部 所属先 学年
1 投手 勝股 美咲 岐阜 瑞浪市立稲津中学校
2 後藤 希友 愛知 名古屋市立日比野中学校
3 佐藤 有紗 栃木 那須町立黒田原中学校
4 増田 侑希 香川 高松市立龍雲中学校
5 渡辺 聖菜 栃木 那須町立黒田原中学校
6 捕手 女鹿田 千紘 島根 雲南市立大東中学校
7 山内 早織 広島 広島市立翠町中学校
8 内野手 伊波 菜々 東京 日出中学校
9 奥田 芽衣 三重 度会町立度会中学校
10 川畑 真愛 福岡 福岡市立三筑中学校
(福岡レッドドリームズ)
11 川村 莉沙 岡山 岡山市立福浜中学校
12 工藤 環奈 青森 平川市立平賀東中学校
13 妹尾 沙梨菜 岡山 倉敷市立西中学校
14 柳谷 穂乃佳 北海道 札幌市立北都中学校
15 外野手 植田 きらら 京都 京都市立樫原中学校
16 川村 莉緒 茨城 水戸市立双葉台中学校
17 塚本 蛍 佐賀 神埼市立千代田中学校
*ポジション別五十音順