大会7日目(7月19日/木 ※日本時間・7月20日/金)、すでに予選リーグセクションB1位通過を決めている日本は、予選リーグ最終戦となるメキシコ戦に9−0の5回コールド勝ち。7戦全勝で予選リーグを通過し、戦いの舞台は決勝トーナメントへと移ることになった。 
     予選リーグ・セクションAは、世界選手権8連覇の「偉業達成」を目論むアメリカが7戦全勝で1位。2位には、アメリカには13−0の4回コールド負けを喫したものの、残り6試合を全勝した中国が入り、日本の決勝トーナメント初戦の相手は中国に決定した。 
    
    
      
        |   | 
        1 | 
        2 | 
        3 | 
        4 | 
        5 | 
        計 | 
       
      
        | メキシコ | 
        0 | 
        0 | 
        0 | 
        0 | 
        0 | 
        0 | 
       
      
        | 日  本 | 
        2 | 
        0 | 
        1 | 
        6 | 
        x | 
        9 | 
       
     
    
      
        | 藤田(2回1/3)・○栗田(2回2/3)−渡邉 | 
       
      
        | 〔三塁打〕古田 | 
       
     
     後攻の日本は初回、この試合、スタメン・ショートに起用された1番・相馬満利が三遊間を破るヒットで出塁。2番・関友希央のバントが相手守備の乱れを誘い、無死一・三塁とすると、一塁走者がすかさず盗塁。二・三塁とチャンスを広げ、3番・鈴木美加がキッチリとセンターへ犠牲フライを打ち上げ、三塁走者が生還し、まず1点。この間に二塁走者も三塁へ進塁し、4番・古田真輝のセカンドゴロの間に2点目のホームイン。「日本らしい」ソツのない攻めで、この回2点を先制した。 
     しかし、日本の先発・藤田倭がピリッとしない。初回こそ三者凡退に抑えたものの、2回表には、二死走者なしからムダな四球を与え、3回表にも先頭打者に四球を与え、送りバントで得点圏に走者を送られた後、次打者をまたしても四球で歩かせたところで、業を煮やした宇津木麗華ヘッドコーチが投手交代を通告。急遽、栗田美穂をリリーフに送った。 
       昨日のイギリス戦でも好投した栗田美穂は、送りバントで走者を二・三塁に進められ、「一打同点」のピンチを迎えたものの、落ち着いたピッチングで後続をファーストファウルフライに打ち取り、メキシコに傾きかけた試合の流れを再び日本に引き寄せる見事なピッチングを見せた。 
     これで試合の流れが変わったか、日本は3回裏、二死走者なしから、4番・古田真輝、5番・藤野遥香、6番・渡邉華月の3連打で1点を追加。続く4回裏には、8番・河野美里がピッチャー強襲安打を放ち、猛攻の口火を切ると、代打・山田恵里が絶妙なセーフティーバントを決め、一・二塁。1番・相馬満利が「進塁打」で走者を進め、2番・関友希央、3番・鈴木美加の連打と、4番・古田真輝の右中間三塁打に相手守備の乱れが絡み、一挙5点を追加。二死後、6番・渡邉華月の四球と7番・坂元令奈のセンター前ヒットで再びチャンスを作り直し、この回2巡目の打席となる8番・河野美里のタイムリーでこの回6点目。9−0と大きくリードを広げた。 
     最後は、栗田美穂がメキシコの攻撃を三者凡退に抑え、9−0で5回コールド勝ちを収め、予選リーグ7戦全勝。セクションB1位で決勝トーナメント進出を決めた。 
     決勝トーナメントはダブルページシステムで行われ、セクションA・Bの上位4チームが「最後の決戦」に臨むことになる。 
       また、両セクション1位・2位のチームには「敗者復活」の権利が与えられ、1回負けても、そこから這い上がれるチャンスが残されている。 
       2002年の第10回大会(カナダ・サスカツーン)、2006年の第11回大会(中国・北京)、 
      2010年の第12回大会(ベネズエラ・カラカス)と、日本は3大会連続の準優勝に終わり、いずれもアメリカが優勝を飾っているが、2002年、2010年は日本がアメリカとの最初の対戦に敗れ、敗者復活戦を勝ち上がり、ファイナルで再びアメリカに挑んだものの、「返り討ち」にあっている。 
       2006年は、日本がアメリカとの最初の対戦で、「エース」上野由岐子の力投と伊藤幸子(当時・トヨタ自動車/現役引退)のサヨナラタイムリーで破り、ファイナルで待ち受ける形となったが、アメリカのエース・キャット・オスターマンに抑え込まれ、無念の完封負け。 
       いずれもアメリカの「牙城」に迫り、あと一歩のところまで追い詰めながら、「王者」アメリカの「勝利への執念」と「常勝のプライド」の前に屈している。 
     予選リーグ最終戦のメキシコ戦を終えると、予選リーグ1位通過に浮かれる姿は微塵もなく、練習会場へと急ぐ選手たちの姿があった。 
       決勝トーナメントでの強豪国との対戦に備え、男子ピッチャーを打ち込むのだと言う。そう「本当の勝負」はこれからはじまるのだということを、練習会場へと急ぐ選手たちの「背中」が何より物語っていた。 
     「最後の決戦」決勝トーナメントは、明日はじまる……。 
     
        
       
    第13回世界女子選手権大会 第7日 
    
      
        | 予選リーグ第7戦 メキシコ戦スターティングラインアップ | 
         
      
        | 打順 | 
        守備 | 
        選手名 | 
        所属 | 
       
      
        | 1 | 
        6 | 
        相馬 満利 | 
        日本体育大 | 
       
      
        | 2 | 
        9 | 
        関 友希央 | 
        ルネサスエレクトロニクス高崎 | 
       
      
        | 3 | 
        4 | 
        鈴木 美加 | 
        トヨタ自動車 | 
       
      
        | 4 | 
        3 | 
        古田 真輝 | 
        豊田自動織機 | 
       
      
        | 5 | 
        7 | 
        藤野 遥香 | 
        トヨタ自動車 | 
       
      
        | 6 | 
        2 | 
        渡邉 華月 | 
        トヨタ自動車 | 
       
      
        | 7 | 
        5 | 
        坂元 令奈 | 
        トヨタ自動車 | 
       
      
        | 8 | 
        9 | 
        河野 美里 | 
        太陽誘電 | 
       
      
        | 9 | 
        DP | 
        岩渕 有美 | 
        ルネサスエレクトロニクス高崎 | 
       
      
        | FP | 
        P | 
        藤田  倭 | 
        太陽誘電 | 
       
     
     
    
      
        | ※選手交代 | 
       
      
        | イニング | 
          | 
         
      
        | 3回表 | 
        投手交代 | 
        藤田OUT→栗田美穂(豊田自動織機)IN | 
       
      
        | 4回裏 | 
        代打 | 
        岩渕OUT→山田恵里(日立ソフトウェア)IN | 
       
         
      
     |