2016.11.22
 

 

女子TOP日本代表ヘッドコーチに
宇津木麗華氏の就任が正式決定!
2020年東京へ向け、新たなスタート!!




11月21日(月)、女子TOP日本代表ヘッドコーチ就任記者会見が行われ、(公財)日本ソフトボール協会・三宅豊選手強化本部長がその経緯を説明



女子TOP日本代表ヘッドコーチに就任が決まった宇津木麗華氏(右)



2012年、宇津木麗華氏はヘッドコーチとして
42年ぶりの世界選手権優勝を成し遂げた!



2014年の世界選手権では日本を初の「連覇」に導く!!



2020年東京オリンピックで金メダルを獲得し、日本の皆さんに
「恩返し」がしたいと語る宇津木麗華氏。その手腕に注目!

 11月21日(月)、東京・岸記念体育会館で、女子TOP日本代表のヘッドコーチに就任が決定した宇津木麗華氏が記者会見を行った。

 記者会見冒頭、同席した公益財団法人日本ソフトボール協会・三宅豊選手強化本部長が、ヘッドコーチの発表、今後の強化日程が説明され、続いて、宇津木麗華氏が「中国でソフトボールをはじめ、日本のソフトボールに憧れ、日本に来てプレーすることを選択し、日本に帰化し、『世界一』となることをめざしてプレーしてきました。残念ながら、私自身はプレーヤーとして『世界一』を勝ち獲ることはできませんでしたが、『日本代表』のヘッドコーチに就任して臨んだ2012年、2014年の世界選手権では優勝することができ、選手たちとともに『世界の頂点』に立つことができました。そして、今、日本で開催されるオリンピックにヘッドコーチとして大会に臨むチャンスをいただき、その使命の大きさと責任の重さも感じています」と緊張気味に語り、「2008年の北京オリンピックで金メダルを獲得したのを最後に、ソフトボールはオリンピック競技から除外されてしまいました。それに伴い、強化費は大幅に減り、私たちの現役時代のとき、オリンピック競技であったときのように強化合宿を重ね、海外遠征を繰り返し、チームを強くしていくという手法は現実的にとれなくなりました。私がそのとき、ヘッドコーチとして考えたことは、強化を必要としない『完成した選手』を中心にチームを編成することで、ベテラン選手を主体としたチームで優勝、連覇を成し遂げることができました。今度はオリンピックへ向け、強化費もたくさんあるでしょうし(笑)、約3年半の時間をかけてチームを強化することができますので、じっくりと、しっかりとチーム作りをしていきたいと思います」と、世界選手権連覇の思い出を振り返りつつ、2020年東京オリンピックへ向けた決意と抱負を語った。

 東京オリンピックへ向けたチーム作りについては、「2008年の北京オリンピックで金メダルを獲得したメンバーも、一人、また一人と現役を退き、今も日本代表に名を連ねているのは『エース』の上野由岐子と『打の主役』山田恵里だけになってしまいまいたが、いわゆる『ベテラン』を2020年までその力を保たせ、さらに『進化』させていくこと、その一方で、それに続く次の世代の選手たちをしっかり育て、追いつき追い越すような選手を出現させること。それが私の使命だと思いますし、ベテランと若手の融合なくして『金メダル』はない、と思っています」と語り、「これまでも『日本の守備は世界一』と評価されてきたように、その武器・伝統はしっかりと守りつつ、日本人の特徴であるスピード、機動力を活かしたソフトボールを展開し、日本のソフトボールの素晴らしさを世界中の皆さんに伝えたいと思います」と、具体的な構想の一端を披露した。

 最後に、金メダル獲得に必要なことは……と問われ、「最後にモノをいうのは『人間力』だと思っています。もちろん、技術も体力も身体能力も必要ですが、それを『ここぞ!』という場面で発揮し、勝ち上がるには、その根本、ベースに『人間力』が必要だと考えています。特に、調子のよいときは誰でも力を発揮できますが、調子の悪いとき、チームが苦境に陥ったとき、その力を普段通りに発揮することは簡単なことではありません。そういうときに問われるのが、『人としての力』であり、『人間性』ではないかと思います。選手に私の持つ経験や技術、練習方法やトレーニング方法、戦術・戦略を伝え、強いチームを作ることはもちろんですが、その一方で、選手一人ひとりが、あるいはチームとして、みんなに愛され、心から応援してもらえるようなチームでなければならない……と思っています。技術的なレベルアップを図り、指導すると同時に、気持ち・精神面の指導もしっかりと行って、『人間力』のあるチームを作りたいと思います」と、チーム作りの指針を示した。

 そして、「日本の人は誰も優しく、親切で、いつも私を応援してくれ、それに支えられて『今』があると心から感謝しています。だからこそ……日本で行われるオリンピックで、ヘッドコーチとして大会に臨む機会を与えられたということは、神様が『日本の皆さんに恩返しなさい』といってくれているのだと感じていますし、そのためには金メダルを勝ち獲るしかないと思っています。ソフトボールを愛するすべての人々の『代表』として戦い、私の持つチーム作り、選手育成・強化、戦術・戦略のすべてのノウハウを注ぎ込み、1日24時間、1年365日、ソフトボールのことだけを考え、必ずや金メダルを勝ち獲ります!」と、力強く『金メダル獲得宣言』を行い、会見を締めくくった。

 2008年、あの北京での金メダルの獲得を、2020年東京で再現すべく、宇津木麗華ヘッドコーチの「挑戦」がはじまる。世界選手権を二度制した「名将」が、今度はオリンピックでの金メダル獲得をめざし、また新たにチーム作りをスタートさせることになる。

【女子TOP日本代表チーム 今後の予定】

(1) 日本代表候補選手・コーチングスタッフの決定

・11月21日(月)/選手強化本部会→候補選手・コーチングスタッフの検討・審議
・11月22日(火)/五輪特別委員会(SCOTT)→選手強化本部会で提案された内容の検討・承認→各所属チームへ通知・承諾→11月30日(水)正午に当ホームページ上で発表

(2) 強化スケジュール
〈国内強化合宿〉
◎第3次国内強化合宿(沖縄合宿)
・12月13日(火)/味の素ナショナルトレーニングセンター集合
・12月14日(水)〜23日(金)沖縄合宿 ※場所:読谷平和の森球場
◎第4次国内強化合宿(鴨川合宿)
・3月10日(水)〜18日(土)鴨川合宿 ※場所:鴨川市民球場・ソフトボール場
〈海外強化合宿〉
●第1次海外強化合宿(台湾合宿)
・1月17日(火)〜30日(月) ※場所:台湾・高雄市
●第2次海外強化合宿(オーストラリア合宿)
・2月1日(水)〜4日(土)/味の素ナショナルトレーニングセンター集合
(メディカル・フィットネスチェック、各種講習)
・2月4日(土)〜15日(水) ※場所:オーストラリア・ブラックタウン
(バッテリーは引き続き、現地でバッテリー合宿。24日(金)まで)