2014.6.2
 

 

第43回 日本男子ソフトボール西日本リーグ第2節

大阪桃次郎、平林金属が8勝1敗で同率首位!



王者・大阪桃次郎が好調をキープ
地元開催で無傷の3連勝を飾った!

  平林金属も今節無傷の4連勝
大阪桃次郎と通算8勝1敗で並び、同率首位に立つ

  この2チームを追いかけるのは通算6勝3敗の旭化成
投手陣が粘り強いピッチングを続け、打線もしっかりと援護している

  今節も1勝2敗となかなか波に乗れないダイワアクト
今年はどこか「アンドリュー頼み……」という印象が否めない

  Neo長崎は今節1勝3敗と負け越し
決勝トーナメント進出へ、次節は正念場!



ダイワアクト、Neo長崎と通算4勝5敗で並ぶ愛媛ウエスト
「勝負強さ!」をみにつけ、上位を撃破したいところ



まだ本来の姿とは言えない高知パシフィックウェーブ
もう一度「原点」に戻り、ひたむきに戦いたい!



ジェイテクトは今節1勝3敗と負け越し、上位争いから後退
次節以降も何とか「粘り強さ」を見せてほしい



オール福岡は開幕8連敗
いつまでもこの状況でいいのか……!?
「福岡」を代表するチームとして、その名に恥じぬ戦いを!!


第43回日本男子西日本リーグ 第2節 大阪府泉南市


 第43回日本男子ソフトボール西日本リーグ第2節が、去る5月31日(土)・6月1日(日)の両日、大阪府泉南市/サザンスタジアム、なみはやグラウンドにおいて開催された。

 今節は、第1節で好スタートを切っていた大阪桃次郎と平林金属が快調に白星を積み重ね、通算成績を8勝1敗まで伸ばし、同率首位を並走。この両チームが依然好調を維持し、他のチームを早くも引き離しにかかる展開となった。

 第1節を5勝1敗と勝ち越し、快調な滑り出しを見せた王者・大阪桃次郎は、初日、まず高知パシフィックウェーブと対戦。初回にワイルドピッチで早々と先制点を挙げ、「先手」を取ると、2回以降も攻撃の手を緩めず、クリス・ケイフル、筒井拓友、植田貴也、中村健二ら4本のホームランを浴びせる「一発攻勢」で7−1の快勝。続くNeo長崎戦でも、初回に先制を許しながら、すぐさま同点に追いつき、3回裏、二死二塁からドニー・ヘイルのタイムリーで勝ち越しに成功すると、終盤の5回裏にも、再びドニー・ヘイルのタイムリーで貴重な1点を追加。6回裏には、西村仁志、キャプテン・澤田優生のツーランなどで一挙6点を奪い、終わってみれば9−1の圧勝。2日目のジェイテクト戦でも、1−2と1点をリードされ、迎えた5回裏、二死から伊藤皓二の「起死回生」のソロホームランで試合を振り出しに戻すと、続く6回裏、ドニー・ヘイル、中村健二の連続タイムリーで試合を決める2点を挙げ、4−2で勝利。前節同様、自慢の「強力打線」がその力を見せつけ、今節無傷の3連勝を飾り、通算成績を8勝1敗まで伸ばした。
 今節の3試合でも、大阪桃次郎の「強力打線」は「7本」のホームランを叩き込み、計20得点。その「破壊力」にはやはり目を見張るものがある。また、投手陣では、今のところクリス・ケイフル、中島幸紀の二枚を軸にローテーションさせているが、今節最終戦となったジェイテクト戦では、4回表から登板した中村健二が試合の流れを変える“大人のピッチング”を披露。緩急巧みに相手打線を手玉に取る「貫録」の投球内容を見せた。次節以降も打線が好調を維持し、投手陣の安定感がさらに増してくれば、西日本リーグ「連覇」へこのまま一気に突っ走ることも十分に考えられそうだ。

 同じく第1節で4勝1敗と好スタートを切った平林金属も、今節無傷の4連勝。初日、まず旭化成を相手に、1−2と1点をリードされて迎えた5回裏、小見山敦吏の値千金の満塁ホームランで5−3と競り勝つと、続くジェイテクト戦でも、0−0のまま延長タイブレーカーにもつれ込む熱戦を繰り広げ、キャプテン・木谷謙吾のタイムリーなどで2−0の辛勝。2日目も、まず愛媛ウエスト戦に、松本剛知のタイムリー、松田光のソロホームランなどで5−4と打ち勝つと、今節最終戦となったNeo長崎戦でも、小見山敦吏の決勝スリーランを含む長短10安打を浴びせ、12−9で乱打戦に勝利。今節も終始「粘り強い戦い」で、通算成績を8勝1敗まで伸ばし、大阪桃次郎と首位を並走する展開となった。
 今シーズンの平林金属の戦いに象徴されるのは、やはり「粘り強さ」。第1節で、大阪桃次郎に4−10の完敗を喫してはいるが、その他の試合では、劣勢に立たされても、どこかで必ず「ビッグイニング」を作り、最終的には試合をひっくり返す「勝負強さ」を見せている。接戦になり、追い詰められても、最後はしっかりと勝ち切り、勝利を積み重ねていくことができる。この展開が、まさにチーム全体の「自信」につながっているようにも感じる。エース・松田光に頼るだけではなく、チームとしていかに戦い、勝利をつかみ取っていくのか。次節以降も、その戦いぶりに注目したい。

 この2チームに続くのは旭化成。初日の平林金属戦では、初回、松岡真央のタイムリーなどで2点を先制し、4回まで2−1とリードを奪う積極果敢な戦いを展開。5回裏に痛恨の満塁ホームランを浴び、結果、3−5で逆転負けを喫する形となったが、2日目はうまくチームを立て直し、Neo長崎を、米良孝太のスリーラン、松岡真央のソロホームランなどで4−2、ダイワアクトを、先発・園田努の好投で1−0と撃破。今節も2勝1敗と勝ち越し、好調なチーム状態を持続させ、通算成績6勝3敗と優勝が狙える位置をキープした。
 米良孝太、川田直諒、松岡真央ら「現役日本代表」をクリンナップに据える打線の力は、日本リーグの中でもトップクラス。「優勝」へのカギを握るのは、投手陣の奮起と言われ続けてきたが、今シーズンはその投手陣(金丸昭太、園田努)がここまで大崩れすることなく、粘り強いピッチングを続けている。次節以降もこの良い流れに乗り、我慢強い守備から得意の攻撃へと一気に転じていきたいところだ。

 第1節で3勝3敗と出遅れたダイワアクトは、今節も波に乗れず、1勝2敗と負け越し。初日、高知パシフィックウェーブとの一戦では、打線がわずか2安打に抑え込まれ、1−2と惜敗。2日目、オール福岡戦は、福井庸祐(2本)、古川恵士、権藤航、白水啓太(2本)、ニコラス・ノートンら7本のホームランを含む計16安打の猛攻で15−1の6回コールド勝ちを収めたが、続く旭化成戦では、再び打線が精彩を欠き、0−1の4安打完封負け。通算成績4勝5敗と、まだ決勝トーナメント進出圏内ではあるが、次節へ「不安」を残す戦いが続いている。
 従来通り、「世界一の左腕」アンドリュー・カークパトリックを要所で先発させてはいるが、今シーズンはなかなか結果がついてこない。あくまでも目標はこの西日本リーグの優勝ではなく、決勝トーナメントに進出し、日本リーグチャンピオンになること。昨年もこのゲームプランでシーズンを戦い、公言通り、最終的には日本リーグチャンピオンに輝いている。しかし、今シーズンはどこか「アンドリュー頼み……」という印象が否めない。日本リーグ連覇の味を知る田代順平、石嵜祥吾ら、昨年の主力が抜け、チームの顔ぶれが大きく入れ替わったことも要因の一つかもしれない。「期待のルーキ―」古川恵士ら若手の台頭はもちろんのこと、チームの生え抜きであり、選手兼任としていぶし銀の活躍を続ける田中紘一郎監督の手腕にも期待したい。

 ダイワアクトと同じく、通算4勝5敗で並ぶのは、Neo長崎と愛媛ウエスト。
 第1節を3勝2敗で終えたNeo長崎は、初日、大阪桃次郎戦にエース・森勇紀を先発させながら、1−9の完敗。続く愛媛ウエスト戦は、1点を追う6回裏、二死一・三塁から森勇紀のレフト線への2点タイムリーで逆転に成功し、3−2と接戦をモノにしたが、2日目、旭化成に2−4、平林金属に9−12と競り負け、連敗。「課題」に挙げられている上位との対戦で、またしても結果を残せず、今節1勝3敗に終わり、通算成績でも黒星が先行する状況となってしまった。

 愛媛ウエストは今節2勝2敗。初日のオール福岡戦に、伊藤将旗のスリーラン、遠藤大輔のソロホームランなど12安打を浴びせる猛攻で12−5の圧勝。2日目の高知パシフィックウェーブ戦でも、稲垣力哉、石村寛のタイムリーで2−1と競り勝ち、2勝を挙げたが、Neo長崎戦では、一度逆転に成功し、リードを奪いながらも、「勝負弱さ」か、最終的には試合をひっくり返され、2−3の惜敗。平林金属戦でも、同じく一度逆転に成功しながら、そのリードを最後まで守り切ることができず、4−5で敗れるなど、上位との対戦ではいずれも黒星を喫する形となった。

 通算3勝6敗で並んだのは、高知パシフィックウェーブとジェイテクト。
 第1節で1勝4敗と負け越し、大きく出遅れた高知パシフィックウェーブは、初日、大阪桃次郎戦で、高橋速水、立石壮平の投手陣が計4本のホームランを浴びるなど打ち込まれ、1−7の完敗。前節からの悪い流れを引きずり、このままズルズルと後退してしまうのか……と心配されたが、続くダイワアクト戦では、一転、気迫溢れる戦いを展開。エース・高橋速水が被安打2の好投を見せれば、打線も尾葺a登のタイムリー、立石壮平のランニングホームランで2点を奪い、2−1と接戦に勝利。2日目、ジェイテクト戦にも、岡本友章のソロ、片岡大洋のツーランホームランなどで7−1と快勝し、このまま3連勝といきたいところだったが、今節最終戦となった愛媛ウエスト戦では、常に先手を奪われる試合展開に終始し、1−2の惜敗。まだ本来の姿とは言えない状況にある。

 ジェイテクトは、初日の平林金属戦で延長タイブレーカーにもつれ込む熱戦を演じたが、最後まで得点を奪うことができず、0−2の完封負け。第1節の戦いぶりから、今シーズンは西日本リーグの「台風の目」になるのでは!?と期待されたが、今節の勝ち星は続くオール福岡戦で挙げた1勝に止まり、結果、1勝3敗と負け越す形となった。しかし、今節最終戦では好調を維持する大阪桃次郎を相手に、2回表、島田寿希斗のタイムリーなどで2点を先制。4回までリードを奪い、王者を慌てさせるという果敢な戦いぶりも見せただけに、次節以降も、諦めず、粘り強く戦い、上位を脅かす存在になってもらいたいものである。

 オール福岡は、開幕から勝ち星なしの8連敗。今節も3試合で計39失点と状況は厳しい。毎試合二桁失点を喫してしまうこの展開では……。正直なところ、今のままでは勝利を挙げる要素、雰囲気すら感じられない。チームの「核」になる投手がいない……。現時点のチーム事情ではこの状況でも仕方がない……。この理由だけでは、もはや言い訳できない状況まできている。“オール福岡”の名に恥じぬよう、福岡を代表するチームとして、何とか「意地」を見せてもらいたい!

 日本男子ソフトボール西日本リーグ第2節終了時点、全チームの成績は下記の通りで、第3節は9月6日(土)・7日(日)の両日、高知県高知市/春野総合運動公園において開催される。



第43回 日本男子ソフトボール西日本リーグ 第2節終了時点 全チーム成績
チーム名
大阪桃次郎 8 1
平林金属 8 1
旭化成 6 3
ダイワアクト 4 5
Neo長崎 4 5
愛媛ウエスト 4 5
高知パシフィックウェーブ 3 6
ジェイテクト 3 6
オール福岡 0 8

※同率の場合には、前年の順位が上のチームから順に表記しています。