2010 日韓ジュニアスポーツ交流事業(訪韓)を実施

 (2010.913)

 

 去る9月3日(金)〜8日(水)、「2010 日韓ジュニアスポーツ交流事業」が行われ、大下秀男団長((財)日本ソフトボール協会常務理事)以下、春の全国高校選抜大会、夏のインターハイに出場した選手のうち、(財)日本ソフトボール協会選手強化本部会で選抜した優秀選手17名を「日本代表」として派遣。指導スタッフは女子U19日本代表でも指揮を執る渡辺和久ヘッドコーチ(木更津総合高)、有住隆コーチ(上山明新館高)が務め、(財)日本ソフトボール協会より、トレーナー、総務を加えた総勢22名の選手団で韓国・ソウルを訪問した。

 この「日韓ジュニアスポーツ交流事業」は、アジア近隣諸国とのスポーツ交流を促進し、相互理解を深め、両国の友好親善とスポーツの普及・振興、競技力の向上を目的に、相互派遣方式で実施されており、ソフトボールは2001年から実施種目となり、本年度で10回目を迎える。

 交流事業は、前述の通り、「相互派遣方式」で行われるため、まず日本チームが9月3日(金)〜8日(水)の日程で韓国・ソウルを訪問。韓国の高校生を中心とする韓国女子ジュニア代表チームと4試合、韓国の実業団チームと2試合のテストマッチを実施。計6試合を行う予定が組まれた。
 また、試合の合間には、クリニック(技術講習会)も実施。特に、韓国ソフトボール協会の希望で、投手の投球フォームについての指導に重点を置いたクリニックが行われた。

 結果は、韓国女子ジュニア代表チームには、11−1、21−5、8−1で3連勝(雷雨のため1試合が試合途中で中止)。実業団チーム「慶南」に4−0、「釜山体育会」には11−2と実業団チーム相手にも連勝し、5戦全勝という成績で5試合のテストマッチを終了した。

 また、2014年に仁川でアジア大会が開催されるため、大下秀男団長、総務担当の久下事務局員が、韓国協会会長を通じて、仁川アジア大会組織委員会事務総長と会談。ISF(国際ソフトボール連盟)、SCA(アジアソフトボール連盟)、JSA((財)日本ソフトボール協会)共通の「悲願」である「アジア大会への男子ソフトボールの種目入り」を要請。組織委員会事務総長より、「仁川市及び組織委員会の財政が厳しく、実施種目が確定しておらず、今年11月の広州大会後に決定していく」との現状報告がなされた。今後は、日韓両国が協力して、まずは女子ソフトボール競技の継続実施のために引き続き働きかけを行っていくこと。また、女子ソフトボール競技実施が決定した後は、男子ソフトボールの種目入りを再度求めていくこと。以上が確認された。

 大下秀男団長は、「今回の日本チームのメンバーは、国内でも『選りすぐり』の選手を集めたため、韓国実業団の2チームにも勝利した。逆にいえば、現時点では、日韓の競技力の差がそれだけ開いているということが証明された形となったともいえる。韓国のソフトボール競技人口は少ないものの、基礎体力は他競技を見ても明らかなように、日本にまったく引けを取らない、あるいはそれを上回るものがある。韓国野球を見ても分かるように、技術的な力を向上させれば、必ず『良きライバル』となり得るはずである。今回10回目となる日韓交流を引き続き行い、韓国の技術を向上させれば、隣国という好条件もあり、双方のソフトボール競技力向上につながるのでは」と、今回の交流事業を総括した。

 今回で10回目を迎える「日韓ジュニアスポーツ交流事業」。節目の年を迎え、今後この事業を通じて、日韓両国が互いに競い合い、高め合っていくことを祈念したい。「いつの日か、世界選手権の決勝で戦おう!」この合言葉のもと、両国の代表チームが世界の舞台で相まみえることを夢見て……。

 来る11月5日(金)〜10日(水)、今度は韓国チームが日本を訪問。静岡県伊豆市で交流事業が行われることになる。両国にとって、より実りのある事業となることを期待したい。


平成22年度(2010)日韓ジュニアスポーツ交流事業 
チーム派遣 参加者名簿

  守備 氏 名 所属県 所属先 学年
1 投 手 中村 友佳 埼玉 星野高校 3
2 投 手 山本麻里絵 愛知 東海学園高校 3
3 投 手 北岡 志帆 岐阜 多治見西高校 3
4 投 手 岡村 奈々 福岡 小倉商業高校 1
5 投 手 海部 栞菜 千葉 木更津総合高校 3
6 捕 手 粟倉 陽香 静岡 常葉学園菊川高校 3
7 捕 手 宇野有加里 千葉 木更津総合高校 3
8 内野手 永渕  舞 佐賀 佐賀女子短大付属佐賀女子高校 2
9 内野手 山根すずか 千葉 木更津総合高校 3
10 内野手 高坂 香月 岐阜 多治見西高校 3
11 内野手 松木 瑛里 熊本 八代東高校 3
12 内野手 市口 侑果 千葉 木更津総合高校 3
13 内野手 澤井 美佑 兵庫 神戸野田高校 3
14 外野手 斉藤 優華 北海道 とわの森三愛高校 2
15 外野手 小林 果歩 愛知 東海学園高校 3
16 外野手 小松 美樹 兵庫 須磨ノ浦女子高校 3
17 外野手 長崎 望未 京都 京都西山高校 3


スタッフ

  氏 名 所属県 所属先
団長 大下 秀男 福岡 (財)日本ソフトボール協会
ヘッドコーチ 渡辺 和久 千葉 木更津総合高校
コーチ 有住 隆 山形 上山明新館高校
トレーナー 大石 益代   (財)日本ソフトボール協会
総務 久下 知宏   (財)日本ソフトボール協会

 

今年も日韓交流事業が実施された

韓国ジュニア代表チーム、実業団チームと
5試合のテストマッチを行い、強化を図った

渡辺和久ヘッドコーチ、有住隆コーチが指揮を執り、
チームを強化!

本年度の派遣メンバーたち。春の高校選抜、
夏のインターハイに出場した選手から17名が選ばれた

韓国チームとともに。互いの交流を深め合った

歓迎レセプションでも積極的に交流し、親睦を深めた

いつの日か、世界選手権の決勝で会えると信じて……