第7回世界女子ジュニアソフトボール選手権大会
開催地:中国・南京
大会期日:2003年10月12日〜10月20日



決勝トーナメント表 〜第7回世界女子ジュニアソフトボール選手権大会〜







組合わせ

A グループ
日本
中国
オーストラリア
ニュージーランド
チェコ
韓国
フィリピン
 
Bグループ
アメリカ
台湾
カナダ
ロシア
オランダ
アルゼンチン
タイ

予選リーグ日程・結果

予選リーグ
日付 対戦 結果
10月13日(月) 中国 vs フィリピン  
アメリカ vs オランダ  
オーストラリア vs 韓国  
台湾 vs アルゼンチン  
チェコ vs ニュージーランド  
カナダ vs ロシア  
10月14日(火) 台湾 vs タイ  
韓国 vs フィリピン  
アルゼンチン vs アメリカ  
ニュージーランド vs 日本
オランダ vs タイ  
オーストラリア vs チェコ  
ロシア vs 台湾  
日本 vs 韓国
カナダ vs オランダ  
チェコ vs 中国  
10月15日(水) アルゼンチン vs カナダ  
オーストラリア vs 日本
タイ vs アメリカ  
中国 vs ニュージーランド  
ロシア vs アルゼンチン  
オランダ vs 台湾  
フィリピン vs 日本
ニュージーランド vs オーストラリア  
韓国 vs 中国  
カナダ vs アメリカ  
10月16日(木) チェコ vs フィリピン  
ロシア vs タイ  
ニュージーランド vs 韓国  
アルゼンチン vs オランダ  
タイ vs カナダ  
アメリカ vs 台湾  
フィリピン vs オーストラリア  
日本 vs 中国
10月17日(金) 韓国 vs チェコ  
オランダ vs ロシア  
フィリピン vs ニュージーランド  
タイ vs アルゼンチン  
日本 vs チェコ
アメリカ vs ロシア  
台湾 vs カナダ  
中国 vs オーストラリア  






第2日 予選リーグ第1戦(10月14日/火) 11時試合開始

(第1試合)
  1 2 3 4 5 6 7
 ニュージーランド 0 0 1 0 0 0   1
 日  本 1 0 4 0 0 3X   8
6回コールド (日本)○伊藤(4回)、山さき(2回)−池田(4回)、佐次田(2回)
・三塁打 島袋、小幡、坂本
・二塁打 狩野、黒川

▲先制打を放つ狩野

▲選手に指示を送る渡辺監督

 日本にとっての“初日”となった大会第2日、スタジアムIIの第2試合でニュージーランドと対戦した。
 この試合の焦点は、ニュージーランドの関係者が「リサ・フェルナンデス並みの逸材」と期待を寄せるミッシェル・キンギを日本打線がどう攻略するかにあったが、ニュージーランドはエースの先発を回避。前日の開幕戦に登板したためか、あるいは決勝トーナメントでの日本との対戦を考えてのことか不明だが、この時点で「勝負あった」といっても過言ではなかった。
 日本は初回、先発・伊藤が立ち上がりを無難に乗り切ると、その裏、すかさず打線が援護。先頭打者・本田がセンター前ヒットで突破口を開き、2番・増山が手堅く送って一死二塁とすると、3番・狩野がしぶとくレフト前に先制のタイムリー。あっさり先取点を挙げた。
 3回、伊藤がニュージーランド打線に3本の長短打を浴びて一度は同点に追いつかれたが、その裏すぐに突き放す。この回先頭の9番・池田が三・遊間深くに転がる打球を放ち、一塁へ執念のヘッドスライディング。気合いで相手遊撃手の失策を誘い、無死二塁のチャンスをつかんだ。一死後、2番・増山が絶妙のセーフティーバントで一・三塁とチャンスを広げ、すかさず盗塁。3番・狩野が三塁線を鋭く破る二塁打を放ち、2点を勝ち越した。さらに二死後、5番・島袋、6番・小幡が連続三塁打。この回一挙4点を挙げ、一気に試合の流れを引き寄せた。
 さらに6回には、一死から1番・本田がセンター前ヒット。2番・増山もサード強襲安打で続き、3番・狩野のセカンドゴロで二死二・三塁とした後、4番・坂本がライト線を痛烈に破る走者一掃の三塁打。さらに代打・鈴木がセンター前に弾き返し、コールドとなる8点目を叩き出した。
 守っては、伊藤、山
さきの投手リレーでニュージーランド打線を3回の1点のみに封じ、余裕の試合運びで完勝した。

 






第2日 予選リーグ第2戦 (10月14日/火) 15時試合開始

(第2試合)

  1 2 3 4 5 6 7
 韓  国 0 0 0 0 0     0
 日  本 2 3 6 0 X     11
5回コールド (日本)○坂本(3回)、岩井(2回)−鹿島(3回)、池田(2回)
・三塁打 本田(2)
・二塁打 黒川

▲プレイボール!

▲坂本が先発。

 すでに2敗を喫して元気のない韓国とは、勢いも実力もすべてに大きな差があった。
 日本は先発・坂本が韓国打線を簡単に三者凡退に退け、上々の立ち上がり。その裏、打線もすぐにそれに応え、1番・本田が左中間を深々と破る三塁打。2番・増山が四球で歩き、一・三塁とすると、3番・狩野がキッチリと中犠飛を打ち上げ、1点を先制。この本塁送球の間に増山が一気に三塁へ進み、この試合スタメン4番・ライトに起用された山
さきが痛烈なセンター前ヒット。この回2点を先制した。
 続く2回には、一死から9番・坂本が死球で出塁。1番・本田が再び左中間を破る三塁打を放ち、1点を追加。2番・増山が四球を選び、すかさず盗塁で二・三塁とチャンスを広げ、3番・狩野がまたしてもセンターへ犠牲フライ。初回のリプレイを見るような攻撃で2点目を挙げ、4番・山
さきがレフト前にタイムリー。この回3点を追加した。
 3回には、6番・鈴木、7番・黒川の連続四球で無死一・二塁とし、8番・大内田のセンター前ヒットでまず1点。9番・坂本の四球で満塁とし、1番・本田がライト前に2点タイムリー。なお無死二・三塁と攻め立て、2番・増山のレフト前ヒットでさらに2点を追加。3番・狩野、途中から4番に入った藤野の内野ゴロの間に増山もホームを踏み、この回大量6点を加え、試合を決めた。
 守っては、坂本、岩井の投手リレーで韓国打線をパーフェクトに抑え、2勝目を挙げた。








第3日 予選リーグ第3戦(10月15日/水) 9時試合開始

(第3試合)

  1 2 3 4 5 6 7
 日  本 0 0 0 2 0 0 0 2
 オーストラリア 0 0 0 0 0 0 0 0
(日本)○山さき−佐次田
・二塁打 狩野

▲オーストラリア戦、狩野が2点目
のホームを踏み、ベンチに迎えられる

▲オーストラリアを完封した山

 この日の日本は昨日に引き続き、ダブルヘッダー。9時からの第1試合で、ここまで韓国を7−0、チェコを4−2で下し、日本と同じ2戦2勝と好調なオーストラリアと対戦した。
 日本はオーストラリアのエース・JOCELYN McCALLUMに、立ち上がりから8連続三振を奪われ、9番・藤野のセカンドフライでようやく連続三振だけはストップしたが、3回まで一人の走者も出すことができず、完全に抑え込まれていた。
 一方、日本の先発・山
さきは、初回、2回は二死二塁、3回は無死二塁と得点圏に走者を背負う苦しいピッチング。しかし、オーストラリアの二度の送りバント失敗にも助けられ、何とか序盤3回を無得点で切り抜けた。
 試合が動いたのは4回、日本は一死から2番・増山がファウルで粘り、15球目を三・遊間突破安打。この粘りが試合の流れを変え、3番・狩野が痛烈に右中間を破る二塁打で続き、一死二・三塁。期待の4番・坂本が三振に倒れ、チャンスを潰したかに見えたが、5番・島袋への初球がまさかのワイルドピッチ。思いも寄らぬ形で先取点が転がり込んだ。これに気落ちしたのか、島袋は結局四球。二死一・三塁とすると、6番・大内田の初球にダブルスチールを敢行。相手守備陣のミスを誘い、貴重な追加点。この回2点を挙げ、試合の主導権を握った。
 オーストラリアも必死の反撃を試みるが、尻上がりに調子を上げた山
さきが4回以降はすべて三者凡退に退け、最後まで得点を許さず完封勝利を収めた。
 日本はこれで快調に3連勝! 当面のライバルに快勝し、予選リーグ1位通過が見えてきた。








第3日 予選リーグ第4戦 (10月15日/水) 15時30分試合開始

(第4試合)

  1 2 3 4 5 6 7
 日  本 2 0 3 3 0 2   10
 フィリピン 0 0 2 0 0 0   2
6回コールド
(日本)○伊藤(3回)、坂本(1回)、岩井(2回)−鹿島(3回)、池田(3回)
・三塁打 本田、増山
・二塁打 増山、坂本、大内田

▲フィリピン戦前の選手紹介

▲2点目となるタイムリーを放った坂本

 ここまで3連勝の日本に死角はなく、実力的には“格下”のフィリピンが相手とあって楽勝が予想された。しかし、終わってみればコールドゲームではあったが、内容的にはピリッとしない試合だった。
 日本は初回、一死から2番・増山がサード強襲の二塁打。続く狩野のレフト前ヒットで一・三塁とし、ワイルドピッチで労せずして先取点。さらに4番・坂本のセンター前ヒットで二塁から狩野が生還。この回2点を挙げ、早くも楽勝ムードが漂った。
 しかし、先発・伊藤が立ち上がりから不安定。2回には4番、5番に連打を許し、無死一・二塁のピンチを招き、この回は味方守備陣の好守に助けられ、何とかピンチを切り抜けたが、さらに3点の援護をもらい5点リードで楽に投げられるはずの3回には、3安打を浴びて満塁のピンチを招くと、ワイルドピッチでまず1点を献上。次打者の内野ゴロの間にさらに1点を失い、この回2失点でマウンドを降りた。
 日本は4回、1番・本田、2番・増山の連続三塁打などですぐに3点を追加し、6回にも敵失と4番・坂本の二塁打などで2点を加え、終わってみれば11安打10得点。投手陣も4回以降は坂本、岩井の継投でフィリピン打線をノーヒットに抑え、6回コールド勝ちを収めたのだから何の不満もないはずだが……。エース格として期待される伊藤だけに開幕戦、この試合のピッチング内容が気にかかる。キャプテンの黒川、ファーストの小幡、そしてこの伊藤の3人は学年でいえば最年長。それだけにチームのまとめ役として、エースとして、「自分がやらなければ……」という思いがヒシヒシと伝わってくる。いつもの距離とは違う12.19mの投・捕間の距離が伊藤の武器であるドロップの使い方を難しくさせ、プレッシャーに拍車がかかる。しかし、明日の中国戦を含め、強豪相手の連戦となる決勝トーナメントを考えれば、日本の優勝のためにはやはり伊藤の復調がカギになる。
 明日は予選リーグ最大の山場となる中国戦。連日、中国戦は超満員の大観衆がスタジアム を埋め尽くし、一種異様な雰囲気を作り出している。鳴り響く太鼓の音、試合展開に関係なく絶叫する観客……完全アウェーの雰囲気で日本は戦うことになる。








第4日 予選リーグ第5戦(10月16日/木) 19時試合開始

(第5試合)

  1 2 3 4 5 6 7
 中  国 0 0 0 0 0     0
 日  本 0 0 4 0 3X     7
5回コールド (日本)○坂本(5回)−鹿島
・三塁打 黒川
・二塁打 狩野

▲中国打線を1安打に抑え込んだ坂本

▲日本が誇る1・2番コンビ
(左・増山、右・本田)

 スタジアムに一歩足を踏み入れると、鳥肌が立った。スタンドはもちろん超満員、立錐の余地もなく、スタンドに入りきれなかった観客は、スタジアムのレフト後方の丘陵に列を連ねる。人また人……。大会の視察に訪れた日本女子ナショナルチーム・宇津木妙子監督でさえ、「こんな雰囲気……オリンピックでも経験したことがない」と絶句するほど、中国の応援一色に染まったスタンドは異様なほどの盛り上がりを見せていた。
 中国選手団がプレイングフィールドに姿を現すと、スタンドのボルテージは最高潮に達し、中国選手団の士気を鼓舞する歌の大合唱がはじまった。怒号のような歌声が、絶叫のような歓声が、スタジアム中を支配し、うねりとなって日本選手団に浴びせられる。“アウェー”という言葉の意味を初めて思い知らされた。
 予選リーグA・POOLの最大の山場、ここまで4戦全勝同士の対決は、日本の後攻ではじまり、渡辺監督は坂本、鹿島の高校生バッテリーをこの大一番に送り出した。
 嵐のような歓声、止むことのない喧噪にも、この若いバッテリーはまったく動じる様子はない。先頭打者をショートゴロ、2番打者をファーストゴロ、3番打者を三振に打ち取り、立ち上がりを無難にまとめると、ここから“奪三振ショー”がはじまった。2回は4番、5番、6番を三者連続三振。3回も7番、8番を連続三振に切って取り、実に6連続奪三振。9番打者に初ヒットを許し、連続三振はストップしたが、十分過ぎる立ち上がりで意気込む中国の出鼻をくじいた。
 高校生がこれだけのピッチングを見せては打線も黙ってはいられない。3回裏、この回先頭の7番・黒川が気合いで中前に弾き返し、突破口を開く。8番・山
さきの投ゴロで走者が入れ替わった後、9番・藤野がキッチリと犠打で送り、二死ながら走者をスコアリングポジションに進めた。1番・本田が四球で歩き、2番・増山のプッシュバントが内野安打となって二死満塁とチャンスを広げ、3番・狩野が二・遊間をゴロで抜けるタイムリー。三塁走者、二塁走者に続き、一塁走者の増山までもが俊足を飛ばして一気にホームイン。満員のスタンドを黙らせる“スーパープレイ”で一挙3点を先制した。なお二死二塁とチャンスは続き、すかさず狩野が三盗。浮き足立つ中国守備陣を尻目に、4番・坂本が力でレフト前に運び、4点目を挙げた。
 5回には、1番・本田がレフト前ヒット。2番・増山の送りバントが犠打失策となり、無死一・三塁。さらに盗塁で二・三塁とすると、3番・狩野が左中間へ二塁打。2点を追加し、4番・坂本が手堅く送った後、5番・島袋がキッチリと中犠飛を打ち上げ、コールドとなる7点目を挙げた。
 注目の全勝対決も終わって見れば5回コールド勝ち。5連勝で予選リーグA・POOLの1位通過がほぼ決定した。完全アウェーをものともしない精神力。“ここぞ”という場面での集中力の高さ。渡辺監督の緻密な戦略とそれに応える選手たち。個々の能力の高さと確かな技術に裏打ちされた自信。日本の底知れぬ強さを改めて感じた一戦だった。








第5日 予選リーグ第6戦(10月17日/金) 13時試合開始

10月17日(金)/予選リーグ
(第6試合)

  1 2 3 4 5 6 7
 チェコ 0 0 0 0       0
 日  本 11 0 0 4X       15
4回コールド (日本)○山さき(1回)、岩井(3回)−池田
・三塁打 本田

▲選手の試合前の表情も明るい

▲リリーフで好投した岩井

 昨日の中国戦の勝利で予選リーグPOOL・Aの1位通過を決めた日本の勢いは、この日も止まることはなく、初回から打線が爆発。1番・本田の左中間を深々と破る三塁打を皮切りに、何と11安打を集中し、11得点。初回であっさり勝負を決めてしまった。2回、3回はひと休みしたものの、4回にはコールド勝ちに必要な4点をキッチリと挙げ、18安打15得点の猛攻でチェコを一蹴した。
 この日で予選リーグは全日程を終了。日本は6戦全勝で予選リーグPOOL・Aを1位で通過。以下、5勝1敗のオーストラリアが2位、4勝2敗の中国が3位、3勝3敗のニュージーランドが4位という結果となった。
 予選リーグPOOL・Bは、アメリカが6戦全勝の1位、2位にはカナダ、台湾、ロシアが4勝2敗で並んだが、大会規定により2位がカナダ、3位が台湾、4位がロシアという結果となった(3チームが同率で並んだ場合、(1)同率チーム同士のゲームにおける敗数で順位を決める。(2)同率チーム同士のゲームの対戦結果で順位を決める。勝者は敗者の上位になる。(3)同率チーム同士のゲームにおける失点の総数で順位を決める。失点の最も少ないチームが上位となる。(4)予選リーグの全試合の総失点で順位を決める。失点の最も少ないチームが上位となる。(5)それでも優劣がつかない場合には抽選を行う。以上のように大会規定には定められており、これを(1)から順に当てはめ、順位を決定することになる。今回のケースでは、カナダは台湾に1−0で勝利しているが、ロシアには0−1で敗れている。ロシアはカナダに1−0で勝利しているが、台湾には1−3で敗れている。台湾はロシアに3−1で勝利しているが、カナダには0−1で敗れている。といった状況のため、(1)〜(2)では決まらず、(3)の同率チーム同士のゲームにおける失点の総数で順位が決定され、カナダ1、台湾2、ロシア3の順となり、それぞれ2位、3位、4位が決定した)。
 18日(土)からはじまる決勝トーナメントの組み合わせは、中国対ロシア(14時試合開始)、台湾対ニュージーランド(16時試合開始)、日本対カナダ(18時試合開始)、アメリカ対オーストラリア(20時試合開始)となった。日本はまずカナダに勝ってメダルを確定させ、最大のライバル・アメリカを破り、大会史上初の連覇を成し遂げたいところだ。優勝まで最短で3試合。大会はいよいよクライマックスを迎える。






予選リーグ星取表

Group A
  日本 中国 オーストラリア ニュージー
ランド
チェコ 韓国 フィリピン 順位
日本 ○ 7 - 0 ○ 2 - 0 ○ 8 - 1 ○ 15 - 0 ○ 11 - 0 ○ 10 - 2 6 0 1
中国 ● 0 - 7 ● 0 - 1 ○ 7 - 0 ○ 11 - 1 ○ 17 - 0 ○ 7 - 0 4 2 3
オーストラリア ● 0 - 2 ○ 1 - 0 ○ 2 - 0 ○ 4 - 2 ○ 7 - 0 ○ 4 - 1 5 1 2
ニュージーランド ● 1 - 8 ● 0 - 7 ● 0 - 2 ○ 6 - 1 ○ 8 - 0 ○ 1 - 0 3 3 4
チェコ ● 0 - 15 ● 1 - 11 ● 2 - 4 ● 1 - 6 ○ 10 - 1 ● 0 - 2 1 5 6
韓国 ● 0 - 11 ● 0 - 17 ● 0 - 7 ● 0 - 8 ● 1 - 10 ● 0 - 7 0 6 7
フィリピン ● 2 - 10 ● 0 - 7 ● 1 - 4 ● 0 - 1 ○ 2 - 0 ○ 7 - 0 2 4 5
Group B
  アメリカ 台湾 カナダ ロシア オランダ アルゼンチン タイ 順位
アメリカ ○ 6 - 1 ○ 6 - 0 ○ 10 - 0 ○ 8 - 1 ○ 7 - 0 ○ 20 - 0 6 0 1
台湾 ● 1 - 6 ● 0 - 1 ○ 3 - 1 ○ 1 - 0 ○ 9 - 5 ○ 10 - 0 4 2 3
カナダ ● 0 - 6 ○ 1 - 0 ● 0 - 1 ○ 8 - 1 ○ 4 - 1 ○ 17 - 0 4 2 2
ロシア ● 0 - 10 ● 1 - 3 ○ 1 - 0 ○ 5 - 0 ○ 5 - 4 ○ 1 - 0 4 2 4
オランダ ● 1 - 8 ● 0 - 1 ● 1 - 8 ● 0 - 5 ○ 4 - 3 ○ 8 - 0 2 4 5
アルゼンチン ● 0 - 7 ● 5 - 9 ● 1 - 4 ● 4 - 5 ● 3 - 4 ○ 7 - 0 1 5 6
タイ ● 0 - 20 ● 0 - 10 ● 0 - 17 ● 0 - 1 ● 0 - 8 ● 0 - 7 0 6 7
Group B の2〜4位の決定は同率チーム同士のゲームにおける失点の総数で決定
(カナダ1・台湾2・ロシア3)







決勝トーナメント日程・結果

決勝トーナメント
日付 対戦 結果
10月18日(土) A3位
中国
vs B4位
ロシア
 
B3位
台湾
vs A4位
ニュージーランド
 
A1位
日本
vs B2位
カナダ
B1位
アメリカ
vs A2位
オーストラリア
 
10月19日(日) C3の敗者
カナダ
vs C1の勝者
中国
 
C4の敗者
オーストラリア
vs C2の勝者
台湾
 
C3の勝者
日本
vs C4の勝者
アメリカ
C5の勝者
中国
vs C6の勝者
オーストラリア
 
10月20日(月) C8の勝者
オーストラリア
vs C7の敗者
アメリカ
 
C9の勝者
アメリカ
vs C7の勝者
日本






第6日 決勝トーナメント1位・2位戦(10月18日/土) 18時試合開始

10月18日(土)/決勝トーナメント
(第7試合)

  1 2 3 4 5 6 7
 日 本 2 1 1 0 1 0 1 6
 カナダ 0 0 2 0 0 0 0 2

(日本)坂本(7回)−鹿島
・本塁打 本田
・三塁打 坂本
・二塁打 藤野、池田

▲2回、3点目となるタイムリーを
放った大内田

▲5回、ランニングホームランを
放った本田

 今日から決勝トーナメントがはじまり、第1試合では中国がロシアを5−0で破り、第2試合では台湾がニュージーランドを3−1の逆転勝ち。ロシア、ニュージーランドはトーナメントから姿を消し、中国、台湾がサバイバルレースに生き残った。
 日本の初戦の相手は予選リーグPOOL・B2位のカナダ。大会前の練習試合で8−0のコールド勝ちと大勝している相手だけに、それが油断につながらなければよいが……と一抹の不安も覚えたが、それは杞憂に終わった。
 日本は初回から鮮やかな先制攻撃を見せ、1番・本田が敵失で出塁すると、2番・増山がバントシフトで一塁ベースカバーに急ぐセカンドの動きの逆を突いてセンター前ヒット。無死一・二塁とチャンスを広げた。続く3番・狩野の当たりは運悪くセカンド正面となり、ダブルプレー。一瞬にしてチャンスは費えたかに見えた。しかし、4番・坂本が一塁線を鋭く破る三塁打を放ち、三塁走者・本田が生還。1点を先制し、なお二死三塁と攻め立て、2番・島袋が意表を突くセーフティーバント。さらに1点を追加し、試合の主導権を握った。
 勢いに乗る日本は続く2回、二死から8番・藤野が左中間フェンス直撃の二塁打。続く9番・大内田が二・遊間を破るタイムリーを放ち、効率のよい攻めで1点を追加した。
 3回には、2番・増山がショート内野安打で出塁すると、盗塁とパスボールで無死三塁とし、3番・狩野がライト前にタイムリー。この回も1点を加え、着々とリードを広げた。 一方、カナダもその裏、ここまで上々の立ち上がりを見せていた坂本をとらえ、一死から9番打者がバントヒットで出塁。二死後、2番打者のライト前ヒットで一塁走者が一気に三塁を狙い、ライト・藤野からの好返球で三塁タッチアウトと思われたが、サード・黒川がこれを落球。二死二・三塁と走者を残した。何となく嫌なムードのまま、坂本が投じた初球を3番打者がセンター前に弾き返し、二者生還。2点差に詰め寄られた。
 追い上げられた日本は4回、7番・鈴木、8番・藤野がいい当たりを連発するが、カナダのライト、センターがこれをスーパーキャッチ。今大会はじめて嫌なムードが漂いはじめた。
 しかし、この嫌な流れをまずは守備で断ち切る。坂本、鹿島の高校生バッテリーは、この回からチェンジアップを多めに配する組み立てに切り替え、意気上がるカナダ打線を三者凡退に切って取る。
 これに打線も応え、5回、もう一人の高校生・本田がライトへランニングホームランを放ってカナダを突き放し、7回にも足を使った攻撃で1点を追加。このリードを坂本が12三振を奪う力投で守り切り、まずは初戦を突破した。
 第4試合では、アメリカがオーストラリアを相手に3本のホームランを放ち、4−0と圧倒。日本との対戦が決定した。
 19日(日)の組み合わせは、第1試合/中国対カナダ(14時試合開始)、第2試合/台湾対オーストラリア(16時試合開始)、第3試合/日本対アメリカ(18時試合開始)となり、日本対アメリカの勝者は翌日のゴールドメダルゲーム(ファイナル)進出が決まり、負ければ敗者復活戦となるブロンズメダルゲーム(セミファイナル)に回ることになる。また、中国対カナダ、台湾対オーストラリアの勝者が第4試合でぶつかり(20時試合開始)、勝者はブロンズメダルゲームへ駒を進め、日本対アメリカの敗者とぶつかることになる。







第7日 決勝トーナメント2回戦(10月19日/日) 18時試合開始

10月19日(日)/決勝トーナメント
(第8試合)

  1 2 3 4 5 6 7
 日  本 0 0 0 0 2 0 0 2
 アメリカ 0 0 0 0 1 0 0 1

(日本)○山
さき(7回)−佐次田
・本塁打 山
さき

▲日本は山さきが先発し、
アメリカ打線を封じた

▲5回、8番・山さきが先制本塁打を放つ

 今日の第1試合では熱狂的な大応援団の声援に後押しされた中国が、2回に敵失で得た1点を最後まで守り切り、カナダを1−0で振り切り、第2試合ではオーストラリアが本塁打一発で台湾を沈め、第4試合でブロンズメダルゲーム進出をかけ、ぶつかることになった。
 日本は前日の1位・2位戦の勝者同士であるアメリカと激突。この試合に勝てば、一足先にゴールドメダルゲームへの進出が決まり、敗れればブロンズメダルゲームへ回り、中国対オーストラリアの勝者と対戦。それに勝たなければゴールドメダルゲームへの道は閉ざされてしまう。ストレートに勝ちにいってゴールドメダルゲームで待ち受ける形を狙うのか、それともこの試合はある程度手の内を隠して戦うのか、水面下で微妙な駆け引きを行いながら、最大のライバル・アメリカとの第1ラウンドがはじまった。
 アメリカは前日のオーストラリア戦を完封した大型左腕のアボットを、ローテーションを重視するアメリカとしては珍しく連投で起用。日本の得点源である1〜3番の左打者を封じにきた。
 そのアボットは威力のあるライズと左腕独特のスライダーを武器に、日本の対アメリカ用に組み替えた打線をものともせず、1番・増山、2番・狩野、3番・本田を三者三振に切って取り、最高の立ち上がりを見せた。
 一方、日本は山
さきが先発。立ち上がり二死一・二塁のピンチを招いたが、ここを切り抜けると、2回以降は丁寧なピッチングで強打のアメリカを4回まで無得点に抑え、味方打線の援護を待った。
 しかし、日本打線もアボットを打ちあぐみ、4回まで9三振を奪われ、安打は5番・島袋のプッシュバントがセカンドの頭上を越すポテンヒットとなった1本のみ。5回も連続三振で簡単に二死となり、7番・藤野も平凡なセカンドフライ。この回も無得点と思われたそのとき、セカンドがまさかの落球。これが“ドラマ”の幕開けだった。
 ここで8番・山
さきが打席に入る。知る人ぞ知る「日本チーム一の飛ばし屋」。粗さもあるがツボにはまったときの飛距離は群を抜く。あれだけ「振れる」日本人選手にはお目にかかったことがない。渡辺監督は「もしかしたら……あるかも」と捕手の佐次田をDEFOに回し、その一発長打の可能性に賭けてピッチャーながら8番に置いた。その予感が的中するのである。2球続けて高目のライズを空振り。まだこの時点でも“ドラマ”の予感はない。しかし、直後の3球目、突然“ドラマ”が訪れた。高目のボールに外すはずのライズが中途半端な高さとなったところを山さきが強振。打球は一直線にライトスタンドへ飛び込み、パワーヒッター揃いのアメリカの度肝を抜く一発で日本が2点を先制した。
 アメリカもその裏、すぐさま反撃。この回先頭の7番・ドッドがレフト前ヒットで出塁すると次打者が手堅く送り、一死二塁。代打・ギルモアが三振に倒れて二死となったが、1番・ローウェーがレフト前にタイムリー。1点差に詰め寄った。
 その後もアメリカは必死の反撃を試みるが、6回、7回と山
さきの冷静なピッチングの前に三者凡退に抑えられ、第1ラウンドは日本が先勝。一足先にゴールドメダルゲーム進出を決め、銀メダル以上が確定した。
 第4試合では、オーストラリアが中国を4−0と圧倒。ブロンズメダルゲームでアメリカと対戦することになった。
 大会もいよいよ最終日。まず11時からのブロンズメダルゲームでアメリカとオーストラリアが対戦し、その勝者とゴールドメダルゲームで待ち受ける日本とが対戦することになる。大会史上初の連覇に王手をかけた日本。4度目の世界一はもうすぐそこまで近づいている。







第8日 決勝トーナメント・ゴールドメダルゲーム(10月20日/月) 13時30分試合開始

10月20日(月)/決勝トーナメント
(決勝)

  1 2 3 4 5 6 7 8
 日  本 0 1 0 0 1 0 0 1 3
 アメリカ 0 2 0 0 0 0 0 0 2

(日本)山
さき(2回)、○坂本(6回)−佐次田、鹿島
・二塁打 増山

▲決勝打を放った増山。
今大会6割1分5厘と打ちまくった


▲2大会連続の完全優勝!
無敗のまま頂点へ!!


 大会もいよいよ最終日。この日の第1試合、ブロンズメダルゲームでまずアメリカとオーストラリアが対戦。アメリカが1本塁打を含む9安打で7点を挙げ、6回コールドで圧勝。アメリカがゴールドメダルゲームに駒を進め、オーストラリアの3位が決定した。
 前日の再戦となった日本対アメリカは、前日と同じく日本が先攻、先発もアメリカが大型左腕のアボット、日本が打って投げての一人舞台を演じた山
さきとまったく同じ顔合わせ。ベンチだけ一塁側と三塁側が入れ替わり、試合がはじまった。
 前日は息詰まる投手戦演じた両投手だが、連投の疲れか、本来の球威、ボールのキレがなく、2回に早くも試合が動いた。
 日本はこの回、4番・坂本が四球で出塁。続く5番・島袋のプッシュバントが一塁手の失策を誘い、6番・藤野が送りバント。一死二・三塁の絶好機を迎えた。ここで7番・小幡が詰まりながらもセンター前に運び、まず1点を先制。さらに一死一・三塁と追加点を奪うチャンスが続いたが、8番・山
さきの2球目に一塁走者・小幡が離塁アウト。結局、山さきも三振に倒れ、嫌な形でチャンスを逃した。
 その裏、アメリカもすかさず反撃。一死から5番・ドッド、6番・ウイリアムスが相次いで三・遊間を破る。7番・デュランが手堅く送り、二死二・三塁。8番・レガスピの三・遊間奥深くへの打球を、ショート・狩野がよく追いついたがグラブに当ててはじき(記録は失策)、同点に追いつかれた。さらに9番・リネハートがライト線へ二塁打。あっさり逆転を許し、なお二死二・三塁と一歩間違えばビッグイニングになりかねないピンチが続く。ここで日本は1番・ローウェーを故意四球で一塁に歩かせ、2番・ディクソンと勝負。開き直った山
さきが三塁ゴロに打ち取り、絶体絶命のピンチを脱した。
 日本は3回から坂本、鹿島の高校生バッテリーにスイッチ。いきなり二死一・三塁のピンチを招いたが落ち着いて後続を断ち、4回も二死二塁とスコアリングポジションに走者を進められたが何とかこれも切り抜け、我慢のピッチングで味方打線の援護を待った。
 5回、日本打線がこれに応える。一死から8番・山
さきが死球で出塁すると、9番・黒川が確実に送り、当たっている1番・増山がレフト前ヒット。この打球の処理を焦ったレフトがファンブルする間に二塁走者・山さきが同点のホームイン。試合を振り出しに戻した。
 こうなると試合は日本ペース。坂本が尻上がりに調子を上げ、アメリカ打線に得点を許さず、2−2の同点のまま、試合は延長タイブレーカーに突入した。
 日本は8回、タイブレーカーの走者を二塁に置き、9番・黒川が送りバント。これがピッチャーへの小飛球となり、万事休すと思った瞬間、ピッチャーがまさかの落球。無死一・二塁となり、迎えるバッターは1番・増山。今大会当たりに当たっている増山が痛烈なピッチャー返し。打球はピッチャーの足下を抜け、二塁走者が一気に生還。1点を勝ち越した。
 アメリカはその裏、タイブレーカーの走者を犠打で三塁へ進め、5番・ドッドが火の出るような当たりをレフト線へ放つ。レフト・本田が好捕したがタッチアップには十分な飛距離。同点を覚悟したが……三塁走者はなぜか動かず。命拾いした日本は、坂本が最後の力を振り絞って6番・ウイリアムスをセカンドゴロに打ち取り、ゲームセット。大会史上初の連覇を達成した。日本は前回大会に続く完全優勝。無敗のまま世界一の座まで登り詰めた。





 


平成16年度 日本女子ジュニア代表チーム
及び
第7回世界女子ジュニアソフトボール選手権大会代表選手名簿

選手
No. ポジション 氏名 所属先
1 投手 伊藤 美幸 太陽誘電
2 投手 坂本 直子 星野高校
3 投手 岩井 教江 ホンダ栃木
4 投手 山崎 萌 日立ソフトウエア
5 捕手 鹿島 唯 星野高校
6 捕手 佐次田 一美 カネボウ化粧品小田原
7 捕手 池田 愛美 戸田中央総合病院
8 内野手 黒川 春華 日立&ルネサス高崎
9 内野手 小幡 麻由 日本体育大学
10 内野手 大内田 歩 豊田自動織機
11 内野手 島袋 優美 日立&ルネサス高崎
12 内野手 鈴木 紅美 日本体育大学
13 内野手 狩野 亜由美 豊田自動織機
14 外野手 喜村 留美子 日立&ルネサス高崎
15 外野手 藤野 遙香 トヨタ自動車
16 外野手 本田 小百合 星野高校
17 外野手 増山 由梨 デンソー