2015.5.12
 

 

第44回日本男子ソフトボール東日本リーグ第1節

4チームが4勝2敗で並び、大混戦の様相!?




男子東日本リーグも開幕!
地元・ホンダエンジニアリングは4勝2敗のスタート



豊田自動織機も4勝2敗
昨年の「良い雰囲気」を持続させ、優勝を狙う



同じく4勝2敗の岐阜エコデンSC
枦山竜児監督が計5本の本塁打を叩き込む大活躍!


新エース・北添政樹が躍動!
4勝2敗で同率首位に立った大阪グローバル


トヨタ自動車は3勝3敗
次節も「トヨタらしく」元気で果敢な戦いを!


埼玉県庁クラブも3勝3敗
今年は「何かをやってくれそう」な気配がある


昨年の王者・デンソーは2勝4敗とまさかの出遅れ
次節でどこまで「巻き返し」を図れるか!?


YKKは元気なく6連敗
一戦一戦を大切に、積極果敢な戦いを繰り広げてほしい



第44回日本男子東日本リーグ第1節/栃木県大田原市

 第44回日本男子ソフトボール東日本リーグ第1節が、去る5月8日(金)〜10日(日)の3日間にわたり、栃木県大田原市/大田原市美原公園野球場・第2球場、黒羽運動公園多目的広場において開催された。

 熱戦の結果、第1節ではホンダエンジニアリング、豊田自動織機、岐阜エコデンSC、大阪グローバルの4チームが4勝2敗で並び、大混戦の様相。これにトヨタ自動車、埼玉県庁クラブが3勝3敗で続き、デンソーは2勝4敗、YKKは6連敗と苦しいスタートになった。

 昨年、この東日本リーグでデンソーに王座を奪われながらも、決勝トーナメントを制し、初の「日本リーグチャンピオン」の座へと登り詰めたホンダエンジニアリングは、初日、初戦となった埼玉県庁クラブ戦に4−1で快勝。続くデンソーとの対戦は、2−2の同点のまま最終回に入る接戦となったが、7回裏、二死一・二塁のチャンスで3番・床井優介がレフト線を抜くタイムリーを放ち、劇的なサヨナラ勝ち。2日目も、まずYKK戦に7−6で競り勝ち、2試合連続のサヨナラ勝ちを収めると、大阪グローバル戦にも1番・糸瀬勇助、3番・床井優介、4番・佐藤輝、8番・石谷彰浩の4本のホームランを含む13安打を浴びせて9−0の圧勝。この勢いで3日目も連勝を飾り、一気に突っ走るかと思われた。しかし、3日目は投手陣が安定感を欠き、豊田自動織機に4−9、トヨタ自動車に4−8と打ち込まれ、連敗。地元開催で、詰めかけた大応援団の声援に最後まで応えたいところだったが、最終的には黒星2つがつく形となり、全勝発進とはいかなかった。
 今節は打線の活躍もあり、2日目まで順調に白星を重ねたが、3日目は投手陣がつかまる展開に陥り、連敗。王座奪還を果たすためには、浅野公太、永吉孝臣ら「次代を担う投手」がやはりもう一皮剥け、「成長」する必要がある。特に、エースとして活躍が期待されている浅野公太は、昨年の決勝トーナメント(決勝)で浜口辰也監督から最終回の登板を譲り受け、涙を滲ませながら力投。「日本リーグチャンピオンとなる瞬間を味わった」経験をしているだけに、今シーズンは名門・ホンダエンジニアリングの「真のエース」として、周囲から認められるような姿、結果を示してもらいたいところ。次節の戦いにも期待が高まる。

 豊田自動織機は、初日、初戦となった大阪グローバル戦に4−8で打ち負け、黒星スタート。続く岐阜エコデンSCとの対戦では逆に10−7と打ち勝ち、2日目もトヨタ自動車に3−1で勝利を収めたかと思えば、埼玉県庁クラブに延長8回タイブレーカーの末、1−2のサヨナラ負けを喫する一進一退の状況が続いたが、3日目、ホンダエンジニアリング戦で4番・城之園穣、2番・森田裕介、3番・池田謙太の3本のホームランを含む13安打を浴びせ、9−4と快勝。この勢いでYKK戦にも15−2で圧勝し、今節を4勝2敗と勝ち越した。
 大阪グローバル、埼玉県庁クラブに敗れ、2敗を喫したものの、第1節で岐阜エコデンSC、トヨタ自動車、ホンダエンジニアリングといった上位争いのライバルを次々と撃破。昨年の「良い雰囲気」をそのまま持続させている。惜しくも今夏の世界選手権代表には入れなかったが、日本代表候補に名を連ね、一回り大きく成長した深津悠平のピッチングが、今年も「チーム躍進」のカギを握っているといっていいだろう。次節以降も、優勝を争うライバルに勝ち切ることはもちろんだが、下位のチームに思わぬところで取りこぼし、リズムを崩すようなことがないよう、一戦一戦しっかりと勝ち星を積み重ねていくことが重要になってくる。

 岐阜エコデンSCも、初日のトヨタ自動車戦に12−11、豊田自動織機戦に7−10、2日目の大阪グローバル戦に4−6、YKK戦に19−2と、勝っては敗れ、敗れては勝つという不安定な戦いが続いたが、3日目は、まずデンソーを相手に、4番・鈴木周平、5番・枦山竜児の連続ホームランなどで先手を奪い、4−1で快勝。この勝利がチームの勢いを生み、今節最終戦となった埼玉県庁クラブ戦でも、初回にいきなり3点を先制するなど、終始有利な試合展開で6−2と連勝を飾り、4勝2敗。まずは白星先行の滑り出しを見せた。
 元日本代表であり、現在、選手兼任としてチームを指揮する枦山竜児監督が、昨年は自身のケガもあり、万全のコンディションではなかったが、今年はこの第1節から計5本のホームランを叩き込むなど爆発。「枦山竜児ここにあり!」といわんばかりの大活躍を見せた。またこの他、横山拓、嶋田智希、前裕也、鈴木周平らを中心とした強力打線も相変わらず健在。今節の調子をそのまま維持すれば、次節も大量得点が期待できる。あとは投手陣がこれまで課題とされてきた失点をいかに抑え、上位争いのライバルから勝ち星を挙げることができるかが大きなポイント。そろそろ「優勝争いを繰り広げる姿」を見せてもいいころだ。

 このホンダエンジニアリング、豊田自動織機、岐阜エコデンSCと4勝2敗で並び、同率首位に立ったのは、大阪グローバル。初日、まず豊田自動織機を8−4で破り、白星スタートを飾ると、続くトヨタ自動車戦は3−7の敗戦。2日目も岐阜エコデンSCに6−4、ホンダエンジニアリングに0−9と勝ち負けが並行する戦いが続いたが、3日目の埼玉県庁クラブ戦では先手を奪われながらも、4回表に6番・吉田学の右中間を破る2点タイムリーツーベースなどで逆転に成功。その後リードを広げ、5−1と快勝すると、今節最終戦となったデンソーとの対戦でも、一度試合をひっくり返されながら果敢にくらいつき、5回裏、5番・北添政樹が決勝点となる5点目を叩き出すタイムリー。昨年の王者に競り勝つ「金星」で第1節を締めくくり、次節へ大きな弾みをつけた。
 大阪グローバル「躍進の立役者」となったのは、今年西日本リーグ・ジェイテクトから移籍してきた北添政樹。ジェイテクト在籍時は投打の柱として孤軍奮闘しながら、なかなか勝ち星に恵まれずにいたが、この大阪グローバルで「心機一転」上々の滑り出し。今節挙げた4勝「すべての勝利投手となる」活躍を見せた。打線もキャプテン・萩原智樹をはじめ、「売り出し中の若手」西角和馬、ベテラン・小島郊正、山下貴史、そして北添政樹ら実力ある打者が着実に結果を残している。今シーズン、まさに「東日本リーグの台風の目」となりそうなチームである。

 この上位4チームに続くのは、ともに3勝3敗のトヨタ自動車と埼玉県庁クラブ。トヨタ自動車は、初戦で岐阜エコデンSCとノーガードの打ち合いを繰り広げ、11−12で惜敗。その後なかなか波に乗れず、2日目終了時点で1勝3敗と負け越していたが、3日目、まずYKK戦に18安打の猛攻を仕掛け、10−0の5回コールド勝ち。この大勝で勢いを作ると、今節最終戦となったホンダエンジニアリングとの対戦でも、初回に3点を先制されながら、2番・西森雄、4番・山本淳、7番・田中慎太郎ら「チームの顔」となる主力選手の活躍で8−4の逆転勝利。昨年の決勝トーナメント(準決勝)で15安打・15失点と記録的な大敗を喫した難敵にしっかりと「リベンジ」を果たした。

 埼玉県庁クラブは、初日は1勝1敗、3日目は連敗に終わりながら、2日目のデンソー戦、また豊田自動織機戦で連勝。デンソー戦では、4番・斉藤恒寿のソロホームランを含む12安打で7−5と打撃戦を制すと、続く豊田自動織機戦も、1−1のまま延長タイブレーカーにもつれ込む接戦の末、2番・引間健太の右中間へのタイムリーで2−1のサヨナラ勝ち。今節勝ち越しこそならなかったが、次節以降、何か「番狂わせ」を起こしてくれそうな「期待感のある戦い」を見せた。

 昨年の王者・デンソーは、今節2勝4敗と負け越し、まさかの出遅れ。初戦のYKK戦に6−3で勝利し、白星スタートは飾ったものの、続くホンダエンジニアリングとの対戦で2−3のサヨナラ負け。2日目、トヨタ自動車戦に11−1の6回コールド勝ちを飾った以外は、すべて相手に先手を奪われる「王者らしからぬ試合展開」に終始し、連覇どころか決勝トーナメント進出すら危うい状況に追い込まれた。
 日本代表として今夏の世界選手権でも活躍が期待されている岡阜囀l。また、安定感のある山脇佑也の「二枚看板」を軸に、打線も昨年東日本リーグMVPを獲得したベテラン・川田寛明をはじめ、槙田直也、長岡孝、松井徹也、川崎智秋とタレントは揃っているのだが、今年は昨年までの正捕手・稲木香介が抜けた影響により、どこか守備のリズムが失われ、それが悪循環を生み、最終的に失点を重ねてしまう場面が目立つ。「新たな女房役」として期待される森光公平が、次節以降「二枚看板」の持ち味をいかに引き出し、リードしていくかが重要なカギとなりそうだ。「王者の意地」にかけ、チームの立て直しを図るとともに、今後の「巻き返し」を期待したい。

 YKKは、今節元気なく6連敗。U19日本代表として昨年の世界ジュニア選手権に出場した「期待のルーキー」岩松右近を、初戦のデンソー戦から先発起用したが、そう簡単に結果はともなわず、3−6の黒星スタート。2日目、ホンダエンジニアリングとの対戦では終盤6回まで6−6のシーソーゲームを繰り広げたものの、結局は6−7のサヨナラ負けに終わり、金星ならず。その他の試合はすべて二桁失点を喫する「厳しい戦い」が続き、この第1節では1勝も挙げることができなかった。

 第44回日本男子ソフトボール東日本リーグ第1節終了時点、全チームの成績は下記の通りで、西日本リーグとの合同開催となる第2節は6月6日(土)・7日(日)の両日、高知県高知市・春野総合運動公園において開催される。

第44回 日本男子ソフトボール東日本リーグ 第1節終了時点 全チーム成績
順位 チーム名
1位 ホンダエンジニアリング 4 2
豊田自動織機 4 2
岐阜エコデンSC 4 2
大阪グローバル 4 2
5位 トヨタ自動車 3 3
埼玉県庁クラブ 3 3
7位 デンソー 2 4
8位 YKK 0 6

※同率の場合には、前年の順位が上のチームから順に表記しています。