世界の頂点をめざして!
 男子日本代表選手選考会を実施
 (2008.11.25)


男子日本代表選手選考会を実施

日本代表をめざし、全国から64名の選手が参加

3日間にわたり、厳しい選考が行われた

「世界と戦うために……」 トップレベルの技術が要求される!

選考は実戦形式のメニュー主体に行われた

選考委員の熱い眼差しが参加者にそそがれる

バッティングマシンを利用した選考も実施
       球速は世界の投手を想定し、
「125km〜130km」に設定された

参加者は打撃・守備ともに懸命にアピール

おくすることなく、挑め、世界へ!

 男子日本代表選手選考会が、11月1日(土)〜3日(月/祝)の3日間にわたり、静岡県伊豆市の天城ドームおよび野球場を会場に実施され、来年開催される「第12回世界男子ソフトボール選手権大会」に向けた男子日本代表候補・強化指定選手22名が決定。また、その中から、来年2月にサモアで開催される「パシフィックインターナショナルメンズシリーズ」の派遣選手17名が決定した。
 今回実施された選考会は、来年2月にサモアで開催が予定されている「パシフィックインターナショナルメンズシリーズ」の代表選手の選考と、7月17日〜26日にカナダ・サスカツーンで開催される「第12回世界男子ソフトボール選手権大会」に派遣する日本代表選手の選考を目的としたもので、選考会当日は‘08年度男子日本代表強化指定選手22名(当日1名欠席)、一般公募43名の計64名が参加。日ソ協選手強化本部会・井川英福強化副本部長、日ソ協選手強化本部会・竹島正隆男子強化委員長、日ソ協選手強化本部会・石井賀一郎男子強化委員らが選考委員を務め、連日厳しい選考が行われた。
 初日は、64名の参加者を3つのグループ(A・B・Cグループ)に分け、各グループごとに打撃・守備・基礎体力測定が行われた。打撃・守備に関しては、ゲーム形式でのケース評価(実戦の中での打撃・守備の評価)が行われるなど、それぞれの選手の実戦的な能力を見極める選考が行われた。
 選考にあたった男子日本代表・丹下淑裕ヘッドコーチ(日ソ協選手強化本部会男子強化委員/豊田自動織機)は、「今回は実戦主体の選考を行いたい。まずは、参加者それぞれにゲーム形式の中で自由にアピールさせる。まずは、絶対条件となる基本的な打撃・守備の能力を兼ね備えているかということ、次に、打撃ではこちらから実戦の中で状況設定をし、その中で小技(セーフティー、送りバント、ヒットエンドラン)を含めた、状況に応じたプレーができるかどうか。守備面でも、一つひとつのプレーを確実にさばけるということはもちろんのこと、実戦の中での状況判断が的確にできるか否かを選考したい」と、今回の選手選考基準を語った。
 また、「これまで実施してきた海外強化遠征で、現在世界の強豪国がどれほどの戦力を有し、どれほどのレベルなのか、実際の試合を通して経験してきた。世界にはMAX130kmを超える速球を持つ投手、打者の手元で大きく変化し、日本の選手とは違うライズ・ドロップを投げ込んでくる投手も存在する。打撃面では、いとも簡単にフェンスオーバーしてしまう驚異的なパワーを有し、リーチが長く、内・外角ともに踏み込んでフルスイングしてくる打者も多い。個人個人が“力勝負”をして勝つことは難しい。日本のカギは、いかに一人ひとりがチームの中での役割に徹し、全員総力で戦えるか。もちろん小技も機動力も交え、日本らしい戦い方で世界に挑む。日本の長所とされる世界トップレベルの“技術”で勝負するためにも、それを有した選手、応用できる選手を選ばなくてはならない」と、今後の強化、世界での戦いを見据えたチェックポイントを明確に打ち出していた。
 2日目からは、3つのグループがそれぞれ総当たりで対戦する紅白戦形式での選考に加え、バッティングマシンを利用した選考も行われた。バッティングマシンの速度は、125km〜130kmに設定され、ライズ・ドロップの2つの球種を打ち込む課題が参加者に課せられた。
 また、夕食後には午後6時から天城ドームにおいて夜間での選考も実施。ここでは、丹下淑裕ヘッドコーチが今回選考のポイントとして掲げてきた「つなぐ攻撃」の一つでもあるバントをはじめ、ゲームノックによる実戦形式での守備もチェック。自らも「日本代表」として世界選手権準優勝・3位という成績を残し、黄金時代を築いた荒木貴則コーチ(日新製鋼)がさまざまな状況を設定しながら打球を飛ばし、植田祐造コーチ(ホンダエンジニアリング)と共に、参加者それぞれの細かなプレーまで目を凝らしていた。
 3日間にわたった日本代表選手選考会は、打撃・守備・走塁すべての面において厳しい選考が行われた。「世界の頂点に立つために」、どのような日本代表を編成しなければならないか、そのためにはどのような選手を選考しなければならないのか、今回の選考会ではその強化方針に沿った明確なプランが、丹下淑裕ヘッドコーチ、荒木貴則コーチ、植田祐造コーチのもと、しっかりと描かれていた。
 今後、男子日本代表候補・強化指定選手は、まず、22名の中から17名が来年2月にサモアで開催される「パシフィックインターナショナルメンズシリーズ」に参加。その後は、来年3月に第3次国内強化合宿(静岡県伊豆市)を実施するなど、“世界”との戦いを視野に入れた本格的な強化を進めていく中で、世界選手権出場選手17名を選考していく。
 前回の世界選手権では無念の5位に終わった男子日本代表。今回の世界選手権でもし惨敗してしまうようなことがあれば、世界との“距離”は確実に開いてしまう。「男子日本代表の伝統を次世代につなげていく」ためにも、今回の戦いに負けるわけにはいかない。日本「本来の力」は世界トップレベルにあるはず……。世界の強豪を相手に「世界一」を争うだけの力を持っているはずだ。
 世界との戦いはいよいよ来年の7月! 丹下淑裕ヘッドコーチ率いる「新生・日本代表」に注目が集まる。



平成21年度 男子日本代表候補・強化指定選手
(22名)

・投手
 飯田 邦彦(日新製鋼)
※浜口 辰也(ホンダエンジニアリング)
 村里 和貴(デンソー)
※高橋 速水(日本体育大)
※照井 賢吾(大阪ツヅキグローバル)
※中村 健二(大阪桃次郎)
 中島 幸紀(大阪桃次郎)
※村上 大和(豊田自動織機)

・捕手
※小野 洋平(高知パシフィックウェーブ)
※鈴木 周平(大阪ツヅキグローバル)
※杉田  剛(STオール大分)

・内野手
※浦本 大嗣(ホンダエンジニアリング)
※原田 泰光(高崎市役所)
※西森  雄(トヨタ自動車)
※塚本 正和(日新製鋼)
※筒井 拓友(日本体育大)
 枦山 竜児(岐阜松久ファイターズ)
※松岡 真央(旭化成)

・外野手
※青山 紀彦(早稲田大)
 横山  拓(岐阜松久ファイターズ)
※石村  寛(大阪ツヅキグローバル)
※亀井  博(豊田自動織機)

※はパシフィックインターナショナルメンズシリーズ派遣選手

2009 パシフィックインターナショナルメンズシリーズ 派遣スタッフ

・ヘッドコーチ
 丹下 淑裕(豊田自動織機)
・コーチ
 荒木 貴則(日新製鋼)
 植田 祐造(ホンダエンジニアリング)
・マネージャー
 藤田 直人(豊田自動織機)
・トレーナー
 丸山  隆(スポーツ・ケア・ポート)
・強化担当
 竹島 正隆(日本ソフトボール協会/男子強化委員長)