2014.8.3
 

 

大垣国際女子ソフトボール大会(大垣カップ)
第3日


「エース」上野由岐子が久々の先発登板


オーストラリア戦は2試合とも延長タイブレーカーにもつれ込む熱戦となった



日本が全勝で優勝、2位・オーストラリア、3位・中国という結果で大会を終えた

 

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8月3日(日) 第2試合/日本 vs オーストラリア
  1 2 3 4 5 6 7 8
日  本 0 0 1 1 0 0 0 3 5
オーストラリア 0 0 2 0 0 0 0 0 2
(日)上野由岐子、山根佐由里、〇藤田倭 − 峰幸代、佐藤みなみ
(オ)ジョセリン・マッカラム、エレン・ロバーツ、●バネッサ・ストークス
    − ベリンダ・ホワイト
〔二塁打〕山田恵里、坂元令奈(日) 、メリンダ・ウィーバー(オ)

 今大会最終戦、すでに優勝を決めている日本はオーストラリアと対戦。日本は3回表、一死から8番・永吉理恵の安打、9番・大久保美紗の死球で一・二塁とし、1番・山本優がスリーボールから不用意にストライクを取りにきた甘いボールを見逃さず、レフト前へ痛烈な当たりのタイムリー。二塁走者がホームを踏み、1点を先制した。

 先制されたオーストラリアはその裏、8番・クレア・ウォーウィックが二遊間を破る安打で出塁。続く9番・メリンダ・ウィーバーの送りバントがキャッチャーのエラーを誘い、一・二塁とチャンスを広げ、1番・レイ・ゴッドフリーがバントの構えから強打に切り替え、二遊間を破るタイムリー。まず同点に追いつくと、なお無死二・三塁と攻め立て、一死後、3番・ジェイド・ウォールがヒットエンドランを決め、三塁走者が生還。逆転に成功した。

 逆に1点をリードされた日本は、その直後の4回表、この回先頭の4番・山田恵里が右中間を破るツーベースでチャンスメイク。5番・市口侑果の送りバントで三塁へ進み、6番・坂元令奈がレフトの頭上を越えるタイムリーツーベースを放ち、同点に追いついた。

 2−2の同点のまま、両チーム譲らず、延長タイブレーカーへともつれ込み、迎えた8回表、日本は3番・河野美里が三振に倒れ、一死二塁。嫌な雰囲気になりかけたが、4番・山田恵里が一・二塁間を抜くタイムリーを放ち、1点を勝ち越し。頼れる「チームリーダー」の一打で、オーストラリアに傾きかけた試合の流れを引き戻した。さらに5番・市口侑果も痛烈な当たりのレフト前ヒットを放ち、一・三塁とチャンスを広げ、6番・坂元令奈はショートゴロに倒れたものの、一塁走者が二塁へ進塁し、二死二・三塁。ここで途中出場の7番・佐藤みなみがレフト前へタイムリーを放ち、二者生還。この回3点を挙げ、粘るオーストラリアを振り切った。

 この試合では「エース」上野由岐子が久々の先発登板。わずか1イニングの登板ではあったが、ようやく元気な姿を見せてくれた。相変わらず、ファウルにされるボールが多いのが気になるところだが、「ここぞ!」という場面での一球には、オリンピック、世界選手権で「世界の頂点」を極めた者の「凄み」があった。
 また、自分が登板しない試合では、他のピッチャーに自らの経験・技術を惜しみなく伝授する姿が見られ、少しずつ立場を変えながらも、チームに貢献し、日本のソフトボールの「伝統」を伝えていこうとする「先駆者」としての自覚と責任が感じられた。

 USAワールドカップこそ4位に終わったが、カナダカップ(カナディアンオープン)では大会4連覇を飾り、この「大垣国際女子ソフトボール大会」(大垣カップ)でも優勝。アメリカ、カナダ、オーストラリア、中国、チャイニーズタイペイ(台湾)らとの「距離」を測りながら、世界選手権「本番」を迎えることになる。

 大垣から世界選手権へ……2年前にも辿ったこの道を経て、女子日本代表が「連覇」向け、歩みを進めている。

8月15日、オランダ・ハーレムで大会の幕が開く。
女子日本代表、「連覇」への戦いがはじまる……