2015.4.20
 

 

第44回日本男子ソフトボール西日本リーグ第1節

高知パシフィックウェーブが4勝1敗の好スタート!




高知パシフィックウェーブが4勝1敗と好発進!



開幕戦でオール福岡にまさかの敗戦を喫した平林金属
今節を3勝2敗で終え、高知パシフィックウェーブを追いかける



同じく今節3勝2敗の旭化成
今年も自慢の「強力打線」は健在だ


愛媛ウエストも3勝2敗
今年は上位進出ではなく、優勝を狙う!


Neo長崎は3勝3敗
日本代表にも名を連ねたエース・森勇紀に注目


3連覇を狙う大阪桃次郎は2勝3敗と負け越し
昨年のようにシーズンを通して安定した戦いを展開したい


昨年からどこか元気のないダイワアクト
西日本リーグ連覇を果たしたあの「勝負強さ」を思い出せ!


エース・北添政樹が抜け、苦しい戦いが予想されるジェイテクト
今節全試合で完投した秋山太一の右腕にすべてが託されている


昨年1勝が遠かったオール福岡は今節2勝をマーク
まだまだ戦いはこれから!貪欲に勝利をめざせ!!



第44回日本男子西日本リーグ第1節/広島県尾道市

 第44回日本男子ソフトボール西日本リーグが開幕。第1節が、去る4月17日(金)〜19日(日)の3日間にわたり、広島県尾道市・尾道市御調ソフトボール球場において開催された。

 第1節では、昨年5位に終わり、このところ3年連続で決勝トーナメント進出を逃している高知パシフィックウェーブが順調に白星を重ね、4勝1敗の好スタート。上位グループはこの高知パシフィックウェーブを、平林金属、旭化成、愛媛ウエストの3チームが3勝2敗、Neo長崎が3勝3敗で追いかける展開となった。

 高知パシフィックウェーブは、初日、まず開幕ゲームでNeo長崎と対戦。日本代表の主力でもあり、今年から「キャプテン」としてチームを引っ張るエース・高橋速水が初回にいきなり先制点を奪われたものの、その裏すぐさま反撃に転じ、2番・尾葺a登のソロホームランで同点。3回裏には一死満塁と攻め立て、8番・西森圭祐の犠牲フライで逆転に成功すると、終盤6回裏、無死一塁から1番・古敷谷亮がセンターへ試合を決めるツーランホームランを叩き込み、4−1で快勝。この開幕白星スタートが「良い流れ」を作り、続く大阪桃次郎戦でも4番・岡本友章、3番・中西康太、2番・尾葺a登、5番・中西健太のタイムリーなど11安打を浴びせて8−0の圧勝。2日目、オール福岡との一戦では相手投手のコーナーを突く丁寧なピッチングにうまく交わされ、0−3の完封負けを喫したが、最終日、再び打線が目を覚まし、ジェイテクト戦に6番・中西健太のツーラン、4番・岡本友章のソロホームランを含む16安打の猛攻で14−4の5回コールド勝ち。今節最終戦となった平林金属との対戦でも、エース・高橋速水が3本のホームランを浴びるなど5点を失い、苦しみながらも、「好調な打線」の援護で手に汗握る接戦に6−5で勝利。第1節を4勝1敗と勝ち越し、好調な滑り出しを見せた。
 昨年チームのキャプテンを務めた山尾竜則、また外野のまとめ役であった安井伸二らベテラン勢が現役を引退。今年は大学、高校から横山嵩洋、西森圭祐、高島大揮、村上魁、谷脇正基の新人選手5名が加わるなど、「フレッシュな顔ぶれ」で「新たなスタート」を切った高知パシフィックウェーブ。選手兼任監督として自ら4番を打つ「レジェンド」岡本友章が相変わらずの存在感を示し続けているが、チームとしては重要な「世代交代」の時期にさしかかっている。次節以降、この「若い選手」たちがどこまで日本リーグの舞台で躍動し、結果を残すことができるか。今年加わったルーキーの中には、2012年にアルゼンチン・パラナで開催された第9回世界ジュニア選手権でU19日本代表のキャプテンを務め、準優勝に貢献した西森圭祐など、今後が楽しみな選手が多いだけに、今シーズンへの期待は膨らむ。

 高知パシフィックウェーブに続き、3勝2敗で並んだのは平林金属、旭化成、愛媛ウエストの3チーム。
 平林金属は、開幕戦でエース・松田光を温存したことが裏目となり、オール福岡に4−9で敗れ、まさかの黒星スタート。続くNeo長崎戦では、6番・木谷謙吾の満塁ホームランなど打線の活躍で9−1と圧勝。2日目、ダイワアクト戦に4番・平本拓朗、1番・祝弘樹のツーラン、8番・太田元貴のスリーランなど12安打を浴びせて13−5と打ち勝ち、ジェイテクトとの対戦でも一時同点に追いつかれながら、相手守備の乱れで決勝点を挙げ、6−4で勝利。開幕戦に敗れた後3連勝を飾り、息を吹き返したかに見えたが、最終日、高知パシフィックウェーブとの一戦に先手を取りながら5−6で競り負け、3勝2敗となった。

 旭化成は、初日、まず大阪桃次郎と対戦し、2−3と1点リードされて迎えた4回裏、8番・小野昌康、2番・砂諭に相次いでツーランホームランが飛び出し、決勝点を挙げ、6−3で逆転勝ち。続くダイワアクト戦では金丸昭太、園田努の投手陣が3本のホームランを含む11安打を浴びるなど打ち込まれ、2−6で敗戦。2日目もジェイテクトに18−10と打ち勝った後、愛媛ウエストに1−5で敗れる不安定な戦いが続いたが、最終日、オール福岡との一戦では7点を失いながらも、7番・濱砂諭(3本)、1番・米良孝太、2番・上杉大輝、4番・川田直諒、6番・夏田陽平(2本)の計8本のホームラン(※チーム1試合8本塁打は西日本リーグ新記録)が飛び出すなど「旭化成らしい」「一発攻勢」で11点を奪い、乱打戦に勝利。勝ち星を一つ先行させた。

 昨年西日本リーグ4位で初の決勝トーナメント進出を果たし、決勝トーナメントでも準優勝の好成績を残した愛媛ウエストは、初日、ジェイテクトとの一戦に初回2点を先制されながらも、その裏、1番・前田直哉のソロホームランと6番・前田征那、7番・稲垣力哉のタイムリーで4点を奪い、すぐに逆転。4回裏には再び1番・前田直哉のタイムリーで大きな5点目を追加し、何とか逃げ切ったが、2日目のNeo長崎戦では森勇紀の前にわずか2安打と打線が沈黙し、0−2の完封負け。しかし、この後旭化成に5−1で快勝、3日目のダイワアクト戦も2−1で接戦をモノにし、連勝。大阪桃次郎戦は1−5で落とし、今節最終戦を白星で飾ることはできなかったが、3勝2敗とまずまずの滑り出しを見せた。

 Neo長崎は3勝3敗。初日は高知パシフィックウェーブに1−4、平林金属に1−9と連敗を喫したが、2日目からは、昨年日本代表候補に入り、先月(3月)に実施された日本代表・最終選考合宿で今夏の「世界選手権代表」に「初選出」されたエース・森勇紀がチームに合流。愛媛ウエスト戦でいきなり被安打2、奪三振10の好投を見せ、2−0の完封勝利を飾ると、これでチームも目が覚めたか、続くオール福岡戦も4−2で勝利。最終日、大阪桃次郎との対戦でも4番・真風コ太の満塁アーチ、3番・平山靖のツーランホームランを含む12安打で15−10と激しい打ち合いを制し、3連勝。しかし、今節最終戦となったジェイテクト戦を、結果5−10で取りこぼす形となり、第1節は3勝3敗に終わった。

 大阪桃次郎とダイワアクトは2勝3敗。今年、西日本リーグ「3連覇」を狙う大阪桃次郎は、開幕ゲームとなった旭化成戦に、初回、2番・ドニー・ヘイルのツーランホームランで先制。同点に追いつかれた後の4回表にも1番・澤田優生のタイムリーツーベースで勝ち越しに成功し、このまま逃げ切るかと思われたが、その裏2本のホームランで試合をひっくり返され、3−6の逆転負け。この敗戦のショックが尾を引いたか、続く高知パシフィックウェーブ戦でも中島幸紀、クリス・ケイフルの投手陣が打ち込まれ、0−8とまさかの完敗。初日に痛い連敗を喫してしまった。2日目、ダイワアクトとの一戦では、初回に再び2番・ドニー・ヘイルがセンターへ特大のソロホームランを叩き込み、先制。この一発が沈んでいたチームの雰囲気を一変させ、1−1の同点で迎えた5回表には1番・筒井拓友、3番・澤田優生のタイムリーなどで一挙4点を奪い、5−3で勝利。この勢いで連勝といきたいところだったが、最終日はNeo長崎に10−15、愛媛ウエストに5−1と1勝1敗に終わり、第1節終了時点では負けが一つ先行する形となった。

 昨年まさかの7位に低迷し、8年続いていた決勝トーナメント出場を逃したダイワアクトは、初日、旭化成との一戦に5番・ニコラス・ノートン、1番・福井庸祐、4番・白水啓太の3本のソロホームランなど11安打を浴びせて6−2と快勝。開幕白星スタートを飾り、今後へ期待が持てる滑り出しを見せたかと思われたが、2日目、平林金属戦では先発・古川恵士が立ち上がりに3本のホームランを浴びるなど打ち込まれ、5−13の完敗。続く大阪桃次郎戦も3−5で落とすと、最終日、愛媛ウエストとの対戦でも「世界一の左腕」アンドリュー・カークパトリックを先発させながら、1−2で競り負け、痛い3連敗。今節最終戦となったオール福岡戦は5−1と勝利し、意地を見せたが、昨年から目立つ「勝負弱さ」が今年もどこか気になってならない。

 ジェイテクトとオール福岡は2勝4敗。エース・北添政樹が抜けた(東日本リーグ:大阪グローバルに移籍)ジェイテクトは、初日、まず愛媛ウエストと対戦し、3−5と2点リードされて迎えた7回表、その北添政樹の穴を埋める8番・秋山太一がライトへソロホームランを放ち、1点差に詰め寄る粘りを見せたが、あと一歩及ばず4−5で惜敗。続くオール福岡戦ではその悔しさを晴らすかのように、3番・坂東伸昭のソロ、8番・秋山太一のスリーランなどで得点を重ね、5−0と快勝したが、2日目の旭化成戦に10−18、平林金属戦に4−6、3日目の高知パシフィックウェーブ戦に4−14と大敗し、3連敗。Neo長崎との対戦では、2本のホームランを含む17安打を放つなど打線の奮起で10−5と打ち勝っては見せたものの、今節6試合を秋山太一がすべて完投しなければならなかったという現状を見ると、やはり今後の戦いに不安が残ると言わざるを得ない。

 昨年最後まで「1勝」が遠かったオール福岡は、今年5名(その内2名が投手)の新戦力を補強。何よりこれまで長く課題に挙げられてきた「投手力の底上げ」という部分に、徐々に光が見えはじめた。その結果、今節では開幕戦でいきなり平林金属を9−4で破り、2日目の高知パシフィックウェーブ戦では、新加入した先発・貞方直泰が5安打されながらも最後まで粘り強く投げ抜き、3−0の完封勝利。次節以降へ「弾み」となる「大きな2勝」を挙げた。また、その他の試合でも敗れはしたものの、昨年までのような大味な試合展開はなく、上位常連のチームを相手にしても、接戦あるいは互角の戦いを演じるようになってきている。今節ある程度の結果を残した投手陣の安定感が増し、川原光、佐伯忠昭、浦野将喜らもともと力のある打者を揃える打線が第2節でも得点を量産すれば、一気に上位を脅かす存在にもなり得るだろう。次節以降の戦いぶりが注目されるところだ。

 第44回日本男子ソフトボール西日本リーグ第1節終了時点、全チームの成績は下記の通りで、東日本リーグとの合同開催となる第2節は6月6日(土)・7日(日)の両日、高知県高知市・春野総合運動公園において開催される。

第44回 日本男子ソフトボール西日本リーグ 第1節終了時点 全チーム成績
チーム名
高知パシフィックウェーブ 4 1
平林金属 3 2
旭化成 3 2
愛媛ウエスト 3 2
Neo長崎 3 3
大阪桃次郎 2 3
ダイワアクト 2 3
ジェイテクト 2 4
オール福岡 2 4

※同率の場合には、前年の順位が上のチームから順に表記しています