女子大学日本代表レポート

(2010.7.23)  

女子大学日本代表が国内強化合宿を実施!

目標としていた国際大会は中止になってしまったが、
「常に高いレベルをめざしていきたい」と語った
舟山健一ヘッドコーチ

代表選手たちも、打撃・守備ともに
積極的なプレーを見せた

日本女子リーグ1部のデンソー、豊田自動織機
の胸を借り、テストマッチを実施!

地元・岐阜県成年女子チームも合宿をサポート
実戦主体の強化に取り組んだ

3日間で計5試合のテストマッチを実施
多くの課題と収穫を得た

選手たちには無限の「可能性」がある
今後、日本のソフトボールを牽引する存在に
なってくれることを期待したい

日本リーグ勢の胸を借り、国内強化合宿を実施!

 去る7月16日(金)〜19日(月/祝)の4日間、岐阜県大垣市において女子大学日本代表の国内強化合宿が実施された。(女子大学日本代表・代表選手名簿はこちら

 今回の国内強化合宿は、当初予定されていた第3回世界女子大学選手権大会(8月29日(日)〜9月5日(日)/イタリア・マチュラタ)に向けた強化を目的に実施される予定であったが、その世界女子大学選手権大会が大会への参加国の不足により、中止(今回大会にエントリーした国は日本、中国、台湾の3カ国で、ユニバーシアードの正式種目としての大会の開催には最低6カ国以上のエントリーが必要)。「国際大会に出場し、世界と戦う」という当初の目的は残念ながら叶わなかったが、今回この国内強化合宿を実施し、「大学」のカテゴリーから選ばれた日本代表選手を強化することで、選手たちに常に高いモチベーションを与え、「女子大学日本代表」としての自覚と責任を植え付けていきたいという選手強化本部会の意向のもと、4日間にわたり強化が図られた。
 合宿では、連日「実戦」主体の強化スケジュールが組まれ、日本女子リーグ1部のデンソー、豊田自動織機、また地元・岐阜県の岐阜成年女子チームとのテストマッチを実施。日本トップレベルのチームの胸を借り、3日間で計5試合の「実戦」を行った。

 女子大学日本代表・舟山健一ヘッドコーチ(東北福祉大)は、「今回、世界女子大学選手権大会が中止になってしまったのは、正直なところ非常に残念である。しかし、選手たちはもちろん、我々スタッフも、今までと変わらずソフトボールが好きだし、常に高いレベルをめざしていきたいという気持ちに変わりはない。今回の合宿の冒頭でも、選手たちにはこの合宿で何をしなければならないか、合宿の目的・趣旨をハッキリさせている。日本リーグのチームや、岐阜県の国体チームなど日本のトップレベルのチームに胸を借りることは、非常に貴重な経験になるし、その中でしっかりと課題や収穫を得たいと考えている。また、ただ実戦を重ねるだけではなく、この合宿で大学日本代表であることの自覚と責任を選手たちに植え付けることも大切。この選手たちには、大学の選手たちの模範となり、将来日本のソフトボールを引っ張っていく存在になってもらいたい」と今回の合宿への思いを語った。

 また、今回の国内強化合宿の視察に訪れていた(財)日本ソフトボール協会・利根川勇女子強化委員長も、「この合宿に大学日本代表として参加している以上は、決して代表選手であることだけに満足せず、常にトップレベルをめざし、心も身体も鍛え抜いてもらいたい。目標としていた国際大会が中止になったことは非常に残念ではあるが、この合宿を単なる思い出作りにしてはならないし、自分たちは大学日本代表として今何をしなければならないのか、常に考え、行動していくことが大切である」と選手たちを叱咤激励。また、「この大学日本代表を経て、現在たくさんの選手たちが、日本リーグをはじめ、ナショナルチームでも活躍している。その先輩たちから受け継がれた伝統や思いを決して忘れないでほしい。日本代表であるということは、たくさんの人々の期待や思いを背負うということ。また、今回の強化合宿を実施するにあたっても、少しでも選手たちが日本代表として活動でき、強化に励むことのできる場を作りたいという、多くの方々の協力があった。だからこそ、このチームは常に高いレベルをめざさなければならないし、大学の代表として目標とされるチームであってほしい」と今後への期待を述べた。

 これまで「世界」と戦い、日本のソフトボールの歴史の中で重要な役割を担ってきた大学のカテゴリー。今後も日本代表の強化において、「世界で勝つ」ことを視野に入れた継続した強化に取り組んでいかなくてはならない。ジュニアから大学、ナショナルチームへと、それぞれの世代・カテゴリーが切磋琢磨し、互いに競い合ってこそ、真の意味での日本代表の「強化」につながっていく。また、この大学のカテゴリーには、トップレベルの選手をめざすということのみならず、将来指導者として、自らの経験を生かし、日本のソフトボールを牽引していく……!そんな存在が現れてくれることも期待したい。どんなときも前を向き、ひたむきにチャレンジし続ける。その思いがある限り、選手たちの可能性は広がっていくのである。