2015.6.28
 

 


第14回世界男子ソフトボール選手権大会(カナダ・サスカツーン)

日本、デンマークを5−2で破り、予選リーグ1勝1敗に!



予選リーグ第2戦の相手はデンマーク



初回に「切り込み隊長」澤田優生の積極果敢な走塁が
相手守備陣のミスを誘発し、1点を先制



第2戦の先発投手に起用された高橋速水
4回まで被安打2と好投するが……


5回裏に特大の一発を浴び、試合を振り出しに戻される


連敗だけは絶対に許されない!
6回表、日本打線が目を覚まし、勝ち越しに成功


この試合日本は3人の投手を継投
今後も最少失点に抑えることが「勝利へのカギ」となる


ひとまず、今大会初勝利!「本当の戦い」はこれからだ


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 第14回世界男子選手権大会(※大会スケジュールはこちら※大会オフィシャルサイトはこちら)第2日、前日予選リーグ初戦で「優勝候補の筆頭」オーストラリアに惜しくも0−1で敗れ、黒星スタートとなった日本は、この日予選リーグ第2戦に臨み、デンマークと対戦した。

・大会第2日/6月27日(土)
《予選リーグ第2戦》
  1 2 3 4 5 6 7
日  本 1 0 0 0 0 2 2 5
デンマーク 0 0 0 0 1 0 1 2
バッテリー:○高橋速水(5回)、森勇紀(1回)、中村健二(1回) − 平本拓朗、片岡大洋
長打:〔二塁打〕川田直諒、浦本大嗣

 先攻の日本は初回、1番・澤田優生がきっちりとボールを見極め、四球で出塁。一死後、盗塁を仕掛け、捕手の送球をベースカバーに入ったショートが逸らす間に三塁を陥れると、3番・松田光はショートゴロに倒れたが、続く4番・川田直諒の打席でのワイルドピッチで一気に本塁へ生還。大会前思わぬ発熱にうなされ、体調を崩しながらも、前日のオーストラリア戦では「世界最速の右腕」アダム・フォーカードと唯一互角に渡り合った日本の「切り込み隊長」が、お手本ともいえる「積極果敢な走塁」で相手守備陣のミスを誘発し、1点を先制した。

 日本の先発投手は、高橋速水。以前から西村信紀ヘッドコーチが「将来の日本のエース」と期待を寄せる右腕が、今大会チームの初勝利をかけて、予選リーグ第2戦を任された。その高橋速水は立ち上がり、まず先頭打者をセカンドゴロに打ち取ると、続く2番打者に三遊間を破られ、出塁を許したものの、後続をショートゴロ、センターフライに打ち取り、初回無失点の順調な滑り出し。前日のオーストラリア戦で「次代を担う剛腕」岡阜囀lがMAX130km/hを叩き出し、世界の頂点を争うチームと互角に渡り合った姿に刺激を受けたか、この試合は気合い十分。持ち味でもある切れ味鋭いライズ・ドロップをテンポ良く投げ込み、2回裏、3回裏と続けてデンマーク打線を三者凡退に抑えた。4回裏は四球とライト前ヒットなどで一死一・三塁のピンチを招いたが、ここも5番打者をショートゴロに打ち取り、6−4−3のダブルプレー。力投する高橋速水をバックも好守で助け、試合は日本が1点リードしたまま、終盤へと入った。

 しかし、頼みの打線がこの日もなかなか力投する高橋速水を援護することができない。初回にワイルドピッチで先制点を挙げた後は、デンマーク投手陣を打ちあぐみ、4回終了時点でわずか1安打。5回表に9番・木谷謙吾のセンター前ヒット、さらに1番・澤田優生のサード前へ絶妙に転がすセーフティーバント、四球などで一死満塁と絶好の追加点のチャンスを作ったが、4番・川田直諒が放ったセカンドへのライナーが相手二塁手の正面を突き、飛び出した一塁走者も戻れず、ダブルプレー。日本はこの回も追加点を奪えず、重苦しい雰囲気が続いた。

 この嫌なムードが影響したか、その裏、ここまで好投を続けてきた高橋速水がこの回先頭の6番打者にライトスタンドへ特大のソロホームランを叩き込まれ、ついに同点。相手にトドメを刺すどころか、試合は1−1の振り出しへと戻ってしまう。

 連敗だけは絶対に避けなければならない日本は6回表、この危機的状況にようやく打線が目覚め、一死から6番・松岡真央が一・二塁間を破るヒットで出塁し、すかさず盗塁に成功。チームを引っ張るキャプテン自らチャンスメイクすると、続く7番・浦本大嗣も「執念」でセンター前に落とし、勝ち越し。さらに二死後、5回裏の守備から出場していた9番・米良孝太のショートへの当たりがエラーを誘い、一・三塁のチャンスが続き、1番・澤田優生がうまく叩きつけ、三遊間深く転がすと、これが相手守備のエラーを誘い、大きな3点目を追加した。

 リードを奪ったことで肩の荷が降り、プレッシャーから解放された日本打線は、7回表にも無死一塁から4番・川田直諒がレフトオーバーのタイムリーツーベースを放ち、4点目。5番・筒井拓友、6番・松岡真央は連続三振に倒れたが、前の打席で勝ち越しの一打を放った7番・浦本大嗣に今度は左中間を深々と破るタイムリーツーベースが飛び出し、ダメ押しの5点目を追加。

 守っては、高橋速水、森勇紀、中村健二と3人の投手をつなぐ継投で、7回裏に3番手・中村健二が一死からソロホームランを浴びて2点目を失い、なお二死一・二塁と一発出れば同点のピンチを招いたが、最後の打者を何とかセンターフライに打ち取り、ゲームセット。終盤まで苦しい展開を強いられながらも、最終的には5−2でしっかりと勝ち切り、今大会初勝利を飾った。

 予選リーグ1勝1敗となった日本は、明日第3戦でアメリカと対戦する。POOL・B1位・2位通過をめざす日本にとっては、明日のアメリカ戦、そして明後日のベネズエラ戦が「最大の山場」。アメリカはここまでメキシコに7−0(6回コールド勝ち)、ドミニカにも6−4で勝利を収め、連勝。順調な戦いを続けている。前回の第13回大会(ニュージーランド・オークランド)は対戦がなかったが、2009年の第12回大会(カナダ・サスカツーン)では同じく予選リーグ第3戦で対戦し、0−3の完封負けを喫している「侮れない」相手だ。また、前回準優勝のベネズエラも当然「世界の頂点を狙える実力」を持った強豪であり、現時点のチーム状態・チーム力を考えれば、2チームとも「日本より力は上」と判断せざるを得ないだろう。だが、この世界選手権でメダルを狙うのであれば、こういった強豪国を撃破し、厳しい連戦を勝ち抜いていかなければならない。それができなければ、世界の上位になど食い込むことはできないのだから……。いよいよ男子日本代表の「真価」を問われる戦いがはじまる。



予選リーグ第2戦
デンマーク戦 スターティングラインアップ
打順 守備位置 選手名 所属 UN
1 2B 澤田優生 大阪桃次郎 12
2 CF 西山幸助 平林金属 24
3 DP 松田光 平林金属 20
4 LF 川田直諒 旭化成 7
5 3B 筒井拓友 大阪桃次郎 8
6 SS 松岡真央 旭化成 10
7 1B 浦本大嗣 ホンダエンジニアリング 9
8 平本拓朗 平林金属 26
9 RF 木谷謙吾 平林金属 28
FP P 高橋速水 高知パシフィックウェーブ 21

※選手交代
5回裏 守備交代 木谷OUT→米良孝太(旭化成)IN
米良がサードの守備へ
サードの筒井拓友(大阪桃次郎)がライトの守備へ回る
6回表 代打 西山OUT→糸瀬勇助(ホンダエンジニアリング)IN
6回裏 再出場 糸瀬OUT→西山幸助(平林金属)IN
センターの守備で再出場
投手交代 高橋OUT→森勇紀(Neo長崎)IN
守備交代 平本OUT→片岡大洋(高知パシフィックウェーブ)IN
7回表 代走 松田OUT→照井賢吾(高崎市役所)IN
7回裏 投手交代 森OUT→中村健二(大阪桃次郎)IN