第40回 日本男子ソフトボール西日本リーグ第1節
 (東日本大震災・災害復興支援大会)
(2011.4.25) 


男子西日本リーグが開幕!

女子リーグ同様、男子リーグも
今年度は「東日本大震災・災害復興支援大会」として開催

昨年の「日本リーグチャンピオン」
ダイワアクトが開幕3連勝の好スタート

第1節は打線が絶好調!
旭化成も3連勝を飾った

功守にタレントを揃える大阪桃次郎
第1節では、まさかの1勝3敗……

地元開催となったNeo長崎も
3勝1敗と順調な滑り出し

開幕戦に敗れた高知パシフィックウェーブも
2戦目以降持ち直し、3勝1敗

平林金属は2勝1敗で今節勝ち越し!

オール福岡は1勝3敗
大阪桃次郎戦では、逆転勝利を飾った

今シーズン新規参入のウエストSBC
リーグの厳しい洗礼を受け、3連敗

開幕4連敗を喫したジェイテクト
何とか勝ち星をつかみたい


ダイワアクト、旭化成が開幕3連勝!
高知パシフィックウェーブ、Neo長崎も3勝1敗の好スタート




 第40回日本男子西日本リーグが開幕。第1節が4月23日(土)・24日(日)の両日、長崎県時津町・とぎつ海と緑の運動公園において開催された。

 今シーズンは、先日(4月9日(土)・10日(日))に開幕した女子リーグ1部、また同時期(4月22日(金)〜25日(月))に開幕した女子リーグ2部と同じく、この男子西日本リーグも「東日本大震災・災害復興支援大会」として開催。計9チーム(四国生コンSBCが昨シーズン限りでリーグを脱退。今シーズンからウエストSBCが新規参入)により、全4節の開催で覇が競われることになり、「決勝トーナメント進出」、「西日本リーグ制覇」をめざした熱戦の火蓋が切られた。
 第1節は、昨シーズン西日本リーグ初制覇を成し遂げ、決勝トーナメント初優勝に輝いたダイワアクトと、昨シーズン西日本リーグ3位で初の決勝トーナメント進出を果たした旭化成がともに快調な滑り出しを見せ、開幕3連勝。また、2005年以来の西日本リーグ制覇をめざす高知パシフィックウェーブと、地元でのリーグ開幕を迎え、5年ぶりの決勝トーナメント進出をめざすNeo長崎も、3勝1敗の好スタートを切った。

 昨シーズン、西日本リーグ、決勝トーナメントを制し、初の「日本リーグチャンピオン」に輝いたダイワアクトは、開幕戦で宿敵・大阪桃次郎といきなり激突。決勝トーナメント・ファイナルの再現となったこの対戦では、0−0で迎えた5回表、今シーズンから新加入した「現役ニュージーランド代表」ネイサン・ヌクヌクの中前タイムリーで1点を先制。6回裏に同点に追いつかれ、延長タイブレーカーに突入し、迎えた8回表には、一死三塁から「投打の柱」アンドリュー・カークパトリックの中前タイムリーで勝ち越し。2−1で競り勝ち、2年連続決勝トーナメント・ファイナルで対戦している「最大のライバル」から、まずは大きな1勝を勝ち取ると、2日目のウエストSBC戦では、15安打を浴びせて10−0の5回コールド勝ち。今節最終戦となったNeo長崎戦でも、松崎洸平、白水啓太の本塁打を含む11安打を浴びせて12点を奪い、エース・アンドリュー・カークパトリックをしっかりと援護。12−1で圧勝し、開幕3連勝と「連覇」に向けてまずは快調な滑り出しを見せた。

 一方、昨シーズン西日本リーグ2位、決勝トーナメントではダイワアクトに連覇を阻まれた大阪桃次郎は、そのダイワアクトとの対戦となった開幕戦で、5回表に1点を先制されながら、6回裏に「キャプテン」猪股要の中前タイムリーで同点に追いつき、延長タイブレーカーへと持ち込む粘りを見せたが、惜しくも1−2で敗戦。その後は、「開幕戦で王者・ダイワアクトを叩き、好スタートを切る!」という今シーズンのシナリオを崩されたショックを隠し切れず、続く平林金属戦でも序盤に3点をリードしながら、先発・中島幸紀が3回裏に5点を失い、4−5の逆転負け。2日目のウエストSBC戦では、6−0の完封勝利を飾り、意地を見せたものの、最終戦となったオール福岡戦でも、終始試合の流れをつかみながら、4−5の逆転サヨナラ負けを喫し、今節まさかの1勝3敗。リーグ参入から3年連続の決勝トーナメント進出、2年ぶりの日本リーグチャンピオンをめざす今シーズンの戦いは、苦しいスタートとなった。選手個々の顔ぶれは、中村健二、中島幸紀の「二枚看板」を中心に、攻撃では澤田優生、筒井拓友、ドニー・ヘイルら豪華なタレントが揃う強力打線が健在。さらに、今シーズンは日本体育大からU19日本代表経験のある伊藤皓二が新加入し、打線の破壊力も増しているだけに、今後の巻き返しが期待される。

 昨シーズン、西日本リーグ3位で初の決勝トーナメント進出を果たした旭化成は、今節3試合で計36点を叩き出し、打線が爆発。開幕戦となった初日のジェイテクト戦では、初回に上杉大輝の鮮やかな先頭打者本塁打でいきなり先制点を奪うと、その後も上杉大輝、小野昌康の1試合2本の本塁打を含む計6本の本塁打を浴びせ、15安打で13点を奪い、13−1の5回コールド勝ち。続くウエストSBC戦では、米良孝太の2本の本塁打を含む5本の本塁打など19安打で13−0と圧勝すると、今節最終戦となったオール福岡戦でも、初回に「日本代表のスラッガー」松岡真央が火の出るような先制ツーランを叩き込み、早々と先制。その後も攻撃の手を緩めず、10−0の6回コールド勝ちを収め、投打がガッチリと噛み合った完璧な試合内容で、開幕3連勝を飾った。今シーズンは「日本代表のスラッガー」松岡真央の攻守にわたる強いリーダーシップに加え、チーム全体としても、昨年念願の決勝トーナメント進出を果たし、大舞台を経験したことで、これまで以上に「高いモチベーション」が生まれており、今節の3試合を見る限りでは、昨シーズンの経験を糧にした選手一人ひとりの大きな成長を感じさせた。第2節以降、上位を争うライバルとの対戦で、どのような戦いぶりを見せてくれるのか、注目したい。

 地元での開幕を迎えたNeo長崎は、開幕戦となった高知パシフィックウェーブ戦に、楠本圭の勝ち越しスリーランなどで5−1で勝利を飾ると、続くオール福岡戦では、濱田慎吾の2本の本塁打を含む14安打で9−2と快勝。2日目のジェイテクト戦でも、立ち上がりから打線が爆発し、平山靖のスリーランなどで11−1の5回コールド勝ち。今節最終戦では4連勝をかけ、ダイワアクトとの全勝対決に臨んだが、森勇紀、伊藤啓浩の投手陣がともにダイワアクト打線に打ち込まれ、1−12で完敗。最終戦に敗れはしたが、今節3勝1敗とまずは順調な滑り出しを見せたといっていいだろう。今シーズンは、これまで不安を抱えていた投手陣に伊藤啓浩(2008年・トヨタ自動車在籍時に日本リーグ準優勝)が新加入し、投手力も充実。5年ぶりの決勝トーナメント進出を果たすためには、今後、さらなる投手陣の奮起が必要となる。

 また、Neo長崎と同じく、高知パシフィックウェーブも今節3勝1敗。開幕戦となったNeo長崎戦では、1−1の同点で迎えた5回裏に、昨シーズンからチームに加入した「期待の若手」高橋速水が痛い4失点を喫し、1−5で敗戦。続くオール福岡戦でも、6回終了時点で1点をリードされる厳しい状況に追い込まれながら、7回表に相手守備の乱れから一死満塁のチャンスを作り、安井宏光の中越タイムリーツーベースで一挙3点を挙げ、逆転に成功。苦しみながらも4−2で勝利すると、2日目はうまく気持ちを切り替え、まず平林金属戦に6−3で勝利。今節最終戦となったジェイテクト戦では、「日本代表の主砲」小野洋平、安井宏光にそれぞれ本塁打が飛び出すなど、17安打で11点を奪い、初日の嫌な流れを断ち切り、11−1の6回コールド勝ちを収めた。昨シーズンは、全日本総合選手権でダイワアクトを破り、優勝を飾りながら、この日本リーグでは「大一番」で思うように実力を発揮できなかっただけに、今シーズンは、1年を通していかに安定した戦いができるかが重要になる。

 この他、第1節を終了し、平林金属が2勝1敗。大阪桃次郎戦で劇的な逆転勝利を飾ったオール福岡は1勝3敗。今シーズン日本リーグ新規参入のウエストSBCは、日本リーグの厳しい洗礼を受けた形となり、3連敗。ジェイテクトは開幕4連敗の苦しいスタートとなった。
 男子西日本リーグ第1節、各チームの成績は下記の通りで、第2節は6月3日(金)〜5日(日)の3日間、大阪府交野市において開催される。


■第40回日本男子ソフトボール西日本リーグ
第1節終了時、全チーム成績

ダイワアクト 3勝0敗
旭化成 3勝0敗
高知パシフィックウェーブ 3勝1敗
Neo長崎 3勝1敗
平林金属 2勝1敗
大阪桃次郎 1勝3敗
オール福岡 1勝3敗
ウエストSBC 0勝3敗
ジェイテクト 0勝4敗