第40回日本男子ソフトボール東日本リーグ 第2節

(2011.6.6) 


ようやく男子東日本リーグが「実質的開幕」を迎えた

ホンダエンジニアリングは「期待のルーキー」
浅野公太の活躍もあり、5勝1敗のスタート!

デンソーは今節初日、まさかの連敗を喫したが、
2日目から4連勝! 優勝争いに踏み止まった

岐阜エコデンSCは、今節4本塁打を放った枦山を
はじめ、打線が好調! 開幕4連勝を飾ったが……

埼玉県庁クラブはルーキー・矢野崇史が3勝を
挙げる活躍で3勝3敗の勝率5割をキープした

トヨタ自動車はもう一つ波に乗り切れず、
2勝4敗の同率5位と一歩出遅れた

YKKは初日連勝のスタート。その後、4連敗……

1勝5敗で最下位の豊田自動織機。
投手陣の奮起があれば巻き返しも

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 



ホンダエンジニアリング
5勝1敗で単独首位に立つ!


 ダイジェスト






 第1日 デンソー vs ホンダエンジニアリング





 第40回日本男子ソフトボール東日本リーグの「実質的な開幕」となる第2節が、6月3日(金)〜5日(日)の3日間、岐阜県羽島市で開催された。
 東日本リーグは、当初、4月23日(土)・24日(日)の両日、栃木県那須町で第1節を開催し、「リーグの開幕」を迎える予定であったが、東日本大震災の影響で開催を断念。第2節・第3節を1日延長して、3日間開催とし、第1節に予定されていた試合を組み込むことになり、ようやくこの第2節で「実質的な開幕」を迎えることになった。

 昨シーズン、開幕から無傷の12連勝で突っ走り、無敗のまま、「リーグの頂点」を極め、3年ぶりに王座奪還を果たしたホンダエンジニアリングは、今節初日、まず埼玉県庁クラブを9−4で撃破。昨シーズン、東日本リーグ史上初の「三冠王」を獲得した床井優介の本塁打などで打ち勝つと、2004年の東・西リーグ制導入以来、常にどちらかが優勝を飾ってきた「宿命のライバル」デンソーと対戦。「期待の大型ルーキー」浅野公太が2本の本塁打を浴びながら、味方打線の援護もあり、7−2と快勝。デンソー・先発の好投手・村里和貴を相手に、4回表、一挙7点を奪う猛攻は圧巻の一言。このままの勢いで、連勝記録を伸ばすかと思われた。
 しかし、2日目の初戦、豊田自動織機戦に1−2で惜敗。豊田自動織機の「期待の左腕」田耕児郎のほどよく荒れるピッチングに的を絞り切れず、自慢の打線が不発。初黒星を喫したが、続くトヨタ自動車戦では、「期待の大型ルーキー」浅野公太が1失点の完投勝ち。今節2勝目を挙げた。
 最終日には、今シーズン開幕4連勝と「絶好調」の岐阜エコデンSCと対戦。今シーズンから、「新監督」に就任した浜口辰也監督が自ら先発し、貫禄のピッチング。岐阜エコデンSCの勢いを完全にシャットアウトし、吉田大祐、浅野公太とつなぐ投手リレーで8−0の完封勝ち。大事な一戦に快勝すると、最終戦のYKK戦も9−2と大勝。昨シーズン5勝を挙げ、日本代表で活躍した浜口辰也新監督の後を継ぐ「エース」に成長しつつある永吉孝臣が今節2勝目。「期待の大型ルーキー」浅野公太と揃って2勝を挙げ、「大一番」では監督自らが勝利投手となるなど、今節5勝1敗と好調な滑り出し。連覇へ向け、順調なスタートを切った。

 2位には、4勝2敗のデンソーと岐阜エコデンSCが並んだ。
 昨シーズン2位のデンソーは、今節初日、まさかの連敗。初戦のYKK戦を3−4と競り合いながら、あと一歩およばず落とすと、「宿敵」ホンダエンジニアリング戦では、エース・村里和貴が「必勝」を期して登板。3回裏、川田寛明のソロ本塁打で1点を先制したが、直後の4回表、要所で手痛い守備の乱れが絡んだこともあり、7失点。まさかの連敗スタートとなったが、ここで崩れないのが「強者」たる所以。翌日の豊田自動織機戦でも5回まで3点のリードを許しながら、終盤の反撃で同点に追いつき、延長タイブレーカーに持ち込むと、8回表に打線が一挙4点を奪い、7−3と快勝。苦しみながら今シーズン初勝利を挙げ、「嫌な流れ」を断ち切り、続く埼玉県庁クラブ戦ではエース・村里和貴が4−0の完封勝利。最終日もトヨタ自動車に5−1、岐阜エコデンSCに6−2と連勝。連敗の後、4連勝で盛り返し、優勝争いに踏み止まった。
 地元の大声援を受け、来年に開催の控えた「ぎふ清流国体」へ向け、着々と強化を進める岐阜エコデンSCは、初日・2日目と無傷の4連勝。このまま、勢いに乗って今節全勝、単独首位に立つかと思われたが、最終日に2004年の東・西リーグ制導入以来、常にどちらかが「王座」を死守してきたホンダエンジニアリング、デンソーの両チームとの対戦が組まれ、0−8、2−6と連敗。首位発進とはいかなかったが、それでも過去決勝トーナメント進出すら実現できなかったチームが、予想以上の快進撃。「現役日本代表」の横山拓、鈴木周平、過去2回の世界選手権で日本代表の「主軸」として活躍し、今節4本塁打を放った枦山竜児ら、打撃陣にはタレントが揃い、打線には定評があるチームだけに、投手陣の踏ん張り次第では、初の決勝トーナメント進出はもちろん、初のリーグ優勝も狙える位置につけた。

 3位は埼玉県庁クラブ。上位3チームには完敗を喫したが、ルーキー・矢野崇史が3勝を挙げる大活躍。初日のトヨタ自動車戦で1失点の完投勝利。2−1で勝ち、リーグ初勝利を挙げると、YKK戦では5点を失いながらも、打線の援護もあり、10−5の完投勝利。今節最終戦の豊田自動織機戦でも延長タイブレーカーもつれ込む熱戦の最後を締め、4−3の辛勝。今節3勝を挙げ、チームの「救世主」となった。

 4位には、2勝4敗のトヨタ自動車とYKKが並んだ。
 トヨタ自動車は初日、岐阜エコデンSCに3−9、埼玉県庁クラブ戦に1−2と痛い連敗スタート。翌日のYKK戦を3−1で勝ち、今シーズン初勝利を挙げたが、次戦では首位を走るホンダエンジニアリングと互角の戦いを演じながら1−2で惜敗。最終日も豊田自動織機には9−3で打ち勝ちはしたものの、デンソーに1−5で敗れ、波に乗り切れないまま、今節を終えた。攻・守・走のバランスが取れ、十分な戦力を有するチームだけに、今後も巻き返しに期待したいところだ。
 YKKは、トヨタ自動車とは対照的に、初日は連勝スタート。優勝争いの常連・デンソーを相手に番場勇希の本塁打などで4−3と競り勝ち、豊田自動織機戦も2点のリードを奪われながら、終盤同点に追いつき、延長タイブレーカーに持ち込み、3−2のサヨナラ勝ち。「今シーズンは一味違う!?」と思わせたが、2日目以降、まさかの失速。岐阜エコデンSC戦では3回までに5点をリードし、楽勝ムードが漂ったが、投手陣がつかまり、7−8の大逆転負け。最終日の埼玉県庁クラブ戦でも2回までに4点をリードしながら、終わってみれば5−10の大敗を喫するなど、先手を取りながら投手陣が踏ん張り切れず、逆転負けという惜しい試合展開が続いた。投手陣の立て直しが急務となりそうだ。

 豊田自動織機は1勝5敗。開幕戦の岐阜エコデンSC戦で初回に森田裕介のスリーランで先制しながら、投手陣が崩壊し、3−13の大敗。地元で意気込む岐阜エコデンSCを勢いづけ、自らはリズムを崩すという最悪の展開となり、首位を走るホンダエンジニアリングの連勝をストップさせる好ゲームを見せたかと思えば、5敗中3敗が延長タイブレーカーでの敗戦という「粘り強さ」と「ここ一番での脆さ」が同居。今節6試合すべてで先手を取りながら、5試合で逆転負け。「期待の左腕」田耕児郎、「未完の大器」大塚浩平、打者として今節3本塁打を放つなど、「非凡な才」を見せる森田裕介、この中から「真のエース」が出現しないと、現状の打開は厳しい。「軸になる投手」の出現が待たれる。

 各チームの成績は下記の通りで、第3節は10月21日(金)〜23日(日)の3日間、富山県黒部市で開催される。実質「2節」での短期決戦。試合間隔が空き、それでいて3日間すべてダブルヘッダーでの6連戦という「過密日程」での勝負となる。例年とは異なるスケジュールでの戦い……。ただ、条件はどのチームも変わらない。過酷な連戦を勝ち抜き、最後に笑うのはどのチームか。第3節に注目したい。


■第40回日本男子ソフトボール東日本リーグ
第2節終了時、全チーム成績

1位 ホンダエンジニアリング 5勝1敗
2位 デンソー 4勝2敗
岐阜エコデンSC 4勝2敗
4位 埼玉県庁クラブ 3勝3敗
5位 トヨタ自動車 2勝4敗
YKK 2勝4敗
7位 豊田自動織機 1勝5敗