2012.9.3
 

 

第41回 日本男子西日本リーグ第3節

大阪桃次郎が首位に浮上
「優勝争い」は最終節へ!

大阪桃次郎が今節4連勝を飾り、首位に浮上!

平林金属は大阪桃次郎との
「直接対決」に敗れ、今シーズン2敗目を喫した

「優勝争い」の行方は……!
ダイワアクトの西日本リーグ3連覇はなるか

旭化成は地元開催で奮戦
「4強生き残り」をかけ、最終節へ

同じく4強入りに向け、
もう負けられない高知パシフィックウェーブ
今こそ「ソフトボール王国」の意地を見せろ!

年々着実なレベルアップを図るウエストSBC
最終節では「上位」にどこまで食らいつけるか

苦しみながらも徐々に調子を上げてきたNeo長崎
チーム一丸、最後まで全力で戦い抜く

エース・北添の力投で2勝目を挙げたジェイテクト
最終節も貪欲に、上へ、上へ!

未だ「1勝」の遠いオール福岡
来シーズンにつなげるため、必ずや、勝利を
 




 第41回日本男子西日本リーグ第3節が、去る9月1日(土)・2日(日)の両日、宮崎県宮崎市の宮崎市生目の杜運動公園アイビースタジアム・第2野球場において開催された。

 結果は、前節まで通算7勝2敗と2位グループにつけ、首位・平林金属を追いかけていた大阪桃次郎が、粘り強い戦いで上位を争うライバルを立て続けに叩き、4連勝。通算11勝2敗まで星を伸ばし、首位に浮上した。前節終了時点で単独首位に立っていた平林金属は、今節の「山」となった2日目の大阪桃次郎戦に5−6で敗れ、通算10勝2敗。この2チームに、ダイワアクトが通算9勝3敗、旭化成が通算8勝5敗、高知パシフィックウェーブが通算7勝5敗で続く形となり、西日本リーグ制覇、決勝トーナメント進出をかけた各チームの順位争いは、いよいよ最終節にもつれ込むことになった。

 前節(第2節)を4勝2敗で終え、ここまで通算7勝2敗と星1つ差で首位・平林金属を追いかけていた大阪桃次郎は、今節初戦でオール福岡と対戦。初回に中村健二がいきなり右中間へツーランを叩き込み、快調なスタートを切ったかと思われたその裏、先発したトーマス・キャメロンが、初球、相手先頭打者の顔面にいきなり死球を与えるアクシデント(死球を受けたオール福岡・知念大紀は鼻骨を骨折。オール福岡は今節9名で試合に臨んでいたため、初日の試合続行が不可能となり、この試合を棄権。試合の結果は、記録上7−0の取り扱いとなり、大阪桃次郎の勝利となった)があり、予想外の幕開けとなったが、次戦のウエストSBC戦からは、しっかりと気合いを入れ直し、7−0の圧勝。今節の「山」となった2日目、まず、首位・平林金属との直接対決では、前節の対戦同様に、手に汗握る接戦を展開。6回まで3−5と2点をリードされる劣勢に立たされながらも、土壇場の7回表、相手守備の乱れと、押し出し、ワイルドピッチで3点を挙げ、逆転に成功。持ち味の「粘り強さ」で6−5と勝利を飾ると、今節最終戦となった旭化成戦でも、7−7のまま延長タイブレーカーに突入する熱戦の末、8回表にトーマス・キャメロン、西村仁志の連続タイムリーで勝ち越し点を奪い、9−8で勝利。今節負けなしの4連勝で通算成績を11勝2敗とし、首位に浮上した。最終節では、Neo長崎、高知パシフィックウェーブ、ダイワアクトとの対戦を残す大阪桃次郎。日本代表、元U19日本代表、ニュージーランド代表を揃える「タレント軍団」が、今シーズンは個々の選手の能力だけに頼るのではなく、チームとして選手全員がそれぞれの役割を果たし、勝利に向けて一丸となった“粘り強さ”を見せている。どの打順からでも「一発」で状況を打開できる破壊力抜群の攻撃力はやはり健在。最終節では、日本代表の「二枚看板」中村健二、中島幸紀がいかにコンディションを上げ、安定した結果を残せるか。そのピッチングが優勝へのカギを握っている。

 一方、前節終了時点で単独首位に立っていた平林金属は、今節初戦となったジェイテクト戦に、木谷謙吾、道本健次、松木光、松田光の4本のホームランを浴びせ、長打攻勢で11−0の5回コールド勝ち。快調な滑り出しを見せ、2日目の大阪桃次郎との直接対決に臨んだが、大阪桃次郎戦では、終盤6回裏、4本の長短打で試合をひっくり返しながらも、最終回に守備の乱れから再逆転を許し、5−6で惜敗。今節最終戦となったオール福岡戦では、気持ちを切り替え、松田光、松本剛知、森田雄介の3本のホームランなど、再び打線の爆発力で12−0と圧勝したが、今節2勝1敗で通算10勝2敗となり、大阪桃次郎に勝ち星で1つリードされる形となった。最終節では、初日、2日目とダブルヘッダーで計4試合を戦うことになり、ダイワアクト、旭化成ら上位チームとの対戦を残している平林金属。「チーム躍進の立役者」エース・松田光を柱に、初の西日本リーグ制覇はなるか。今シーズンは、開幕からここまでまさに「快進撃」を続け、全チームの中で投・打に最も勢いを見せてきたチームなだけに、最終節ではどのような戦いを繰り広げるのか、非常に楽しみである。

 前節終了時点で通算7勝2敗。旭化成、大阪桃次郎と同じく首位・平林金属を追いかけ、2位グループにつけていたダイワアクトは、今節初戦となったウエストSBC戦に守備の乱れなどで3−4のまさかの敗戦。今節は「王者」らしからぬスタートとなったが、続くジェイテクト戦では、その初戦の守備で足を引っ張った松崎洸平、井上朋彦が、名誉挽回とばかりにツーランホームラン、2点タイムリーを放ち、“打撃”で活躍。打線も2本のホームランを含む計13安打を浴びせ、9−3で快勝すると、今節最終戦となった2日目の旭化成戦でも、「投打の柱」アンドリュー・カークパトリックが初回に特大ホームランを浴び、先制点を奪われる予想外の展開となりながら、4回表、自ら「お返し」とばかりにセンターへ完璧なあたりのツーランを叩き込み、逆転。「世界トップレベル」の実力で試合の流れを引き寄せ、最終回にも二死満塁から走者を一掃するレフトオーバーのタイムリー。アンドリュー・カークパトリックのこの試合5打点を挙げる活躍で、終わってみれば6−2で勝利し、今節2勝1敗、通算9勝3敗で最終節を迎えることになった。今シーズン、西日本リーグ・決勝トーナメント「3連覇」の偉業達成に挑むダイワアクト。ここにきてもはや言うまでもないが、何といっても「投打の柱」アンドリュー・カークパトリックの存在が大きい。また、西日本リーグ・決勝トーナメント連覇を果たしているチームだけあって、個々の選手が“勝ち方”をしっかりと心得ている。「絶対的な切り札」を武器に、最終節では逆転優勝も十分に考えられそうだ。

 今節、地元開催となった旭化成は通算8勝5敗で、通算7勝5敗の高知パシフィックウェーブと決勝トーナメント進出をかけ、4位争いを繰り広げている状況。今節初戦となったその高知パシフィックウェーブ戦では、初回に3安打と守備の乱れでいきなり5失点。最後まで試合の流れをつかめず2−7で敗れ、黒星スタートとなり、次戦のNeo長崎戦では、初回に2点を先制されながら、5回表に夏田陽平のタイムリーと、小野昌康の走者一掃のランニングホームランで一挙5点を挙げるなど、7−3で逆転勝利を収めたものの、2日目の上位チームとの対戦では、大阪桃次郎に8−9、ダイワアクトに2−6で敗れ、痛い連敗。打線は、日本代表にも名を連ねる松岡真央、川田直諒、米良孝太を中心に、破壊力があり、他の上位チームにもまったく引けをとらないが、今回の戦いを振り返ると結果的に投手陣が要所で踏ん張り切れなかったと言うしかないだろう。金丸昭太、園田努、この二人の投手のピッチングに、3年連続の決勝トーナメント進出が託されている。

 高知パシフィックウェーブは、今節初戦の旭化成戦に、小野洋平、片岡一人のタイムリーなどで先制攻撃をしかけ、7−2で快勝。白星スタートを飾ったが、続くNeo長崎戦では、頼みのエース・高橋速水が打ち込まれ、3−9の完敗。決勝トーナメント進出に向けてもう負けられない状況となった2日目のウエストSBC戦では、しっかりと気合いを入れ直し、攻撃では、小野洋平、岡本友章、川村真司のタイムリーなどで5点を奪い、守っては、エース・高橋速水が被安打4、奪三振12の好投を見せ、5−0の完封勝利。「4強生き残り」へ最終節に望みをつないだが、今シーズンはチームの好不調の波がやはり気になる。高橋速水、片岡大洋、小野洋平らの現役日本代表組、そして岡本友章をはじめ、かつて日本代表、U19日本代表の中心選手として「世界の舞台」で活躍した実績を持つ選手たちを揃えたチームが、ここまでの戦いぶりを見る限り、まだ本来の実力を十分に発揮できていない。個々の選手の能力、チームとしての力は「日本トップレベル」であることは間違いないだけに、最終節では、そのチームの「底力」を見せてもらいたい。

 この他、第3節を終了し、ウエストSBCが通算5勝7敗、Neo長崎が通算4勝9敗となり、大阪桃次郎、平林金属、ダイワアクト、旭化成、高知パシフィックウェーブら上位争いを展開するチームに続く形となり、ジェイテクトは前節に続く勝利で今シーズン2勝目を挙げたものの、通算2勝11敗。今節初戦で思わぬアクシデントに見舞われたオール福岡は、未だ「1勝」が遠く、開幕から泥沼の12連敗と長いトンネルを抜け出せずにいる。
 今シーズンの日本男子ソフトボール西日本リーグも、いよいよ最終節を残すのみ。西日本リーグ制覇・決勝トーナメント進出をかけた全9チームの熱戦に注目したい!

 日本男子ソフトボール西日本リーグ第3節終了時、全9チームの成績は下記の通りで、最終節となる次節(第4節)は、11月3日(土)・4日(日)の両日、佐賀県唐津市/相知天徳の丘運動公園・多目的運動広場において開催される。


第41回 日本男子ソフトボール西日本リーグ 第3節終了時点 全チーム成績
チーム名
大阪桃次郎 11 2
平林金属 10 2
ダイワアクト 9 3
旭化成 8 5
高知パシフィックウェーブ 7 5
ウエストSBC 5 7
Neo長崎 4 9
ジェイテクト 2 11
オール福岡 0 12

※同率の場合には前年の順位が上のチームから順に表記しています。