女子日本代表
 第1次海外強化合宿を実施!


(2012.3.28)  

女子日本代表、第1次海外強化合宿を実施

昨年9月以来の招集となる女子日本代表。
世界選手権「本番」へ向け、強化に励んだ

昨シーズン限りで現役引退した選手もあり、
女子日本代表も「世代交代」の時期にある

投手陣も「期待の若手」に多くのチャンスが
与えられた。この経験を今後に生かせるか!?

オーストラリアも新旧交代の「過渡期」にあり、
「日本に学びたい」との姿勢が強く感じられた

オーストラリアの「エース」と「主砲」は女子リーグ1部の
佐川急便でプレーする等、親日的な雰囲気がある

チームメートであり、競争相手でもある「代表候補選手」
代表選手17名は4月8日に決定し、翌9日発表される

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


 去る3月15日(木)〜25日(日)、女子日本代表が第1次海外強化合宿を実施。オーストラリア・キャンベラに遠征し、オーストラリア代表と7試合の「対抗戦」を行うなど、強化に励んだ。

 今夏、カナダ・ホワイトホースで開催が予定されている「第13回世界女子選手権大会」で1970年の第2回大会以来となる世界選手権優勝をめざす女子日本代表が、その世界選手権でも上位を争う「ライバル」と見られるオーストラリア代表と対戦。「2012インターナショナル ソフトボール チャレンジ」と銘打たれた7連戦を行い、世界選手権『本番』へ向け、代表選手の選考も兼ねた「実戦」に臨んだ。

 女子日本代表の収集は、昨年9月21日〜27日に台湾・南投で開催された第10回アジア女子選手権大会(兼第13回世界女子選手権アジア地区予選)以来であり、しかも昨シーズン限りで現役引退を表明した選手が数名いた関係から、新たに代表に招集された「ニューフェイス」も多く、「世界の舞台」で戦える選手、「世界一」の座を狙うにふさわしい選手の「見極め」が今回の海外強化合宿の重要な「テーマ」となった。

 今回の海外強化合宿では、オーストラリアのキャンベラ選抜とのテストマッチ2試合、今夏の世界選手権でも確実に上位争いに絡んでくる「強豪」オーストラリアと7試合の「実戦」を行い、その中で、「世界のレベル」で戦うことができる選手であるか否かが選別・判別され、常に「世界一」を狙い、「勝つこと」を義務づけられている「女子日本代表」たるにふさわしい選手を選び抜くための場となった。

 もちろん、代表選手の選考は、今回の海外強化合宿だけではなく、昨年の代表としての強化事業(カナダカップ(カナディアンオープン)、USAワールドカップ、アジア選手権)での実績、日本リーグをはじめとする国内各種大会での活躍等も選考の判断材料とはなるが、今回の海外強化合宿でのプレーが、大きな意味を持つことは間違いない。ましてや、相手は世界選手権をはじめ各種国際大会で必ず上位に名を連ねる強豪国・オーストラリア。その強豪と7試合もの「直接対決」を行うことは、世界のレベルでどれだけのプレーができるか判断するには、格好の場であり、これ以上ない相手であるといえよう。

 一方、オーストラリアは「オリンピック・チャンピオン」である女子日本代表の遠征を大歓迎で迎え、日本との交流を喜んでいた。オーストラリアもチームとして新旧交代の過渡期にあることもあって、日本を「ライバル」というよりは、「オリンピック・チャンピオン」として敬意を持って接すべき相手であり、日本から何かを学び、つかみとっていきたいという姿勢が強く感じられた。
 今回のこのオーストラリア遠征では、最大限のもてなしで日本を迎え、互いの交流を深め、切磋琢磨していくことで、再び世界のトップレベルをめざしていくのだという「決意」と、そのためにも日本との交流を大事にし、互いに刺激し合い、高め合っていけるような関係を築いていきたいという「思い」が感じられるオーストラリアの対応であった。

 試合結果は、まずキャンベラ選抜とのテストマッチ2試合に1−0、14−0と連勝。「2012インターナショナル ソフトボール チャレンジ」と銘打たれたオーストラリア代表との7試合の「対抗戦」もエース・上野由岐子をほぼ温存しながら、5勝2敗と勝ち越し。大きな手応えをつかんだ合宿となった。

 また、新たに代表に加わった選手たちが、「世界のレベル」を、その目で見て、肌で感じて、プレーする機会を得たことは大きな意味がある。期待通りに持てる力を発揮できた選手もいれば、思うようなプレーができなかった選手もいることだろう。しかし、まずはその「経験」を得たことが何より大事なことであり、成功も失敗もすべてが「今後」につながっているのである。それを自らの「成長」につなげられるかどうかは、その選手自身にかかっている。

 代表初選出の選手などは、「まずは勉強」「今後の経験に」と口にする選手もいた。もちろん謙虚な姿勢を持つことは大切であり、いきなり「代表」でいつものように振る舞うことは難しいことかもしれないが、代表候補に名前が挙がり、その「チャンス」をモノにしようとするのであれば、謙虚さなどかなぐり捨て、何ふり構わずレギュラーポジションを奪いにいく姿勢、遠慮することなく自らの能力・技術をアピールしていく貪欲さこそが必要で、その意味では若い選手に「優等生」的な選手が多く、やや物足りない面もあった。
 「若さ」とは無限の可能性であり、失敗が許される立場でもある。そう考えれば、もっともっと積極的にチャレンジすることが必要であり、無謀とも思えるトライを繰り返して、自らの可能性を示し、その限界に挑んでいくような姿勢が求められていたのであり、そのためにチャンスが与えられたのである。

 代表選手の枠は17名。今回そこに選ばれる選手も、選に漏れた選手も、あるいは、まだ代表に呼ばれたことのない選手にも、「日本代表」をめざす志を持ち続けている限り、誰にでも「チャンス」はある。「夢」を持ち続け、諦めなかった者には、いつだって「チャンス」があり、その「夢」を叶えられるのは、それを信じ続けた者だけなのだから……。

 4月8日(日)、平成24年度第1回理事会に選手強化本部会から第13回世界女子選手権大会の代表選手17名が提案され、了承を受け、翌9日(月)、記者発表が行われる予定である。
 2008年の北京オリンピックで悲願の「金メダル」を手にし、「世界の頂点」に立ったとはいえ、世界選手権では1970年の第2回大会以来、優勝がない。久しく遠ざかっている世界選手権優勝。アメリカの世界選手権8連覇を阻止し、狙うは「王座奪還」。宇津木麗華ヘッドコーチ率いる女子日本代表の「挑戦」がはじまる!


■第1次海外強化合宿参加選手

▽スタッフ
・ヘッドコーチ
 宇津木麗華
 (ルネサスエレクトロニクス高崎)
・コーチ
 ルーシー・カサレス(豊田自動織機)
・トレーナー
 金城 充知(SPOLAX)
・総務
 藤井まり子(日ソ協)
・用具
 塚原 弘珠(ミズノ)

▽選手
・投手
 上野由岐子
 (ルネサスエレクトロニクス高崎)
 栗田 美穂(豊田自動織機)
 染谷 美佳(デンソー)
 平原かすみ(東京女子体育大)
 藤田  倭(太陽誘電)
 山根佐由里(トヨタ自動車)
・捕手
 峰  幸代
 (ルネサスエレクトロニクス高崎)
 渡邉 華月(トヨタ自動車)
・内野手
 大久保美紗
 (ルネサスエレクトロニクス高崎)
 坂元 令奈(トヨタ自動車)
 鈴木 美加(トヨタ自動車)
 相馬 満利(日本体育大)
 西山  麗(日立ソフトウェア)
 濱本 静代(日立ソフトウェア)
 古田 真輝(豊田自動織機)
・外野手
 岩渕 有美
 (ルネサスエレクトロニクス高崎)
 河野 美里(太陽誘電)
 関 友希央
 (ルネサスエレクトロニクス高崎)
 藤野 遥香(トヨタ自動車)
 山田 恵里(日立ソフトウェア)

※ポジション別50音順

■2012インターナショナル ソフトボール チャレンジ 試合結果

大会第1日/3月21日(水)
第1戦

  1 2 3 4 5 6 7
女子日本代表 1 0 1 0 0 0 1 3
オーストラリア 1 1 0 0 0 0 0 2
○藤田(7回)−峰・渡邉
(三)山田(二)峰

第2戦
  1 2 3 4 5 6 7 8 9
女子日本代表 0 0 0 1 1 0 0 1 2 5
オーストラリア 0 0 0 0 2 0 0 1 0 3
※延長9回タイブレーカー
○栗田(9回)−峰・渡邉
(本)濱本(三)渡邉

・大会第2日/3月22日(木)
第3戦
  1 2 3 4 5 6 7
女子日本代表 2 0 1 4 0 3 0 10
オーストラリア 1 0 0 2 0 4 0 7
○山根(5回)・平原(2回)−渡邉
(本)河野

第4戦
  1 2 3 4 5 6 7
女子日本代表 0 3 0 0 0 4 0 7
オーストラリア 1 0 0 0 2 1 0 4
栗田(3回)・○藤田(4回)−峰
(二)濱本

・大会第3日/3月23日(金)
第5戦
  1 2 3 4 5 6 7
女子日本代表 0 1 0 0 0 1 1 3
オーストラリア 1 0 1 0 3 0 5
●藤田(4回0/3)・山根(2回)−峰・渡邉・峰
(二)大久保、藤野A

第6戦
  1 2 3 4 5 6 7
女子日本代表 3 0 0 3 0 0 1 7
オーストラリア 0 0 0 1 0 0 0 1
○栗田(4回)・上野(2回)山根(1回)−峰
(本)山田(三)濱本(二)藤野

・大会第4日/3月24日(土)
第7戦
  1 2 3 4 5 6 7
女子日本代表 0 3 0 0 2 0 0 5
オーストラリア 0 0 2 3 0 0 1x 6
藤田(2回)・山根(1回2/3)・栗田(1回1/3)・平原(2/3)・●染谷(2/3)−峰・渡邉
(本)峰(二)古田

※日本、5勝2敗