2015.6.27
 

 


第14回世界男子ソフトボール選手権大会(カナダ・サスカツーン)

世界男子選手権、開幕!
日本、初戦でオーストラリアに惜敗し、黒星スタート



第14回世界男子選手権大会が開幕!
男子日本代表の「世界への挑戦」がはじまった



予選リーグ初戦の相手は
「優勝候補の大本命」に挙げられるオーストラリア



日本の先発投手は「次代を担う剛腕」岡阜囀l
自己最速となるMAX130km/hを叩き出し、真っ向勝負を挑んだ


しかし、「一球の失投」が命取りに……
2回表に先制のソロホームランを浴びてしまう


オーストラリアは満を持して「世界最速の右腕」
アダム・フォーカードを先発投手に起用
MAX132km/hの速球の前に日本は13三振


日本も数少ないチャンスを作り、
「世界一の投手」に懸命にくらいついたが……


最後まで1点が遠く、0−1の惜敗
この敗戦で得た経験を今後の戦いに生かせるか!?


Broadcast live streaming video on Ustream

 第14回世界男子選手権大会(※大会スケジュールはこちら※大会オフィシャルサイトはこちら)が、カナダ・サスカツーンにおいて開幕。

 試合方式は、まず全16カ国(大会直前にインドネシアが出場をキャンセル。インドネシア戦はすべて相手の不戦勝(スコア上の取扱いは7−0で相手チームの勝ち)となる)を2つのセクションに振り分け、シングルラウンドロビン(1回戦総当たり)の予選リーグを実施。予選リーグPOOL・A、POOL・Bの上位4チームが決勝トーナメントへ、各セクション5位〜8位のチームが順位決定戦に進み、決勝トーナメントはダブルページシステム(敗者復活戦を含むトーナメント)で「世界一の座」が争われることになる。

 予選リーグPOOL・Bの日本は、この日初戦を迎え、2009年の第12回大会(同じくカナダ・サスカツーンで開催)の覇者であり、今回「優勝候補一番手」の呼び声高い「難敵」オーストラリアといきなり対戦することになった。

・大会第1日/6月26日(金)
《予選リーグ第1戦》
  1 2 3 4 5 6 7
オーストラリア 0 1 0 0 0 0 0 1
日  本 0 0 0 0 0 0 0 0
バッテリー:●岡阜囀l(5回)、照井賢吾(2回) − 片岡大洋

 チームを「勢いづける」ためにも、重要な初戦。「オーストラリア戦はイチかバチか思い切りぶつかる!」と大会前に思いを語っていた西村信紀ヘッドコーチは、この大事な一戦の先発投手に、これが「世界選手権デビュー」となる「次代を担う剛腕」岡阜囀lを抜擢し、勝負に出た。

 岡阜囀lは、世界ジュニア選手権で準優勝、第3位と輝かしい実績を残し、「今後の男子ソフトボール界を背負って立つ男」と期待され、昨年12月のアジア地区予選で日本代表にデビュー。特に世界ジュニア選手権でのオーストラリア戦はこれまで4戦4勝と相性が良く、「負けなし」の成績を収めており、そのピッチングに「大きな注目」が集まった。

 立ち上がり、まず守備についた日本は、先発・岡阜囀lが初球から「ライズボール」で真っ向勝負。しかし、ジュニアでは空振りの山を築いた肩口のハイライズをキッチリと見極められ、1番・ジノン・ウインタースに四球。2番・ケイラン・オーレリーはピッチャーフライに打ち取ったが、3番・アンドリュー・カークパトリックに同じく高めのライズボールを見極められ、再び四球。4番・ニック・シャイレスを三振に仕留めた後も、5番・マーシャル・クロンクにまたしても際どいコースを見極められ、この回3つ目の四球で二死満塁と絶体絶命のピンチを招いてしまった。だが……ここからが「次代を担う剛腕」の真骨頂。自己最速となる「MAX130km/h」の速球で6番・ニック・ノートンをショートゴロに打ち取り、初回のピンチを脱した。

 一方、オーストラリアの先発は、「世界最速の右腕」であり「世界bPの投手」と誰もが認めるアダム・フォーカード。大事な開幕戦の先発投手に、満を持してエースを起用してきた。立ち上がりからエンジン全開の岡阜囀lに対して、そのアダム・フォーカードは世界一の投手の「余裕」なのか、どこか「余力」を残したピッチング。1番・澤田優生がしっかりと速球をとらえ、セカンドに強い当たりのゴロを打ち返した瞬間は「これは勝負になるか……」と期待を持てたが、その後すぐにギアを入れ替え、2番・西山幸助、3番・松田光をアッという間に連続三振。日本は初回を三者凡退で終えた。

 日本・岡阜囀l、オーストラリア・アダム・フォーカード、ともに「力のある速球」と「切れ味抜群のライズボール」を武器とする両投手の「ハイレベルな投げ合い」になるかと思われた2回裏、初回のピンチを切り抜けた岡阜囀lに「一瞬の気の緩み」があったのか、この回先頭の7番・ショーン・ゴフィーにツーボール・ワンストライクからの4球目をとらえられ、センターへ大きなアーチを描くソロホームラン。得意のライズボールが抜け、ど真ん中に入った失投を「世界の頂点」を狙うチームが見逃してくれるはずもなく、絶対に与えてはいけない先制点を奪われてしまった。

 日本はその後、岡阜囀lが再三ピンチを背負いながらも持ち前の「気迫溢れるピッチング」で何とか凌ぎ、5イニングを1失点で乗り切ると、6回表から2番手・照井賢吾に投手リレー。照井賢吾も持ち味のコーナーを突く「丁寧なピッチング」で2イニングをノーヒットに抑え込み、オーストラリアに追加点を許さず、辛抱強く打線の反撃を待ったが、要所で「貫録のピッチング」を見せるアダム・フォーカードに終ってみれば13三振を奪われるなど、最後まで1点が遠く、無念の完封負け。最少失点の接戦に持ち込みはしたが、惜しくも0−1で敗れ、黒星スタートとなった。

 優勝候補筆頭のオーストラリアから金星を挙げ、チームに勢いをつける。この構想は残念ながら崩れ去り、予選リーグ1位・2位通過をめざす日本にとっては、今後取りこぼしが許されないという厳しい状況に立たされることとなった。しかし、この先の戦いを考えると、ここで下を向く必要はまったくなく、むしろこれを「収穫ある敗戦」ととらえていかなければならない。あのオーストラリア相手に、岡阜囀lをはじめ投手陣が上々のピッチングを展開し、最少失点に抑えることができた。打線に関しても、初戦でアダム・フォーカードが投じるMAX132km/hの速球を体感できたことで、世界一線級の投手への対応力といった部分では明日以降の戦いに大きく生きてくるはずだ。「戦い方」次第で必ずや日本の活路は開ける。一戦一戦粘り強く、そして泥臭く、男子日本代表の「総力」を結集して最後まで戦い抜けるか。「真価」が問われるのは、まだまだここからである。



予選リーグ第1戦
オーストラリア戦 スターティングラインアップ
打順 守備位置 選手名 所属 UN
1 2B 澤田優生 大阪桃次郎 12
2 CF 西山幸助 平林金属 24
3 DP 松田光 平林金属 20
4 LF 川田直諒 旭化成 7
5 3B 筒井拓友 大阪桃次郎 8
6 SS 松岡真央 旭化成 10
7 1B 浦本大嗣 ホンダエンジニアリング 9
8 片岡大洋 高知パシフィックウェーブ 2
9 RF 木谷謙吾 平林金属 28
FP P 岡阜囀l デンソー 19

※選手交代
6回表 投手交代 岡浮nUT→照井賢吾(高崎市役所)IN  
6回裏 代打 木谷OUT→米良孝太(旭化成)IN  
7回表 再出場 米良OUT→木谷謙吾(平林金属)IN
ライトの守備で再出場
7回裏 代打 西山OUT→糸瀬勇助(ホンダエンジニアリング)IN