2015.7.3
 

 


第14回世界男子ソフトボール選手権大会(カナダ・サスカツーン)

日本、オランダに5回コールド勝ち!
予選リーグ・POOLBを4位で通過し、決勝トーナメントへ



いよいよ予選リーグ最終日を迎えた日本
決勝トーナメント進出には「勝利」が絶対条件となる



予選リーグ最終戦の相手はオランダ



日本の先発投手は、「秘密兵器」と期待される森勇紀
「切れ味鋭いドロップ」を武器に、守備のリズムを作った


2回裏、6番・木谷謙吾のツーランで先制!
この一発により、日本打線が勢いづいた


その後、日本は着々と得点を重ねていく
苦しむ松田光にも、待望のホームランが飛び出した


2番手として4回表から登板した中村健二
貫録のピッチングで2イニングをノーヒットに抑え込む!


日本、4勝3敗で予選リーグを4位通過
勝負の世界は最後まで何が起こるか分からない
決勝トーナメントで「世界を驚かす」ことができるか!?


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 第14回世界男子選手権大会(※大会スケジュールはこちら※大会オフィシャルサイトはこちら)第7日。前日メキシコ戦に11−4の5回コールド勝ちを収め、予選リーグ突破に向けて通算成績を3勝3敗とした日本は、この日予選リーグ最終日を迎え、第7戦でオランダと対戦した。

 オランダはここまで勝ち星がなく6連敗中。決勝トーナメント進出に向けて「4位滑り込み」を狙い、このオランダ戦に勝利することが「絶対条件」となる日本は、「チーム一丸」予選リーグ最後の一戦に臨んだ。

・大会第7日/7月2日(木)
《予選リーグ第7戦》
  1 2 3 4 5
オランダ 0 0 1 0 0 1
日  本 0 7 2 0 x 9
※大会規程により5回得点差コールド
バッテリー:○森勇紀(3回)、中村健二(2回) − 片岡大洋、平本拓朗
長打:〔本塁打〕木谷謙吾、松田光〔二塁打〕浦本大嗣 、松岡真央

 日本の先発投手は、森勇紀。大会前の最終選考合宿から注目され、西村信紀ヘッドコーチが今回「秘密兵器的な存在になってくれれば……」と期待を寄せる右腕が、この予選リーグ最終戦で先発に起用された。

 その森勇紀は立ち上がり、まず1番、2番打者に対して、得意の「切れ味鋭いドロップ」で連続三振に仕留めると、続く3番打者も強気に攻め、サードゴロに打ち取る上々の滑り出し。初回を三者凡退に抑え、攻撃へとつなげる「良いリズム」を作り出した。

 日本打線は初回こそ無得点に終わったものの、2回裏、この回先頭の5番・浦本大嗣がライト線を抜くツーベースで出塁すると、続く6番・木谷謙吾が真ん中に入ってきた甘い球を逃さず振り抜き、右中間へ先制のツーランホームラン。ここまで不完全燃焼が続き、なかなか本来のプレーを発揮することができなかった西村信紀ヘッドコーチの「秘蔵っ子」が、ようやく「会心の一打」を放ち、決勝トーナメント進出をかけた「大事な一戦」の先取点が日本にもたらされた。

 この一発で勢いづいた日本は、この後7番・糸瀬勇助もサードへの内野安打で出塁。すかさず足で揺さぶり、盗塁を成功させ、一死後、9番・片岡大洋のセンター前タイムリーで1点を追加。さらにタイムリーを放ち、出塁した一塁走者・片岡大洋が二盗を仕掛けると、これに慌てた相手捕手の二塁への送球が逸れ、カバーに入ったセンターも後逸。ボールが外野へ転々とする間に俊足を飛ばして一気に本塁へと還り、4点目。1番・米良孝太は三振に倒れたが、2番・西山幸助のショートへの内野安打、盗塁で、なお二死二塁のチャンスが続き、3番・松岡真央の左中間フェンス直撃のタイムリーツーベースで1点、4番・松田光の右中間へのツーランホームランで2点を加え、この回一挙7点を奪い、序盤で早々と試合の大勢を決め、続く3回裏にも相手守備の乱れに乗じて2点を追加した。

 守っては、先発・森勇紀が3回表に1点を返されはしたものの、3イニングを投げ、被安打2の好投。4回表からは2番手としてベテラン・中村健二が登板し、2イニングを「貫録」のノーヒットピッチング。「投手陣のリーダー」が持ち味でもある「緩急自在」の投球で試合を締めくくり、9−1の5回コールドで予選リーグ最終戦を勝利で飾った。

 予選リーグ第5戦のドミニカ戦に敗れたときは、2勝3敗と黒星が先行する「絶体絶命のピンチ」に追い込まれた日本。残り2戦「勝利」が「絶対条件」という厳しい状況の中でも、自分を見失うことなく、予選リーグ突破を信じて確実に勝ち星を重ねることができた。通算成績でいえば4勝3敗、決勝トーナメントへ進出できる「ギリギリの4位通過」となってしまったが、チーム一丸となり、最低限の結果を残したといっていいだろう。

 いよいよ明日から決勝トーナメントへ突入し、「本当の戦い」がはじまる。日本がいた予選リーグ・POOLBでは、「優勝候補の大本命」オーストラリアから金星を挙げるなど好調な戦いを見せた「ダークホース」ドミニカが6勝1敗で1位通過。これにオーストラリア、ベネズエラが5勝2敗の同率で続き、直接対決の勝敗によりオーストラリアの2位、ベネズエラの3位が決定(オーストラリアとベネズエラの対戦で、オーストラリアが勝利しているため、順位が上となる)。日本は4勝3敗の4位で決勝トーナメントに進出することとなった。

 また、予選リーグ・POOLAでは、ホスト国・カナダが7勝0敗の全勝で文句なしの1位通過。これにニュージーランド、チェコ、アルゼンチンの3チームが5勝2敗の同率で続き、同率に並ぶ3チームの直接対決の失点数の合計で、まず2位を決定(ニュージーランド4、アルゼンチン6、チェコ13で、ニュージーランドの2位が決定)。 ニュージーランドを除く同率の2チーム(アルゼンチン・チェコの2チーム)では、チェコがアルゼンチンに勝利しているため、チェコの順位が上となり、チェコの3位、アルゼンチンの4位が決定した。

 日本は明日、決勝トーナメント初戦(3位・4位戦)でPOOLA3位のチェコと対戦することになる。予選リーグ4位でこの決勝トーナメントへと臨む日本としては、「負ければその時点で終わり」となる究極の「サバイバルゲーム」に、勝って生き残らなければならない。「世界一」「メダル獲得」への道は、冷静に考えると、遠く、厳しいものなのかもしれない。だが、我々日本はあくまでも「挑戦者」。この「世界の頂点を争う舞台」で失うものなど何もない。戦おう!男子日本代表の誇りとプライドにかけて……。日本の男子ソフトボールの「新たな道」を、そして「未来」を、切り拓くために。



予選リーグ第7戦
オランダ戦 スターティングラインアップ
打順 守備位置 選手名 所属 UN
1 3B 米良孝太 旭化成 5
2 CF 西山幸助 平林金属 24
3 SS 松岡真央 旭化成 10
4 DP 松田光 平林金属 20
5 1B 浦本大嗣 ホンダエンジニアリング 9
6 RF 木谷謙吾 平林金属 28
7 2B 糸瀬勇助 ホンダエンジニアリング 6
8 LF 川田直諒 旭化成 7
9 片岡大洋 高知パシフィックウェーブ 2
FP 森勇紀 Neo長崎 22

※選手交代
3回裏 代打 川田OUT→筒井拓友(大阪桃次郎)IN
4回表 投手交代 森OUT→中村健二(大阪桃次郎)IN
守備交代 浦本OUT→平本拓朗(平林金属)IN
捕手の片岡がファーストの守備に回り、
平本拓朗が捕手の守備に入る
松岡OUT→澤田優生(大阪桃次郎)IN



予選リーグ戦績表
POOL A アルゼンチン カナダ チェコ イギリス グアテマラ インドネシア ニュージーランド フィリピン 勝数 敗数 得点 失点 順位
アルゼンチン ●5-7 ●2-4 ○2-0 ○7-0 ○7-0 ○3-2 ○7-0 33 13
カナダ ○7-5 ○10-2 ○11-1 ○6-0 ○7-0 ○2-1 ○12-0 55 9
チェコ ○4-2 ●2-10 ○4-2 ○6-5 ○7-0 ●1-11 ○12-5 36 35
イギリス ●0-2 ●1-11 ●2-4 ○4-0 ○7-0 ●1-9 ○10-2 25 28
グアテマラ ●0-7 ●0-6 ●5-6 ●0-4 ○7-0 ●1-9 ○4-0 17 32
インドネシア ●0-7 ●0-7 ●0-7 ●0-7 ●0-7 ●0-7 ●0-7 0 49
ニュージーランド ●2-3 ●1-2 ○11-1 ○9-1 ○9-1 ○7-0 ○9-2 48 10
フィリピン ●0-7 ●0-12 ●5-12 ●2-10 ●0-4 ○7-0 ●2-9 16 54
※2位・3位・4位は同率に並ぶ3チームの直接対決の失点数の合計で、まず2位を決定(ニュージーランド4、アルゼンチン6、チェコ13)で、ニュージーランドの2位が決定。
 ニュージーランドを除く同率の2チーム(アルゼンチン・チェコの2チーム)では、チェコがアルゼンチンに勝利しているため、チェコの順位が上となり、チェコの3位、アルゼンチンの4位が決定。

POOL B オーストラリア デンマーク ドミニカ共和国 日本 メキシコ オランダ アメリカ ベネズエラ 勝数 敗数 得点 失点 順位
オーストラリア ○8-2 ●3-5 ○1-0 ●3-10 ○8-0 ○8-0 ○5-1 36 18
デンマーク ●2-8 ●1-8 ●2-5 ●2-6 ○2-0 ●2-9 ●4-5 15 41
ドミニカ共和国 ○5-3 ○8-1 ○4-1 ○4-3 ○8-3 ●4-6 ○4-0 37 17
日本 ●0-1 ○5-2 ●1-4 ○11-4 ○9-1 ○5-4 ●0-3 31 19
メキシコ ○10-3 ○6-2 ●3-4 ●4-11 ○12-0 ●0-7 ●1-6 36 33
オランダ ●0-8 ●0-2 ●3-8 ●1-9 ●0-12 ●1-4 ●1-11 6 54
アメリカ ●0-8 ○9-2 ○6-4 ●4-5 ○7-0 ○4-1 ●2-3 32 23
ベネズエラ ●1-5 ○5-4 ●0-4 ○3-0 ○6-1 ○11-1 ○3-2 29 17
※2位・3位は直接対決の勝敗により決定(オーストラリアとベネズエラの対戦で、オーストラリアが勝利しているため、順位が上となる)
※戦績表の掲載順は公式サイト掲載順に準じて掲載。

決勝トーナメント組み合わせ