2014.5.12
 

 

第43回日本男子ソフトボール東日本リーグ 第1節

ホンダエンジニアリング、デンソー、豊田自動織機の3チームが同率首位!



男子東日本リーグが開幕!
昨年の王者・ホンダエンジニアリングは5勝1敗の好スタート

  デンソーも5勝1敗と勝ち越し、上々の滑り出し
ホンダエンジニアリングとの「ライバル対決」を5−4で制した

  昨年7位の豊田自動織機も快進撃を見せ、5勝1敗
「元気なルーキー」深津悠平がチームに良い“刺激”を与えている!

  この3チームをトヨタ自動車が4勝2敗で追いかける
次節では、優勝を争うライバルチームから勝ち星を挙げられるか!?

  岐阜エコデンSCは3勝3敗
「優勝争い」に割って入るには、上位チームを撃破するしかない



埼玉県庁クラブは1勝5敗と大きく負け越し
まずは大味な試合をなくし、粘り強い戦いを展開したいところ



YKKも1勝5敗
失点を最小限にくい止め、攻撃につなげることができれば……



大阪グローバルは6連敗
若い選手が経験を積み、徐々に成長してきている
「名門復活」へ、何かキッカケをつかみたい!



第43回日本男子東日本リーグ 第1節 富山県富山市


 第43回日本男子ソフトボール東日本リーグ第1節が、去る5月9日(金)〜11日(日)の3日間、富山県富山市/岩瀬スポーツ公園ソフトボール広場において開催された。

 第1節では、ホンダエンジニアリング、デンソー、豊田自動織機の3チームが5勝1敗と勝ち越し、同率首位。上位グループは、この3チームをトヨタ自動車が4勝2敗、岐阜エコデンSCが3勝3敗で追いかける展開となった。

 昨年、無傷の14連勝を飾り、“圧倒的な強さ”でシーズンを駆け抜けた王者・ホンダエンジニアリングは、初戦のYKK戦に8−3で快勝。続く岐阜エコデンSC戦にも、序盤から石井悠太、床井優介、加藤一秀の3本のホームランなど「一発攻勢」でたたみかけ、9−2と圧勝すると、2日目も、まず埼玉県庁クラブを、糸瀬勇助、浦本大嗣のホームランなど計15安打の猛攻で15−2と一蹴。豊田自動織機との一戦は、延長10回タイブレーカーにもつれ込む接戦となったが、「リードオフマン」糸瀬勇助のサヨナラタイムリーで5−4と競り勝ち、全勝をキープ。初日、2日目と“王者の貫録”を感じさせる戦いぶりで、順調に白星を重ねた。最終日の「優勝を争うライバル」デンソー戦では、先発した浅野公太が立ち上がりに2本のホームランを浴びるなどつかまり、4−5と初黒星を喫する形となったが、今節最終戦となった大阪グローバル戦に、再び打線の力で7−4と打ち勝ち、5勝1敗。「連覇」に向けて好スタートを切った。
 投手陣は、若き右腕・浅野公太、永吉孝臣が中心であるが、「ここぞ!」という大事な場面では浜口辰也監督自らが登板する場面も見せ、未だ衰えぬ抜群の存在感でチームを引っ張っている。また、打線も昨年、首位打者、打点王の「二冠」に輝いた浦本大嗣を中心に、同じくクリンナップを形成する床井優介、黒田友也らが健在。「リードオフマン」として勝負強いバッティングが魅力の糸瀬勇助ら“若い力”も躍動している。今節はデンソーとの「ライバル対決」に敗れ、久々に黒星を喫することとなったが、今シーズンもやはり優勝候補の筆頭といえそうだ。

 昨年2位のデンソーは、初戦で豊田自動織機に延長タイブレーカーの末、6−9と競り負け、黒星スタート。しかし、続く大阪グローバル戦で、キャプテン・長岡孝のタイムリー、岡阜囀lのソロホームランなど16安打を浴びせ、7−5で打ち勝つと、2日目もトヨタ自動車に2−0、埼玉県庁クラブに11−1の6回コールド勝ちを収め、連勝。最終日、ホンダエンジニアリングとの「ライバル対決」では、初回に足を絡めた攻撃と川崎智秋のツーランでいきなり3点を先制。3回裏にも、大林正樹のソロホームラン、5回裏には、キャプテン・長岡孝のタイムリーで1点ずつを追加し、リードを広げ、終盤1点差に詰め寄られたものの、このリードを最後まで守り抜き、5−4で大一番に勝利。今節最終戦となった岐阜エコデンSCとの一戦にも、16安打を浴びせて9−3と快勝し、5勝1敗。こちらも好スタートを切った。
 男子U19日本代表の「エース」として、今年7月にカナダ・ホワイトホースで開催される世界ジュニア選手権でも活躍が期待されている岡阜囀lが、昨年ワンシーズンを経験し、一回り大きく成長したことはチームにとってプラス材料。“王座奪回”を果たすためには、この岡阜囀lと山脇祐也の「二枚看板」が、シーズンを通してどこまで安定した結果を残せるかがポイントになるだろう。この第1節を見る限りでは、山脇祐也が登板した試合で失点を重ねる場面が目立っただけに、次節はその山脇祐也の「復調」が待たれる。好調を維持する打線が、引き続き投手陣をしっかりと援護したいところだ。

 同じく今節5勝1敗の好スタートを切ったのは、昨年7位の豊田自動織機。初戦のデンソー戦で、いきなり延長タイブレーカーにもつれ込む熱戦を繰り広げ、柳沼正孝のツーラン、伊藤公彦の走者一掃のタイムリースリーベースなどで9−6と打ち勝ち、勢いに乗ると、次戦のトヨタ自動車戦でも、エース・田耕児郎の好投が光り、3−1で勝利。2日目、大阪グローバルとの一戦は、「ルーキー」深津悠平が被安打2と完璧に近いピッチングで1−0の完封勝利を飾り、3連勝。「全勝対決」となったホンダエンジニアリングとの大一番では、延長10回タイブレーカーに及ぶ熱戦の末、惜しくも4−5で競り負けはしたが、最終日、埼玉県庁クラブに6−5のサヨナラ勝ちを収め、息を吹き返すと、今節最終戦となったYKK戦でも、12−0と5回コールドで圧勝。この第1節は、投・打の歯車が噛み合い、昨年とまるで見違えるような戦いぶりで、5勝1敗と大きく勝ち越し、快調な滑り出しを見せた。
 選手兼任でチームを引っ張る亀井博監督のもと、今シーズンは個々の「戦う意識」が高まり、どの試合も「貪欲に勝利を狙う姿勢」が見られる。また、新加入した「ルーキー」深津悠平が、「ルーキー」であることを感じさせないような見事な躍動ぶり。持ち前の、明るく、積極的なキャラクターを前面に出し、他のメンバーに良い“刺激”を与えている。今節見せた戦いを次節も継続することができれば、決して「優勝」も夢ではないはずだ。

 この3チームを追いかけるのは、4勝2敗のトヨタ自動車。今節は豊田自動織機に1−3、デンソーに0−2で敗れ、2敗を喫したが、初戦の大阪グローバル戦では、3回裏に江口真史のツーランなどで一挙5点を先制し、その後もリードを広げ、11−1の5回コールド勝ち。2日目も、岐阜エコデンSCとの一戦に、3−3の同点で迎えた7回表、二死二塁から久保猛司のセンターオーバーのタイムリーツーベースで逆転に成功し、4−3で競り勝つと、最終日のYKK戦に9−1、埼玉県庁クラブ戦にも9−4で連勝。首位に「星一つ差」で続き、上位につける形となった。次節以降は、下位のチームに取りこぼすことなく、優勝を争うライバルとの対戦でいかに勝ち星を挙げていくことができるかが重要になる。

 岐阜エコデンSCは、3勝3敗。初戦の埼玉県庁クラブ戦に5−3、2日目のYKK戦に6−5、3日目の大阪グローバル戦に10−6と勝利し、3勝を挙げたが、「課題」とされる上位との対戦で勝ち星を挙げられず、3敗。ホンダエンジニアリング、トヨタ自動車、デンソーとの対戦では、すべて相手に「先手」を奪われ、立ち上がり、また序盤で試合の主導権を握られてしまう展開が目立った。現役日本代表、元日本代表を揃える打線には相変わらず「爆発力」があるだけに、優勝争いに割って入るためには、坂本俊行、嶋田智希の「二枚看板」の奮起がやはり“絶対条件”となりそうだ。

 埼玉県庁クラブとYKKは1勝5敗。埼玉県庁クラブは、初日のYKK戦で7−4と勝利を挙げたものの、その他の試合では投手陣が打ち込まれるケースが目立ち、大量失点。特に2日目のホンダエンジニアリング、デンソー戦では2試合で計26失点を喫するなど、なすすべなく完敗。次節までには何とか投手陣の立て直しを図りたいところだ。YKKも、2日目の大阪グローバル戦に延長タイブレーカーの末、6−5で競り勝ったものの、その他の試合では投手陣が打ち込まれ、大きく負け越し。昨年と同じく、このままでは次節以降も厳しい戦いを余儀なくされそうである。

 大阪グローバルは今節元気なく6連敗。若い選手たちが徐々に「経験」を積み、打線はある程度の得点を見込めるようになってきてはいるが、こちらも埼玉県庁クラブ、YKK同様、今後いかに失点をおさえていくかが「課題」となりそうだ。かつて西日本リーグ4連覇を成し遂げるなど、黄金時代を知るメンバーもいるだけに、“名門復活”へ、一歩一歩その足取りを刻んでいってもらいたいものである。

 日本男子ソフトボール東日本リーグ第1節終了時、全チームの成績は下記の通りで、第2節は6月7日(土)・8日(日)の両日、岐阜県羽島市/羽島市運動公園はしま清流スタジアム多目的広場において開催される。



第43回 日本男子ソフトボール東日本リーグ 第1節終了時点 全チーム成績
順位 チーム名
1位 ホンダエンジニアリング 5 1
デンソー 5 1
豊田自動織機 5 1
4位 トヨタ自動車 4 2
5位 岐阜エコデンSC 3 3
6位 埼玉県庁クラブ 1 5
YKK 1 5
8位 大阪グローバル 0 6

※同率の場合には、前年の順位が上のチームから順に表記しています。