2014.8.20
 

 

第14回世界女子ソフトボール選手権大会

日本、キューバを大差で破り、無傷の6連勝!
予選リーグ・セクションA1位通過決定!!

 






ダブルヘッダーとなったこの日、最終試合の試合開始は22時10分


予選リーグ第6戦の相手はキューバ



日本の先発・藤田倭は5イニングをパーフェクトに抑えた

  4回表、長楓]未が先制のタイムリースリーベースを放つ



6回表、佐藤みなみがツーランホームランを放ち、追加点



リリーフした中野花菜も2イニングを「完全」に抑え、
2人の投手の継投による「完全試合」を達成した!



予選リーグ・セクションA1位通過を決めた日本。
「連覇」がまた一歩近づいた

 


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 「第14回世界女子ソフトボール選手権大会」(オフィシャルサイトはこちら)6日目、ここまで無傷の5連勝で単独首位に立った女子日本代表(代表メンバーはこちら)は、予選リーグ第6戦でキューバと対戦(大会スケジュールはこちら)。この試合に勝てば、最終戦を待たずに予選リーグ・セクションAの1位通過が決まる(1敗で追うカナダが以外は、すでに2敗以上しており、日本に並ぶ可能性はなく、1敗で追うカナダが最終戦に勝ち、日本が敗れて同率で並んでも、直接対決でカナダに勝利している日本の順位が上になるため)。日本は、この日も断続的に降り続く雨の影響で試合が遅れ、19時試合開始の予定が、22時10分にようやくプレーボールがかかった。

・第6日(8月20日/水)
〈予選リーグ第6戦〉
  1 2 3 4 5 6 7
日  本 0 0 0 2 0 3 4 9
キューバ 0 0 0 0 0 0 0 0
日本:

○藤田倭(5回)・中野花菜(2回)−佐藤みなみ

長打: 〔本塁打〕佐藤みなみ 〔三塁打〕長楓]未、佐藤みなみ

 ダブルヘッダーとなった日本は、早朝9時からの第1試合でカナダと対戦し、勝利を収めた後、この日の最終試合に登場。ここ数日、お決まりのパターンのように見舞われている断続的に降り続く激しい雨の影響で、最終試合・キューバ戦の開始は22時10分。2日続けて22時台のプレーボールとなった。

 日本の先発は藤田倭。「エース」上野由岐子に次ぐ球速を誇る「パワーピッチャー」が、初回を簡単に三者凡退に抑えると、しっかりと「自分のリズム」を作り、ストライク先行、ピッチャー有利なカウントで打者と勝負する投球パターンで、キューバ打線を完全に抑え込んだ。

 序盤2つのダブルプレーでチャンスを潰し、得点できずにいた日本は、ようやく4回表、3番・市口侑果が絶妙なセーフティーバントで相手守備陣に揺さぶりをかけると、この打球の処理を焦ったピッチャーが一塁に悪送球。市口侑果は二塁へ進んだ。ここで、この試合「4番」に起用された長楓]未がその起用に応え、左中間を深々と破る先制のタイムリースリーベース。続く5番・森さやかのピッチャー強襲安打で三塁走者・長楓]未が生還し、この回2点を先制した。

 2点のリードをもらった先発・藤田倭はさらに調子を上げ、5回裏まで一人の走者も許さぬパーフェクトピッチング。開幕戦の「エース」上野由岐子のノーヒット・ノーランに続き、「大記録達成」が期待された。

 日本は6回表、一死から5番・森さやかがレフト前ヒットで出塁。続く6番・佐藤みなみがセンター頭上を遥かに越えるツーランホームランを放ち、2点を追加。さらに相手守備の乱れに乗じて1点を追加し、7回表にも、6番・佐藤みなみの三塁打を含む長短6安打を集中し、4点を追加。9−0と大差をつけた。

 守っては、宇津木麗華ヘッドコーチが6回裏、5回まで「完全試合」を続けていた藤田倭から中野花菜に投手交代。代わった中野花菜が2イニングを投げ、打者6人から4三振を奪う力投。一人の走者も許さず、藤田倭、中野花菜の継投による「完全試合」を達成した。

 宇津木麗華ヘッドコーチは、常々「大切なのはチームの勝利であり、そのためにはすべてを犠牲にする覚悟がある」と話しているが、この継投もその考えに基づくものなのか。世界選手権という「大舞台」での「完全試合」のチャンス……個人的には「続投」でもよかった気がするが、それよりも優先すべきは「チームの勝利」ということなのだろう。
 2007年のプロ野球・日本シリーズで、当時・中日ドラゴンズの落合博満監督が、8回まで完全試合を続けていた山井大介投手に代わり、最終回「抑えの切り札」岩瀬仁紀投手を送り、物議を醸しだしたケースはあったが……。
 上記のケースと違い、「優勝を決める試合」でもなく、予選リーグ、それもまだ2イニングを残していたことを考えると、あくまでも「予定通りの継投」に過ぎなかったように思うが、少しもったいないような気がしないでもない。

 ただ……それこそが宇津木麗華ヘッドコーチの「勝利への執念」であり、それが宇津木麗華ヘッドコーチのめざす「日本代表」というチームでもある。勝つために、優勝するためには、チームの全員が自己犠牲を厭わない。また、そういうチームでなければ、「世界」では勝つことはできない。それが宇津木麗華ヘッドコーチの「勝負哲学」であり、現在の「日本代表」の骨格を貫く思想でもある。

第14回世界女子選手権大会 予選リーグ第6戦

キューバ戦 スターティングラインアップ
打順 守備位置 選手名 所属 UN
1 3B 山本 優 ルネサスエレクトロニクス高崎 5
2 LF 永吉理恵 デンソー 8
3 SS 市口侑果 ルネサスエレクトロニクス高崎 4
4 CF 長楓]未 トヨタ自動車 1
5 DP 森さやか ルネサスエレクトロニクス高崎 7
6 佐藤みなみ 太陽誘電 26
7 1B 大久保美紗 ルネサスエレクトロニクス高崎 10
8 RF 国吉早乃花 豊田自動織機 27
9 2B 坂元令奈 トヨタ自動車 6
FP 藤田 倭 太陽誘電 16

※選手交代
6回表 投手交代 藤田OUT→中野花菜(ルネサスエレクトロニクス高崎)IN