2015.6.8
 

 

第44回日本男子ソフトボールリーグ第2節

東日本リーグ
ホンダエンジニアリング、トヨタ自動車が7勝3敗で同率首位!

西日本リーグ
平林金属、愛媛ウエスト、ダイワアクトの3チームが
6勝3敗で並び、首位争いを展開




「ソフトボールどころ・高知」の春野総合運動公園において
日本男子リーグ初の試みとなる「東西両リーグ合同開催」!



【東日本リーグ】
ホンダエンジニアリングが7勝3敗と
好調を維持し、同率首位をキープ!



前節を3勝3敗で終えたトヨタ自動車
今節「無傷の4連勝」を飾り、同率首位に浮上


この2チームを岐阜エコデンSCが6勝4敗で追いかける


今節3勝1敗と勝ち越し、同率4位へ順位を上げたデンソー
「王者の意地」にかけ、最終節の戦いにすべてをかける!




【西日本リーグ】
平林金属が通算成績を6勝3敗に伸ばし、同率首位に浮上


愛媛ウエストも6勝3敗で並び、好調を維持
「初優勝」に向けて期待が高まる!


今節「無傷の4連勝」で同率首位へと駆け上がったダイワアクト
アンドリュー・カークパトリックが投打に本領発揮!


地元開催で1勝3敗と負け越した高知パシフィックウェーブ
4年ぶりの決勝トーナメント進出へ、次節が「正念場」だ



第44回日本男子東日本・西日本リーグ第2節/高知県高知市

 第44回日本男子ソフトボールリーグ第2節(東西両リーグ合同開催)が、去る6月6日(土)・7日(日)の両日、高知県高知市・春野総合運動公園において開催された。

 今節は、日本男子ソフトボールリーグが東西両リーグ制になって以来「初の試み」となる東日本リーグ・西日本リーグ「合同開催」。会場となった春野総合運動公園には、東西両リーグに所属する全17チームが集結し、訪れたたくさんの観客の声援のもと「熱戦」を繰り広げた。


【東日本リーグ】

 東日本リーグでは、第1節でホンダエンジニアリング、豊田自動織機、岐阜エコデンSC、大阪グローバルの4チームが4勝2敗で並ぶ「大混戦の様相」の中、ホンダエンジニアリングが今節3勝1敗、前節3勝3敗のトヨタ自動車が今節無傷の4連勝を飾り、通算成績7勝3敗で同率首位に並ぶ展開となった。

 ホンダエンジニアリングは、初日、まず岐阜エコデンSCと対戦。初回に浦本大嗣のタイムリーで早々と1点を先制し、このまま勢いに乗るかと思われたが、4回表に連打と守備の乱れなどで2点を失い、岐阜エコデンSCが逆転。その裏すぐに1点を返し、同点に追いついたが、先発・浅野公太が6回表にツーランホームランを浴びて再び2失点。その後追い上げおよばず、3−4で惜敗し、今節は黒星スタートとなったが、続く埼玉県庁クラブ戦ではしっかりと気持ちを切り替え、大類恭平、林田太地、大石司の3本のホームランを含む14安打の猛攻で11−1の圧勝。2日目も、YKK戦に床井優介、浜口辰也、佐藤輝のホームランなどで得点を重ね、12−0の5回コールド勝ち。大阪グローバル戦にも序盤2回までに4点を奪うなど、打線の力で7−0と完勝し、今節3勝1敗。通算成績を7勝3敗に伸ばした。

 トヨタ自動車は、初日、まず埼玉県庁クラブと対戦し、2−2の同点で迎えた3回裏、江口真史の「2打席連続」となるツーランホームランで勝ち越しに成功。1点を返され、迎えた6回裏にも、興津俊之、西森雄の2本のホームランでリードを広げ、7−3と打ち勝つと、続く岐阜エコデンSC戦も初回にルーキー・黒岩誠亥の満塁ホームランで一挙4点、2回表にも西森雄のタイムリーで1点を追加する鮮やかな「先制攻撃」を仕掛け、5−3で勝利。2日目もその勢いは衰えることなく、デンソー戦に江口真史の「今節3本目」となるソロホームラン、守ってはエース・木原道哲の被安打2の好投で1−0の完封勝利。豊田自動織機戦にも先手を奪われながら、「粘り強さ」で延長タイブレーカーへと持ち込み、4−4の同点で迎えた9回表、一気に4安打を集中して3点を勝ち越し、7−4で熱戦に勝利。チーム一丸となった「気迫溢れる戦い」で今節無傷の4連勝を飾り、ホンダエンジニアリングと並んで通算成績7勝3敗の同率首位に浮上した。

 これを追いかけるのは、岐阜エコデンSC。初日のホンダエンジニアリング戦では鈴木周平の決勝ツーランホームランで4−3と競り勝ち、上位争いのライバルから貴重な勝ち星を挙げたが、2試合目以降波に乗れず、トヨタ自動車に3−5、大阪グローバルに7−5、豊田自動織機には2−8と一進一退の戦いで今節2勝2敗。通算成績6勝4敗の単独3位と上位にはつけているものの、首位争いから一歩後退する形となった。

 同率4位となったのは、デンソー、豊田自動織機、大阪グローバルの3チーム。第1節で2勝4敗と出遅れた王者・デンソーは、今節「二枚看板」の一人、山脇佑也が全4試合を完投。初日、まず豊田自動織機戦で被安打1・奪三振11と圧巻の投球内容を見せ、3−0の完封勝利を収めると、続くYKK戦も8−5と打ち勝ち、連勝。2日目、トヨタ自動車との対戦では0−1の完封負けを喫したが、今節最終戦となった埼玉県庁クラブ戦を3−0の完封勝利で締め、3勝1敗と勝ち越し。通算成績を5勝5敗まで回復させてきた。

 第1節でホンダエンジニアリング、岐阜エコデンSCと同率首位に並んだ豊田自動織機、大阪グローバルは、ともに今節1勝3敗と負け越し。豊田自動織機は、初日のデンソー戦に0−3、大阪グローバル戦に1−2、2日目のトヨタ自動車戦に4−7で敗れ、痛い3連敗。今節最終戦となった岐阜エコデンSC戦は林伸一のスリーランホームランなど14安打を浴びせ、8−2で快勝し、4連敗という最悪の事態は免れたが、通算成績5勝5敗でチーム状態は「下降気味」といったところ。

 今シーズン、東日本リーグの「台風の目になるか!?」と注目される大阪グローバルは、初日、初戦となったYKK戦を2−3で落とし、黒星スタート。続く豊田自動織機戦は山下貴史のソロホームラン、大道祐蔵のタイムリーで2−1と競り勝ったものの、2日目の岐阜エコデンSC戦に5−7、ホンダエンジニアリング戦に0−7で敗れ、連敗。今節は第1節の勢いを持続させることができず、デンソー、豊田自動織機と並ぶ同率4位に順位を落とすことになった。

 7位は埼玉県庁クラブ。今節は初日のトヨタ自動車戦に3−7、ホンダエンジニアリング戦に1−11、2日目のYKK戦に4−5、デンソー戦に0−3で敗れるなど「元気なく」4連敗。第1節でデンソー、豊田自動織機を破る戦いぶりを見せ、今後に期待が持てる……と思われていたが、その期待もむなしく、あっという間に下位へと転落してしまった。

 開幕6連敗と苦しんでいたYKKは、今節2勝2敗。長い連敗のトンネルからようやく抜け出した。初日の大阪グローバル戦では、3回裏、石倉敬浩のタイムリーで先手を奪うと、その後も山岸克彦のソロホームランなどで有利に試合を進め、3−2と接戦に勝利。2日目の埼玉県庁クラブ戦にも5−4で競り勝ち、「2勝」を挙げたが、デンソー戦に5−8、ホンダエンジニアリング戦には0−12の5回コールド負けを喫するなど、上位チームとの対戦ではまだまだ苦しい試合展開。最終節となる次節(第3節)も、貪欲に勝利をめざし続けてほしいところだ。


【西日本リーグ】

 西日本リーグでは、第1節で4勝1敗の好スタートを切っていた地元・高知パシフィックウェーブが、今節1勝3敗と負け越し、通算成績5勝4敗で首位争いから一歩後退。代わって今節を3勝1敗と勝ち越した平林金属、愛媛ウエスト、今節無傷の4連勝を飾ったダイワアクトの3チームが通算成績6勝3敗で並び、首位争いを繰り広げる展開となった。

 平林金属は、初日、まず大阪桃次郎戦で激しい打撃戦を繰り広げ、5−8と3点リードされて迎えた7回表、松田光のソロ、谷口淳のスリーランホームランで一挙4点を奪い、9−8の劇的な逆転勝ち。続く旭化成戦にも松本剛知のツーランホームラン、小見山敦吏のタイムリーなどで得点を重ね、6−1と快勝すると、2日目、愛媛ウエストとの対戦でも小見山敦吏、平本拓朗、宮宅健次のホームランなど打線の活躍で8−1の圧勝。ダイワアクト戦は0−2の完封負けを喫する形となったが、今節3勝1敗で通算成績を6勝3敗まで伸ばし、愛媛ウエストと並ぶ同率首位へと浮上した。

 愛媛ウエストは、初日、まず高知パシフィックウェーブを相手に14安打を浴びせる猛攻。コーチ兼任で若い選手からも「信頼の厚い」ベテラン・石村寛が、初回に「日本リーグ通算200本安打」達成となる一打を放ち、チームを勢いづけると、その後、前田直哉、伊藤将旗、増田敦吏、遠藤大輔の4本のホームランなど容赦のない攻撃で15−3の圧勝。続くオール福岡戦も遠藤大輔の2試合連続となるソロホームランなどで得点を重ね、10−0の6回コールド勝ち。2日目、平林金属戦は投手陣がつかまり、1−8で敗れはしたが、大阪桃次郎との対戦ではしっかりと気持ちを切り替え、前田直哉のタイムリー、石村寛のスリーランホームランなどで4−2と鮮やかな逆転勝ち。平林金属と同じく今節を3勝1敗と勝ち越し、通算成績6勝3敗で同率首位に並んだ。

 第1節で2勝3敗と負け越し、出遅れていたダイワアクトは、今節「世界一の左腕」アンドリュー・カークパトリックを全試合に先発起用するなど「フル回転」させ、無傷の4連勝。初日、まずジェイテクト戦に白水啓太、吉田和史、アンドリュー・カークパトリック、福井庸祐の4本のホームランを含む12安打を浴びせ、11−1で圧勝すると、続くNeo長崎との対戦でも、0−0のまま延長タイブレーカーへと入り、迎えた8回表、福井庸祐のタイムリーツーベース、さらにアンドリュー・カークパトリック、ニコラス・ノートン、古川恵士、田中亮多の4本のホームランなど7本の長短打で、一挙7点を奪い、終わってみれば7−1の大差で勝利。2日目も「投打の柱」アンドリュー・カークパトリックが、投げては完投、打っては2本のホームランを叩き込む(※アンドリュー・カークパトリックは今節4本塁打を放つ大活躍)など「世界トップレベルの実力」を見せつけ、平林金属に2−0、高知パシフィックウェーブには3−1で勝利し、今節4戦全勝。通算成績6勝3敗まで一気に勝ち星を伸ばし、同率首位へと駆け上がった。

 これに続くのは、高知パシフィックウェーブとNeo長崎。第1節を4勝1敗と勝ち越し、好スタートを切った高知パシフィックウェーブは、地元・高知の大声援を背に今節の戦いに臨んだが、無念の1勝3敗に終わり、通算成績5勝4敗。初日、初戦となった愛媛ウエスト戦に3−15で大敗したことが流れを悪くしたか、続く旭化成戦にも終始先手を奪われる試合展開で4−6と敗戦。2日目も、ダイワアクトとの対戦に1−3で敗れ、「痛い3連敗」を喫してしまった。今節最終戦となったジェイテクト戦では何とか意地を見せ、片岡大洋(2本)、高島大揮、西森圭祐、古敷谷亮の5本のホームランなど10安打を浴びせ、7−1と圧勝したものの、第1節で蓄えた貯金はほぼなくなり、次節に向けてもう一度「チームの立て直し」を図らなければならない状況となった。

 Neo長崎は、初日、ダイワアクトとの一戦で0−0のまま延長タイブレーカーにもつれ込む投手戦を繰り広げたが、エース・森勇紀が8回表に一挙7点を失うなど力尽き、1−7で敗戦。しかし、2日目はうまくチームを立て直し、まず旭化成との乱打戦に19−6で勝利すると、続くオール福岡戦にも6回まで0−0という重苦しい雰囲気になりながら、7回裏、田慎吾のタイムリーツーベースで1−0のサヨナラ勝ちを収め、連勝。今節2勝1敗と勝ち越し、通算成績5勝4敗で高知パシフィックウェーブと同じ4位グループにつける展開となった。

 前節3勝2敗で2位グループにつけていた旭化成は、今節1勝2敗と負け越し、通算成績4勝4敗。初日の高知パシフィックウェーブ戦では、1−1の同点で迎えた6回表、園田努の決勝点となる満塁ホームランで6−4と勝利を収めたが、その他の平林金属戦、Neo長崎戦では先発投手に抜擢されたルーキー・寺原瑞希がいずれも打ち込まれるなど1−6、6−19で敗れ、上位争いから後退。

 第1節で2勝3敗と出遅れていた王者・大阪桃次郎は、今節2勝2敗で通算成績4勝5敗。初日、初戦となった平林金属戦では6回を終了して8−5と3点をリードしながら、7回表、リリーフで登板した中村健二が2本のホームランを浴びるなどまさかの4失点を喫し、8−9の逆転負け。今節を2勝2敗で乗り切りはしたが、依然「王者らしからぬ戦い」が垣間見え、なかなかチームの調子が上がってこない状態にある。

 ジェイテクトとオール福岡は、ともに今節3連敗と元気がなく、通算成績2勝7敗。ジェイテクトは、今節も「チーム唯一の投手」である秋山太一が3試合すべてを投げ抜いたが、計28失点を喫するなど厳しい戦いが続く状況に陥り、やはり先行きが心配される。

 前節2勝をマークし、この第2節で躍進が期待されていたオール福岡も、今節は3試合中2試合が二桁失点(ともに6回コールド負け)と大敗続き。大味な試合を繰り返す以前の「悪いチーム状態」に戻ってしまった。チームの課題は、やはり「失点を減らす」ということ。日本リーグの舞台で勝利を重ねるためにチームとして何をすべきか、一歩一歩着実にステップアップしてもらいたいものである。

 第44回日本男子ソフトボールリーグ第2節、東西両リーグ全チームの成績は下記の通りで、東日本リーグ最終節となる第3節は10月24日(土)・25日(日)の両日、富山県富山市・富山県岩瀬スポーツ公園ソフトボール広場において開催。西日本リーグ第3節は9月5日(土)・6日(日)の両日、福岡県福岡市・福岡市雁の巣レクリエーションセンターにおいて開催される。

第44回 日本男子ソフトボール東日本リーグ 第2節終了時点 全チーム成績
順位 チーム名
1位 ホンダエンジニアリング 7 3
トヨタ自動車 7 3
3位 岐阜エコデンSC 6 4
4位 デンソー 5 5
豊田自動織機 5 5
大阪グローバル 5 5
7位 埼玉県庁クラブ 3 7
8位 YKK 2 8

第44回 日本男子ソフトボール西日本リーグ 第2節終了時点 全チーム成績
チーム名
平林金属 6 3
愛媛ウエスト 6 3
ダイワアクト 6 3
高知パシフィックウェーブ 5 4
Neo長崎 5 4
旭化成 4 4
大阪桃次郎 4 5
ジェイテクト 2 7
オール福岡 2 7

※同率の場合には、前年の順位が上のチームから順に表記しています