2015.11.18
 

 

第44回日本男子ソフトボールリーグ決勝トーナメント

秋の古都・京都で最終決戦!
平林金属が3年ぶり3度目の「頂点」に立つ



平林金属が激戦を勝ち抜き、3年ぶりの王座奪還!

  今回は、秋の古都・京都で初の開催!
15日の試合前には、京都・大阪・滋賀の
小・中学生が始球式を行い、会場を盛り上げてくれた

  【準決勝】ホンダエンジニアリング vs ダイワアクト
ホンダエンジニアリングが「世界bPサウスポー」を攻略
5−0で快勝し、連覇へ王手

  ダイワアクトは、4度目の王座奪取ならず……

  【準決勝】愛媛ウエスト vs 平林金属
平林金属が鮮やかな一発攻勢で、逆転勝利!



昨年のリベンジを誓い、果敢に戦った愛媛ウエスト
初回に2点を先制したが……無念の準決勝敗退



【決勝】平林金属 vs ホンダエンジニアリング
初回に1点を先制された直後、平林金属がすぐさま逆転
その後勢いに乗り、試合の主導権を握る!



ホンダエンジニアリングは浜口辰也監督が自ら先発登板
連覇達成へ、「総力戦」で挑んだが……



3連投のエース・松田光が渾身のピッチングを展開
3年ぶりの王座へ!平林金属、歓喜の瞬間!!



「俺が変える!」をスローガンに、頂点へと登り詰めた平林金属
選手・スタッフ・応援団が一丸となり、優勝をつかみ取った


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 今シーズンの日本男子ソフトボールリーグの王者を決める「第44回日本男子ソフトボールリーグ決勝トーナメント」が、去る11月15日(日)・16日(月)の両日(※当初は14日・15日の開催予定であったが、14日が雨天のため中止・順延。予備日(16日)を使用する日程に変更された)、京都府京都市・わかさスタジアム京都において開催された。

 京都府京都市・わかさスタジアム京都での、男子リーグ決勝トーナメント開催ははじめてのこと。「西京極」「わかさスタジアム京都」といえば、これまで「女子1部リーグ最終決戦の舞台」として数々の名勝負が繰り広げられてきたが、その伝統ある聖地に、今回「男子ソフトボールリーグ」の歴史が新たに刻まれることとなった。

 この決勝トーナメントには、今シーズンの東西両リーグ上位4チーム(計8チーム)が進出。「真の日本リーグチャンピオン」の座をかけて「最後の決戦」が繰り広げられ、東日本リーグからは、リーグ戦を11勝3敗で駆け抜け、2年ぶりの王座奪還を果たしたホンダエンジニアリングをはじめ、2位・デンソー、3位・岐阜エコデンSC、4位・トヨタ自動車の4チームが出場。西日本リーグからは、リーグ戦を12勝4敗で制し、3年ぶりの王座に返り咲いた平林金属をはじめ、2位・ダイワアクト、3位・愛媛ウエスト、4位・旭化成の4チームが出場し、覇が競われた。

 初日は1回戦4試合が行われ、まず第1試合で岐阜エコデンSC(東3位)とダイワアクト(西2位)が対戦(USTREAM中継映像はこちら)。後攻のダイワアクトは初回、1番・福井庸祐がしっかりとボールを見極め、四球で出塁すると、ワイルドピッチの間に二塁へ進塁。2番・古川恵士が空振り三振に倒れ、一死となった後、3番・アンドリュー・カークパトリックの二遊間を破るヒットで果敢に本塁を狙ったが、センター(岐阜エコデンSC・横山拓)からの好返球により、惜しくもタッチアウト。先制のチャンスを逃したかと思われた。しかし、この後二死二塁と続いたチャンスで、4番・白水啓太がライト前にしぶとく運ぶタイムリー。「キャプテンの一打」で二塁走者・アンドリュー・カークパトリックを迎え入れ、早々と1点を先制した。
 守っては、「絶対的エース」アンドリュー・カークパトリックが立ち上がりからエンジン全開。120km/h半ばのライズ・ドロップを主体に力で押しながらも、その中にブレーキの効いたチェンジアップを絶妙に織り交ぜ、相手打者を翻弄。元日本代表を揃える岐阜エコデンSCの強力打線に対し、被安打3・奪三振12の力投で完封勝利を飾り、まずは準決勝進出を決めた。

 第2試合では、ホンダエンジニアリング(東1位)と旭化成(西4位)が対戦(USTREAM中継映像はこちら)。東日本リーグ王者・ホンダエンジニアリングに対し、西日本リーグ4位の旭化成が初回に2番・松岡真央のライトへのソロホームランで先手を奪うと、同点に追いつかれた後の3回裏にも、4番・川田直諒、6番・園田努のタイムリーで一挙3点を奪い、勝ち越しに成功。このまま有利に試合を進めるかに見えた。しかし、東日本リーグ王者の「意地」を見せたいホンダエンジニアリングは、その直後の4回表、5番・佐藤輝がレフト前タイムリーを放ち、2点目。2点差のまま迎えた6回表には、4番・浦本大嗣の右中間を破るタイムリーツーベース、6番・大石司のセンターへの「起死回生」のスリーランホームランで一挙4点を挙げ、ついに試合をひっくり返した。息を吹き返したホンダエンジニアリングは、その裏、1点差に詰め寄られたものの、7回表に4本の長短打を集中して再び4点を追加。7回裏、「驚異的な粘り」を見せる旭化成に4点を奪い返されはしたものの、3回途中から登板した2番手・吉田大裕が、最後は旭化成の2番・松岡真央を空振り三振に斬って取り、ゲームセット。10−9で熱戦をモノにした。

 第3試合、トヨタ自動車(東4位)と平林金属(西1位)の対戦(USTREAM中継映像はこちら)は、後攻の平林金属が初回、一死三塁から3番・松田光のレフトへの犠牲フライで早々と1点を先制。先手を奪った平林金属は、終盤5回裏にも二死一・三塁から4番・平本拓朗がセンターへ完璧な当たりのスリーランホームランを叩き込み、大きな3点を追加。続く6回裏にも、この回先頭の6番・松本剛知のライトへの当たりがランニングホームランとなり、ダメ押しの5点目を加え、試合を決定づけた。
 投げては、この試合「エース」松田光が絶好調。大学時代(京都産業大学出身)に慣れ親しんだ京都の地で、その実力をいかんなく発揮し、初回からいきなり128km/h(この日最速)を計測。その後も120km/h半ばの速球、切れ味鋭いライズ・ドロップで押しまくり、トヨタ自動車打線を翻弄。まさに「圧巻」の投球内容でノーヒット・ノーランを達成(投球数88、奪三振13、内野ゴロ4、内飛2、外飛2、四球1)し、5−0の快勝で準決勝へ駒を進めた。

 第4試合では、愛媛ウエスト(西3位)とデンソー(東2位)が対戦(USTREAM中継映像はこちら)。昨年の1回戦の再現となったこのカードは、先攻の愛媛ウエストが初回、デンソー・山脇佑也の制球の乱れにつけ込み、2つの四球とヒット等で一死満塁のチャンスを作ると、ここで5番・増田敦吏が大きなセンターフライ。センター(デンソー・清水洸佑)が懸命にフェンス際まで追いかけ、捕球できると思われたが……ナイター照明が目に入ったのか、これをまさかの落球。この間に二者が還り、幸運な先取点を挙げた。愛媛ウエストは、なおもこの後、一死二・三塁と続いたチャンスで6番・前田征那がレフトファウルゾーンに犠牲フライを打ち上げ、この回3点目を追加。試合の主導権を握った。
 守っては、「エース」客野卓也が持ち味の「切れ味鋭いドロップ」と「コーナーを突く丁寧なピッチング」でデンソー打線を抑え込み、完封勝利。被安打1・奪三振9の好投で初回のリードを守り抜き、昨年に続いてデンソーを撃破した。

 2日目は準決勝・決勝の3試合が行われ、まず準決勝第1試合でホンダエンジニアリング(東1位)とダイワアクト(西2位)、準決勝第2試合で愛媛ウエスト(西3位)と平林金属(西1位)が、それぞれ決勝進出をかけて激突した。

 準決勝第1試合、ホンダエンジニアリング(東1位)対ダイワアクト(西2位)の対戦(USTREAM中継映像はこちら)は、ダイワアクト・アンドリュー・カークパトリック、ホンダエンジニアリング・浅野公太の「両エース」が、4回まで一歩も譲らぬ投げ合いを展開。試合は0−0のまま、終盤に入った。迎えた5回表、ホンダエンジニアリングはこの回先頭の6番・大石司がツーボールの後の3球目をとらえ、レフトオーバーのスリーベース。無死三塁のチャンスを作ると、続く7番・大類恭平がセンターへキッチリと犠牲フライを打ち上げ、待望の1点を先制。「難攻不落の左腕」から先取点を奪い、流れをつかんだホンダエンジニアリングは、6回表にも「気落ち」し、「集中の切れた」アンドリュー・カークパトリックを攻め、3番・床井優介のタイムリー、4番・浦本大嗣のツーランホームラン、6番・大石司のソロホームランで一挙4点を追加。序盤の沈黙を吹き飛ばす「怒涛の一発攻勢」でアッという間にリードを5点に広げ、試合を決めた。
 投げては、先発・浅野公太が持ち味の「速球」をテンポ良く投げ込み、被安打3の好投。ダイワアクト打線に最後まで得点を許さず、完封勝利を飾り、「連覇」に王手をかけた。

 準決勝第2試合では、愛媛ウエスト(西3位)と平林金属(西1位)が対戦(USTREAM中継映像はこちら)。試合は初回から互いに点を取り合い、2−1と愛媛ウエストが1点をリードしたまま中盤に突入。このまま有利に試合を進めるかと思われた。しかし、迎えた4回裏、平林金属は一死から3番・松田光がセカンドへの内野安打で出塁すると、二死後、5番・小見山敦吏が初球を豪快に振り抜き、ライトへ特大のツーランホームラン。「頼れるキャプテン」の目の覚める一撃で、一気に試合をひっくり返した。これで勢いづいた平林金属は、続く5回裏にも二死三塁から1番・祝弘樹のタイムリーで貴重な1点を追加。6回裏には二死一塁から6番・松本剛知がセンターへツーランホームランを叩き込み、ダメ押しの2点を加え、終わってみれば6−2で快勝。3年ぶりの決勝進出を決めた。

 東西の1位対決(2004年に決勝トーナメント制が導入されて以来初)、3年ぶりの顔合わせとなったホンダエンジニアリング対平林金属の決勝(USTREAM中継映像はこちら)は、平林金属・松田光、ホンダエンジニアリング・浜口辰也両投手の先発でスタート。先攻のホンダエンジニアリングが初回に早々と1点を先制すれば、その裏、平林金属もすぐさま2点を奪い返し、逆転。予想された投手戦とは逆に、試合は「打撃戦」の様相を呈した。1点をリードした平林金属は迎えた3回裏、この回先頭の1番・祝弘樹がレフト前ヒットで出塁。2番・西山幸助も四球で歩き、一・二塁のチャンスを作ると、二死後、5番・小見山敦吏の右中間へのタイムリーで3点目を追加。「主砲」の一打で再び勢いづいた平林金属は、5回裏にもホンダエンジニアリングの2番手・浅野公太を攻め、3番・松田光のスリーランホームラン、7番・木谷謙吾のタイムリーなど5本の長短打を集中し、一挙5得点。この試合、ここまで登板のなかった浜口辰也監督が自ら先発投手を務めるなど、「総力戦」で勝負に出たホンダエンジニアリングに対し、計8点を奪う猛攻で試合の大勢を決めた。
 守っては、「3連投」となった「エース」松田光が最後の力を振り絞り、「渾身のピッチング」を展開。7点をリードして迎えた7回表に3安打を浴び、4失点を喫しはしたものの、最後の打者をショートフライに打ち取り、ゲームセット。8−4でホンダエンジニアリングを破り、3年ぶり3度目の日本リーグチャンピオンに輝いた。

 平林金属は、西日本リーグ優勝に続き、今シーズン「二冠」を達成。全日本総合選手権では準決勝敗退、国体では初戦敗退となかなか結果を残せずにいたが、この日本リーグではチーム一丸、本来の実力を余すことなく出し切り、見事「頂点」へと登り詰めた。
 平林金属の「強さの源」は、やはりチームの「熱」。松田光、平本拓朗、木谷謙吾、西山幸助ら4人の現役日本代表を擁する個性溢れるタレント軍団を、「情熱溢れる指揮官」吉村啓監督がしっかりと束ね、牽引。選手一人ひとりが目の前の勝利にこだわるだけでなく、その胸の内に「男子ソフトボールをもっとメジャースポーツにし、盛り上げたい!」と熱い思いをたぎらせ、日々ソフトボールに情熱を燃やしている。今回の決勝トーナメントでも、地元・岡山から大勢の応援団が駆けつけ、選手を後押し。選手・スタッフ・応援団が一丸となって、一投・一打に感情を爆発させる姿は、まさに平林金属の「熱」を象徴する光景であった。
 決勝トーナメント最高殊勲選手賞に選ばれたのは、1回戦のトヨタ自動車戦でノーヒット・ノーランを達成するなど、「千両役者」とばかりに投打で活躍を見せた松田光。もちろん、今大会における松田光のプレーは文句のつけようがないのだが、閉会式では、その松田光の受賞に対して「あれ?俺じゃないの!?」と真剣に悔しがって見せるキャプテン・小見山敦吏の姿があった。また、今年、東日本リーグ・埼玉県庁クラブから移籍してきた祝弘樹は、決勝戦の終了直後、人目もはばからず号泣。「平林金属に来て本当に良かった……」と心の底から感情を表現した。今シーズン、チームが掲げたスローガンの中には「俺が変える!」というフレーズがある。その合言葉のもと、こういった場面からも各選手の強い思いが自然と伝わってくるのである。

 今後の男子ソフトボールを盛り上げていくためには、やはり「熱」が必要だ。今置かれている環境を整備し、新たな構想を打ち立てていくことも当然必要だが、その根本に「熱」がなければ、何も意味がないだろう。男たちの「挑戦」は決して終わることはない。「打倒!平林金属!!」来シーズンも、全17チームが繰り広げる日本男子ソフトボールリーグの戦いに、ぜひ注目してもらいたい。

決勝トーナメント・結果