2014.8.12
 

 

 

平成26年度
台湾女子中学生交流事業
(チーム招待)を実施!



今年も台湾女子U16代表チームが来日!



「埼玉選抜」と親善交流試合を行った



一投一打に全力を尽くす……そこに言葉はいらない!



「ソフトボール」を介して、心と心が通じ合う!



鶴ヶ島市の「ゆるキャラ」つるゴンも応援に駆けつけた



両チームとも笑顔を絶やさず、心からソフトボールを楽しんでいた



アジアの「友」であり、「良きライバル」でもある台湾。
この交流を通じ、互いのレベルアップを図っている



ジュニア世代の強化・育成には、「国際経験」は欠くことのできない重要な要素であり、この道筋を経て、「日本代表」が生まれている




2014 日本・台湾女子中学生交流事業


 去る8月7日(木)〜12日(火)、台湾U16女子代表チームが来日。8月8日(金)〜10日(日)、埼玉県鶴ヶ島市・鶴ヶ島市運動公園を会場に「平成26年度台湾女子中学生交流事業(チーム招待)」(主催:公益財団法人日本ソフトボール協会、主管:埼玉県ソフトボール協会)が行われ、ジュニア世代(U16)の交流を行った。

 この事業は、2011年に「日本・台湾女子ジュニア親善京都大会(台湾招待事業)」、2012年に「2012台湾U16女子代表チーム招聘」として京都で実施され、昨年から埼玉が受入先となり、本年1月19日(日)〜24日(金)、日本からNTS優秀選手17名による台湾遠征を実施したことを受け、今度は台湾チームを日本に招き、開催された。

 本年は、受入地・埼玉県の中学生選抜チームと3日間にわたり1日2試合、計6試合の親善試合を実施予定であったが、台風11号の接近・上陸の影響もあり、初日、2日目は鶴ヶ島市運動公園を会場に、雨に見舞われながらも何とか試合を行うことができたが、最終日は激しい風雨のため、中止を余儀なくされた。

 初日(8月8日/金)は、まず台湾代表チームが猛攻を見せ、初戦を11−1の大差で圧勝。埼玉選抜は、ちょうど県下1位・2位のチームが千葉県成田市で開催されていた「第36回全国中学校女子ソフトボール大会 関東大会」(平成26年度 第42回関東中学校ソフトボール大会)に出場中。また、第3位のチームは大阪府大阪市で開催されていた「第14回全日本中学生女子ソフトボール大会」へ出場中とあって、苦しいチーム編成を余儀なくされたこともあり、初戦の大敗で前途が危ぶまれたが、ここから埼玉選抜が奮起。
 第2試合も、初回に2点を先制される苦しい試合展開となったが、その後は毎回のように得点圏に走者を進められながらも、決定打を許すことなく守り抜き、接戦に持ち込み、6回裏にはついに同点に追いついた。7回表、台湾代表チームに2点を勝ち越され、今度こそ「勝負あった」と思われたが、ここから驚異的な粘りを見せ、3点を奪い、逆転サヨナラ。ソフトボールどころ「埼玉」の意地を見せた。

 翌9日(土)も台風の接近・上陸による天候の悪化が心配されたが、埼玉県ソフトボール協会・鶴ヶ島市ソフトボール協会の尽力により、何とか試合を行うことができ、第1試合は、台湾代表チームが、序盤1−5とリードされながら、持ち前の「強打」で4回裏に一挙4点を奪い、同点に追いつくと、5回裏に1点を勝ち越し。6回裏には大量6点を奪い、終わってみれば、12−5の大差で圧勝した。
 しかし、埼玉選抜も「意地」を見せ、第2試合では、逆転、また逆転のシーソーゲームを8−7で競り勝ち、台湾代表チーム、埼玉選抜が仲良く星を分け合い、2勝2敗で2日目を終えた。

 交流試合の日程としては、最終日(8月10日/日)は、折からの台風の影響で試合は中止。6試合実施の予定が、4試合となってしまったが、交流試合の成績は2勝2敗で仲良く星を分け合い、全日程を終了することになった。

 今回の受入れ事業は、開催地・埼玉県ソフトボール協会・鶴ヶ島市ソフトボール協会の温かいもてなしもあり、対戦中は、双方のチームが応援歌を歌い、精一杯の声援を送り、敵味方関係なく、「ナイスプレー!!」と声を掛け合う姿には好感が持てた。
 また、鶴ヶ島市の「ゆるキャラ」つるゴンが、突然スタンドに出現する「サプライズ」もあり、会場は大いに盛り上がった。
 試合後には、照れながらも記念写真に収まるなど、コミュニケーションを取り合い、お互いのプレーを称え、アッという間に仲良くなっていく選手たちの姿には、「若さ」の持つ無限の可能性とエネルギーが感じられた。
 選手たちにとって、この交流事業は「試合経験」だけではなく、「国際交流」を経験し、今後につながる貴重な「夏休みの思い出」となったようだ。今回も、この事業の目的である「ソフトボールを通じて、日本・台湾の友好親善と、ジュニア層(中学生)の中・長期的な競技力の維持・向上を図る」効果的かつ充実した内容となり、国際親善・国際交流を行うと同時に、ジュニア層のレベルアップをめざして切磋琢磨する貴重な機会となったことは間違いない。

 また、グラウンドを離れ、歓迎パーティーの席上でも、日本と台湾の役員同士の交流・意見交換が行われ、日台交流事業の成果を互いに確認。公益財団法人日本ソフトボール協会・煖エ清生専務理事は、「今回の交流事業におきましては、台風で開催が危ぶまれる中、埼玉県ソフトボール協会、鶴ヶ島市ソフトボール協会の皆さまのご尽力により、すばらしい環境のもと、交流試合を行うことができましたことに心より感謝申し上げます」とまず主管協会への謝意が述べられ、「本年で4年目を迎えるこの事業を通じ、台湾の中学生が年々強くなっていることを実感しております。また、我々日本にとってもジュニア世代が早くから『国際経験』を積むことのできる『貴重な機会』としてとらえております。今後も、この事業の実施・継続は、日本・台湾双方にとって『必要なこと』であり、アジアにおけるソフトボールのさらなる普及・発展を考えても、重要な事業の一つであると認識しております」と、日本・台湾の国際交流の重要性、ジュニア世代の育成・強化の必要性を説き、この交流事業のさらなる推進へ向けた意欲を語った。

 ソフトボールの「未来」を考えたとき、次の時代を担っていく「ジュニア世代の育成・強化」は必要不可欠な事業であり、最も重要な事業であるといえよう。全国女子ジュニア育成中央研修会(NTS)で優秀選手に選ばれた選手が高校生、大学生となり、あるいは日本リーグで活躍の場を求め、日本のソフトボールを支え、各種大会で、各カテゴリーで、盛り上げてくれている。

 開幕を直前に控えた「第14回世界女子選手権大会」の日本代表選手の顔ぶれを見ても、「エース」上野由岐子は1999年の「第6回世界女子ジュニア選手権大会」(台湾・台北)の優勝メンバーであり、山根佐由里、峰幸代、佐藤みなみ、山本優、森さやかは2007年の「第8回世界女子ジュニア選手権大会」(オランダ・エンスヘーデ)の準優勝メンバーであり、この年代は「全国女子ジュニア育成中央研修会」(NTS)がスタートし、その1期生にあたる年代でもある。さらに市口侑果、長楓]未は2011年の「第9回世界女子ジュニア選手権大会」(南アフリカ・ケープタウン)で準優勝、中野花菜は昨年の「第10回世界女子ジュニア選手権大会」(カナダ・ブランプトン)で優勝を経験するなど、「全国女子ジュニア育成中央研修会」(NTS)で見出された「金の卵」たちが、U16、U19と段階を踏み、着実に「日本代表」へと歩みを進めていることがハッキリとわかる。
 その意味でも、この「全国女子ジュニア育成中央研修会」(NTS)と連動した台湾との交流事業が、いかに「意義あるもの」であり、「日本代表」の強化において、「欠くことのできない最初の一歩」になっていることを考えると、この事業が、今後もジュニア世代の選手たちの大きな「目標」となり続け、日本・台湾双方にとって、さらに「大きな成果」へとつながる事業として、継続・定着し、充実した内容となることを期待したい。

 この事業が、今後もジュニア世代の選手たちの大きな「目標」となり、日本・台湾双方にとって、さらに「大きな成果」へとつながる事業として、継続・定着し、充実した内容となることを期待したい。

 そして……近い将来、世界選手権、あるいはオリンピック競技復帰を果たした暁には、日本、台湾両チームが「決勝」で顔を合わせる日が来ることを願っている。