第7回世界男子ジュニア選手権大会
開催地:カナダ・プリンスエドワード島
大会期日:2005年6月24日〜7月3日

 公式ホームページ http://www.2005worldsoftball.com/



最 終 順 位
優勝
オーストラリア
準優勝
日本
3位
カナダ
4位
ニュージーランド




 出場国
 日本
 アルゼンチン
 オーストラリア
 カナダ
 チェコ
 デンマーク
 メキシコ
 ニュージーランド
 アメリカ

日程&組合せ

予選リーグ予選リーグ
日付
対戦
結果
6月24日(金)
オーストラリア
vs
メキシコ  
日  本
vs
デンマーク
結果
ニュージーランド
vs
アルゼンチン  
アメリカ
vs
チェコ  
カナダ
vs
メキシコ  
6月25日(土)
アメリカ
vs
オーストラリア
メキシコ
vs
デンマーク
カナダ
vs
アルゼンチン
ニュージーランド
vs
チェコ
6月26日(日)
アルゼンチン
vs
メキシコ
オーストラリア
vs
チェコ
アメリカ
vs
ニューシ−ランド
オーストラリア
vs
アルゼンチン
カナダ
vs
日  本
結果
6月27日(月)
チェコ
vs
日  本
結果
ニュージーランド
vs
デンマーク
アメリカ
vs
アルゼンチン
カナダ
vs
チェコ
日  本
vs
メキシコ
結果
6月28日(火)
ニュージーランド
vs
メキシコ
チェコ
vs
デンマーク
オーストラリア vs 日  本
結果
カナダ
vs
アメリカ

6月29日(水)

アメリカ
vs
デンマーク  
メキシコ
vs
チェコ  
日  本
vs
アルゼンチン
結果
ニュージーランド
vs
オーストラリア  
カナダ
vs
デンマーク  
6月30日(木) デンマーク
vs
アルゼンチン  
日  本
vs
ニュージーランド
結果
アメリカ
vs
メキシコ  
カナダ
vs
オーストラリア  
7月1日(金) アメリカ
vs
日  本
結果
アルゼンチン
vs
チェコ  
オーストラリア
vs
デンマーク  
カナダ
vs
ニュージーランド  
7月2日(土) ニュージーランド
vs
カナダ
オーストラリア
vs
日  本
結果
7月3日(日)
ブロンズメダルゲーム
カナダ
vs
日  本
結果
ゴールドメダルゲーム
オーストラリア
vs
日  本
結果







大会第1
日(6月24日/金):予選リーグ第1戦

  1 2 3 4
 日  本 5 7 1 2 15
 デンマーク 0 0 0 0 0
※大会規定により得点差コールドゲーム
(日)○高橋(2回)・松田(1回)・濱口(1回)−川村(3回1/3)・根上(2/3回)
〔本塁打〕下戸、筒井〔二塁打〕東

▲初回、勝負を決めるスリーランを放った下戸
▲4第1戦の先発を任された高橋
 いよいよ第7回世界男子ジュニア選手権大会が開幕。大会初日、日本はこの日の第2試合でデンマークと対戦した。
  先攻の日本は初回、1番・堀田がいきなりセンター前ヒットで出塁すると、パスボールと2番・澤田の送りバントで一死三塁の先制機をつかみ、ワイルドピッチで労せずして1点を先取。四球、内野ゴロ、パスボールで二死三塁となった後、5番・伊藤がレフト前に力で運ぶポテンヒット。さらに6番・青山のライト前ヒットで一・三塁とし、すかさず盗塁で揺さぶり、7番・下戸が右中間へスリーラン。初回で勝負を決めると、2回表には長短6安打を集中して7点を追加。3回表には4番・筒井の左中間へのランニングホームランで1点を加え、4回表には相手守備の乱れと3番・東のタイムリーで2点を追加。16安打・15得点の猛攻を見せた。
  守っては、高橋、松田、濱口と小刻みにつなぐ投手リレーでデンマーク打線を寄せつけず、四球の走者を一人許したのみのノーヒットピッチング。15−0で4回コールド勝ちを収めた。
  大会を直前に控えた最後の強化合宿(5月26日〜29日/高知県春野町)で3番を予定していた笠間弘太選手(トヨタ自動車)が練習中に右足を骨折。戦線離脱を余儀なくされた。主砲・筒井とともに打線の軸となることを期待され、チームのムードメーカーでもあった笠間の離脱はあまりに大きな痛手であったが、選手の入れ替えや補充は行わず、16名の現有戦力で戦う道を選んだ。
  ベンチには持ち主のいなくなった「背番号5」のユニフォームが持ち込まれていた。「笠間の魂とともに戦う」ことを選んだチームが、第1回大会('81年/カナダ・エドモントン)以来遠ざかっている「世界一」の座へ向けて、確かな一歩を踏み出した。


予選リーグ第1戦(デンマーク戦)スターティングラインアップ

  ポジション 選手名  
1番
 ショート
堀田 哲史
日本体育大
2番
 ライト
澤田 優生
国士舘大
3番
 セカンド
東   繁
福岡大
4番
 サード
筒井 拓友
日本体育大
5番
 ファースト
伊藤 皓二
岡豊高
6番
 DP
青山 紀彦
早稲田大
7番
 レフト
下戸 成之
豊田自動織機
8番
 キャッチャー
川村 真司
立命館大
9番
 センター
北岡 大輔
トヨタ自動車
DEFO
(ピッチャー)
高橋 速水
岡豊高

※※選手交代
3回裏 高橋OUT→松田  光(京都産業大)IN
     堀田OUT→桑子 恵介(同志社大)IN
     桑子がライトへ入り、ライトの澤田がセカンド、セカンドの東がショート

4回裏 松田OUT→濱口 寿二(岡豊高)IN
     川村OUT→根上 翔平(立命館大)IN







■大会第3日(6月26日/日):予選リーグ第2戦

  1 2 3 4 5 6 7
 日  本 0 0 0 1 0 0 2 3
 カ ナ ダ 0 0 0 0 0 0 0 0
(日本)○高橋−川村
〔本塁打〕筒井



▲主砲・筒井が特大の先制本塁打を放つ
▲エース・高橋が気迫のピッチングでカナダを完封!
 日本は大会初日にデンマークに大勝した後、昨日は試合がなく、大会第3日に優勝候補の一角である地元・カナダと対戦した。日本ではほとんどあり得ない夜8時からのナイトゲーム。昨日も試合がなかっただけにコンディションの調整という面では非常に難しい試合となり、特に立ち上がりが心配された。
  日本の先発は高橋。初回に2番打者にセンター前に運ばれたものの、落ち着いて後続を断ち、無難に試合をスタートさせた。
  一方、日本は初回から毎回走者は出すものの得点に結びつけられずにいたが、4回表、この回先頭の4番・筒井が打った瞬間にホームランとわかる特大の一発を放ち、待望の先取点を挙げると、7回表には相手守備の乱れから二死二塁のチャンスをつかみ、3番・東がしぶとく一・二塁間を破り、貴重な追加点。さらに4番・筒井も一・二塁間を破り、再び一・二塁とすると、5番・伊藤がセンター前にはじき返し、ダメ押しの1点を追加。この回2点を挙げ、勝利を決定づけた。


  守っては、先発・高橋が気迫溢れるピッチングでカナダ打線を封じ、後半は5回裏の無死二塁、6回裏の二死三塁と立て続けにピンチを迎えたが気力で踏ん張り、終わってみればわずか3安打、9三振を奪う力投で完封勝利を収めた。
  日本はこれで2勝目。「エースが抑え、主砲が打つ」という理想的な試合展開で優勝候補の一角・カナダに快勝した。まだまだ大会ははじまったばかりだが、確かな手応えを感じるこの試合内容は、今後へ向けて大きな意味を持つ一勝になりそうだ。


予選リーグ第2戦(カナダ戦)スターティングラインアップ

  ポジション 選手名  
1番
 ショート
堀田 哲史
日本体育大
2番
 ライト
澤田 優生
国士舘大
3番
 セカンド
東   繁
福岡大
4番
 サード
筒井 拓友
日本体育大
5番
 ファースト
伊藤 皓二
岡豊高
6番
 DP
青山 紀彦
早稲田大
7番
 レフト
下戸 成之
豊田自動織機
8番
 キャッチャー
川村 真司
立命館大
9番
 センター
北岡 大輔
トヨタ自動車
DEFO
 (ピッチャー)
高橋 速水
岡豊高

※選手交代なし







■大会第4日
6月27日/月):予選リーグ第3戦

  1 2 3 4 5
 日  本 6 1 0 3 5 15
 チェコ 0 0 2 0 0

2

※大会規定により得点差コールドゲーム
(日)○濱口(2回2/3)・大山(1回1/3)・坂本(1回)−川村
〔三塁打)北岡、伊藤



▲初回、北岡が走者一掃の三塁打を放つ
▲先発・濱口は5三振を奪う力投
  大会4日目、この日の日本はダブルヘッダーが組まれ、まず11時からの第1試合でチェコと対戦した。
  先攻の日本は初回、1番・堀田がライト前ヒットで出塁。2番・澤田の鋭い当たりのショートゴロが失策を誘い、一・三塁とチャンスを広げると、3番・東がセンター前へ先制のタイムリー。続く4番・筒井の四球で満塁とし、5番・伊藤のサードゴロが5−2−3のダブルプレーとなり、チャンスは費えたかに見えたが、6番・青山が四球で歩き、再び満塁とすると、7番・下戸がセンター前にしぶとく運び、2点を追加。8番・川村の四球で三度満塁とすると、9番・北岡が左中間を深々と破る走者一掃の三塁打。初回に大量6点を挙げ、早々と勝負を決めた。日本はその後も攻撃の手を緩めず、2回表に1点、4回表に3点、5回表に5点と着々と加点。12安打15得点の猛攻でチェコを一蹴した。
  守っては、先発・濱口が立ち上がりこそやや硬さが感じられたが、徐々に本来のリズムを取り戻し、3回途中までに5三振を奪う好投。2番手の大山が2点を失いはしたが、最後は坂本が1イニングを無失点で締めくくり、3勝目を挙げた。
  今大会のチェコは、初戦のアメリカ戦で5回まで5−1とリードしながら、6−5の逆転サヨナラ負け。第2戦のニュージーランド戦でも壮烈な打撃戦を演じ、タイブレーカーにもつれ込む死闘の末、8−14で敗れるなど、強豪国と互角に戦いながら、あと一歩のところで勝利を逃していた。その敗戦のショックが尾を引いたのか、昨日のオーストラリア戦、今日の日本戦はまるで「別のチーム」になってしまっていた。



予選リーグ第3戦(チェコ戦)スターティングラインアップ

  ポジション 選手名  
1番
 ショート
堀田 哲史
日本体育大
2番
 ライト
澤田 優生
国士舘大
3番
 セカンド
東   繁
福岡大
4番
 サード
筒井 拓友
日本体育大
5番
 ファースト
伊藤 皓二
岡豊高
6番
 DP
青山 紀彦
早稲田大
7番
 レフト
下戸 成之
豊田自動織機
8番
 キャッチャー
川村 真司
立命館大
9番
 センター
北岡 大輔
トヨタ自動車
 DEFO
(ピッチャー)
濱口 寿二
岡豊高

※選手交代
1回表 堀田OUT→桑子 恵介(同志社大)IN ※代走
1回裏 代走の桑子がライトに入り、ライトの澤田がセカンド。セカンドの東がショート。
3回裏 濱口OUT→大山 達也(西日本シロアリ)IN
5回表 伊藤OUT→根上 翔平(立命館大)IN ※代打
5回裏 大山OUT→坂本 俊行(中京学院大)IN
      根上OUT→伊藤IN ※ファースト・伊藤が再出場。






大会第4日(6月27日/月):予選リーグ第4戦

  1 2 3 4 5 6 7
 メキシコ 0 1 0 0 1 1 0 3
 日  本 1 0 0 1 0 2 x

4

(日)松田(5回)・○濱口(2回)−川村
〔本塁打)筒井A、青山


▲メキシコ戦に先発し、力投した松田
▲青山の決勝ホームランで粘るメキシコを振り切った
  ダブルヘッダーの日本は、この日の最終ゲームでメキシコと対戦。20時開始予定のゲームは、約30分遅れてはじまった。
  日本はこの大会初の後攻となり、先発・松田が先頭打者を失策で出したものの、落ち着いて後続を断ち、無難な滑り出しを見せた。
  日本打線はこの試合も好調。その裏、すぐにチャンスをつかみ、1番・堀田が四球で出塁。次打者の内野ゴロで走者が入れ替わった後、3番・東がライト前に運び、一・三塁。続く4番・筒井が高いバウンドのショート内野安打を放ち、三塁走者が生還。あっさり先取点を挙げた。
  しかし、メキシコも負けてはいない。2回表、この回先頭の5番・バレッラの三塁線上にフラフラッと上がったフライを、サード・筒井とショート・堀田が譲り合う形で安打とすると、パスボール、送りバントなどで二死三塁とし、8番・アビラが三塁頭上をワンバンドで越えるタイムリーを放ち、試合を振り出しに戻した。
  1?1の同点で迎えた4回裏、日本はこの回先頭の4番・筒井が右中間へ勝ち越しのソロ本塁打。頼れる“主砲”の一振りで、日本が再びリードを奪った。
  1点を追うメキシコは5回表、簡単に二死となった後、2番・ベニテスが豪快な同点ソロホームラン。試合は再び振り出しに戻った。
  日本は6回表から濱口を投入。チェコ戦でも先発に起用され、絶好調の濱口にすべてを託した。しかし、その濱口がこの回先頭の5番・バレッラをワンボール・ツーストライクと追い込みながら、勝負にいったライズがわずかに甘く入り、左中間スタンドへ勝ち越しのソロホームラン。今大会初めてリードを奪われる展開となった。
  逆に1点を追う立場となった日本はその裏、番狂わせを期待するスタジアムの雰囲気を切り裂くように、4番・筒井が目の覚めるような弾丸ライナーを放つと、打球はそのまま右中間スタンドに飛び込んだ。同点……主砲が2打席連続でアーチをかけ、またしても試合を振り出しに戻した。しかし、「ドラマ」はまだ終わらない。一死後、6番・青山が筒井とは対照的な滞空時間の長い一発を左中間スタンドへ放り込み、逆転に成功。日本が土壇場で試合をひっくり返し、粘るメキシコを振り切り、無傷の4連勝を飾った。
  苦しい試合だった。メキシコ打線は1番から9番まですべての打者がスタンドに放り込む力を有し、背骨が折れんばかりのフルスイングは恐怖感を覚えずにはいられなかった。
  それでも日本は負けなかった。主砲・筒井の神懸かり的な2打席連続ホームラン。そして勝負を決めた青山の一発。メキシコの強力打線に真っ向勝負を挑んだ松田、濱口。それを支えたディフェンス。まさに「今大会のベストゲーム」だった。
  地元では今大会の入場料20ドル(カナダドル)は高過ぎると、評判は散々だった。ただ、この試合を観た人々は口々にこう言った。「この試合なら入場料は安過ぎる」と。


予選リーグ第4戦(メキシコ戦)スターティングラインアップ

  ポジション 選手名  
1番
 ショート
堀田 哲史
日本体育大
2番
 ライト
澤田 優生
国士舘大
3番
 セカンド
東   繁
福岡大
4番
 サード
筒井 拓友
日本体育大
5番
 ファースト
伊藤 皓二
岡豊高
6番
 DP
青山 紀彦
早稲田大
7番
 レフト
下戸 成之
豊田自動織機
8番
 キャッチャー
川村 真司
立命館大
9番
 センター
北岡 大輔
トヨタ自動車
DEFO
(ピッチャー)
松田  光
京都産業大


※選手交代
6回表 松田OUT→濱口 寿二(岡豊高)IN








大会第5日(6月28日/火):予選リーグ第5戦

  1 2 3 4 5 6 7
 オーストラリア 0 0 0 1 3 1 0 5
 日  本 0 0 0 0 0 0 1

1


(日)●高橋(4回2/3)・坂本(2回1/3)−川村


▲リリーフした坂本も力投したが……
▲日本打線はフォーカードを攻略できず
 予選リーグ4戦全勝同士の対決は、オーストラリア・フォーカード、日本・高橋両エースの投げ合いで試合がはじまった。
  '97年の第5回大会(カナダ・セントジョンズ)、'01年の第6回大会(オーストラリア・シドニー)に続き、今大会で3連覇を狙う王者・オーストラリアを相手に、高橋が気迫溢れるピッチングを展開すれば、守備陣も好守を連発。走者は出すものの得点を許さず、序盤を乗り切った。
  しかし、ここまで好調の日本打線もオーストラリア・フォーカードの120km/h近い快速球とキレ味鋭いライズ、ドロップに手を焼き、初回から3回一死まで7連続三振と三振の山。キャプテンの8番・川村が意地でライト前に運び、連続三振はストップさせたが、なかなか攻略の糸口を見出せぬまま、3回を終了した。
  迎えた4回表、オーストラリアはこの回先頭の3番・サウザンのライト前にフラフラッと上がった打球が、懸命に前進するライト・桑子と背走して最後はダイビングキャッチを試みたセカンド・澤田の間にポトリと落ちるラッキーな二塁打となり、次打者が手堅く送り、一死三塁。5番・コエボーデンの完全に詰まった当たりがレフト前のポテンヒットとなり、内容的には打ち取りながら、嫌な形で先制点を許した。これに気落ちしたか、力投を続けた高橋がついにつかまり、5回表、二死一塁から二者連続の本塁打を浴び、マウンドを降りた。
  日本は、最終回に4番・筒井の死球とパスボールなどで二死二塁とし、6番・下戸が一・二塁間を破り、1点を返して完封こそ免れたが、反撃もそこまで。今大会初黒星を喫した。
  試合内容的には、エース・高橋、リリーフした坂本がオーストラリア打線に3本の本塁打を浴びて5失点。打線もオーストラリアのエース・フォーカードの前にわずか3安打・16三振と沈黙した。
  しかし、試合後の梅下監督の表情に暗さはなかった。「オーストラリアの一番いいピッチャーと対戦できたことが大きな収穫。確かに16三振を喫しはしたが、フォーカードのボールは見えている。あとちょっと何ですが……。ただ、ここまで全勝できて、チーム全体に『勝たなければいけない』という目に見えないプレッシャーがあったので、むしろここで負けたことでそのプレッシャーから解放され、また一からはじめることができると思います」と語った。そして、こう続けた。「オーストラリアは確かに強い。ただ、まったく勝ち目のない相手ではないとも感じました。負けはしましたが収穫もたくさんあったので……まだ決勝トーナメントで対戦する可能性がありますから、『一番大事な試合』で勝ちたいと思います」とキッパリと言い切った。その言葉は決して強がりではなく、強い意志の光を宿した眼差しは「敗者」となることを強く拒絶していた。そう……戦いはまだ終わってはいない。

予選リーグ第5戦(オーストラリア戦)スターティングラインアップ

  ポジション 選手名  
1番
 ショート
東   繁
福岡大
2番
 セカンド
澤田 優生
国士舘大
3番
 DP
青山 紀彦
早稲田大
4番
 サード
筒井 拓友
日本体育大
5番
 ファースト
伊藤 皓二
岡豊高
6番
 レフト
下戸 成之
豊田自動織機
7番
 ライト
桑子 恵介
同志社大
8番
 キャッチャー
川村 真司
立命館大
9番
 センター
北岡 大輔
トヨタ自動車
DEFO
(ピッチャー)
高橋 速水
岡豊高

※選手交代
5回表 高橋OUT→坂本 俊行(中京学院大)IN







大会第6日(6月29日/水):予選リーグ第6戦

  1 2 3 4 5 6 7
 日  本 1 1 0 0 0 0 0 2
 アルゼンチン 0 0 2 1 0 0 x

1

(日)●松田(3回2/3)・坂本(2回1/3)−根上


▲初回、伊藤の犠牲フライで三塁走者・澤田が生還。先手を取った日本だったが……
▲5回表、一死三塁から5番・伊藤が会心の当たりを放つが、セカンド真正面のライナーで得点ならず

  昨日の試合に敗れたとはいえ、ここまで4勝1敗の日本。一方、未だ勝ち星がなく、5連敗中のアルゼンチンとの対戦では、「日本の楽勝」と誰もが思っていた。
  先攻の日本は初回、一死から2番・澤田が振り逃げで出塁すると、続く3番・青山がセンター前へ力で運び、この打球の処理をもたつく間に二・三塁とチャンスを広げた。4番・筒井が故意四球(Intentional walk/四球を宣告するだけで打者を一塁に歩かせることができる)で満塁とした後、5番・伊藤がレフトへ犠牲フライを打ち上げ、あっさり先取点を挙げた。しかし、その裏のアルゼンチンの攻撃中、激しい雷雨に見舞われ、試合が中断。3時間近く試合が中断され、せっかくのいいリズムにまさに「水を差された」格好となった。
  日本は2回表にも、この試合スタメンに起用された8番・根上のライト前ヒットを足掛かりに二死二塁のチャンスをつかみ、1番・東がしぶとくセンター前へはじき返して2点目を挙げ、中断の影響はないかと思われた。
  ところが、先発・松田がピリッとしない。3回裏、4安打を集中され、アッという間に2点を返され、同点に追いつかれると、続く4回裏にも二死二塁から2番・ウィルセンに逆転のタイムリーを浴びてマウンドを降り、2番手・坂本に後を託した。
  1点をリードされた日本は、5回表の一死三塁では5番・伊藤の会心の当たりがセカンド真正面のライナーとなり、6回表の二死二塁でも1番・東のレフトライナーが正面を突くなど運にも見放され、まさかの逆転負けを喫した。
  昨日のオーストラリア戦に続く“まさか”の連敗。確実に勝ち星が計算できると踏んでいたこのアルゼンチン戦を落としたことで、予選リーグ2位以上の通過は一気に厳しくなった。今日、この試合の直後に、ここまで5戦全勝のオーストラリアとニュージーランドの直接対決が組まれ、明日は日本とニュージーランド、ここまで1敗のカナダとオーストラリアの対戦が予定されている。予選リーグ最終日には、ニュージーランドとカナダの直接対決が残されている。ここからが“本当の勝負”である。天国か地獄か、決勝トーナメント進出をかけた“サバイバルレース”がはじまった。


予選リーグ第6戦(アルゼンチン戦)スターティングラインアップ

  ポジション 選手名  
1番
 ショート
東   繁
福岡大
2番
 セカンド
澤田 優生
国士舘大
3番
 DP
青山 紀彦
早稲田大
4番
 サード
筒井 拓友
日本体育大
5番
 ファースト
伊藤 皓二
岡豊高
6番
 レフト
下戸 成之
豊田自動織機
7番
 ライト
桑子 恵介
同志社大
8番
 キャッチャー
根上 翔平
立命館大
9番
 センター
北岡 大輔
トヨタ自動車
DEFO
(ピッチャー)
松田  光
京都産業大

※選手交代
4回裏 松田OUT→坂本 俊行(中京学院大)IN








大会第7日(6月30日/木):予選リーグ第7戦

  1 2 3 4 5 6
 ニュージーランド 1 0 0 0 0 0 1
 日  本 2 0 0 0 2 4x

8

※大会規定により得点差コールドゲーム
(日)○坂本−川村
〔三塁打〕澤田、筒井A


▲先発・坂本が1失点の完投勝利
▲主砲・筒井のバットが火を噴き、勝利を引き寄せた

  ここまで4勝2敗の日本は、昨日のオーストラリアとの全勝対決に敗れ、5勝1敗となったニュージーランドと対戦した。
  日本の先発は今大会に入って徐々に調子を上げてきた坂本。先攻のニュージーランドは初回、先頭のバインがいきなりの右中間三塁打。一死後、3番・ハルがしぶとく三・遊間を破り、あっさり1点を先取。盗塁、パスボールでまたしても三塁まで進塁したが、ここは坂本が踏ん張り、後続を連続三振。大ピンチを最少失点で切り抜けた。
  日本もその裏すぐに反撃。一死から2番・澤田が右中間をライナーで切り裂く三塁打。二死後、4番・筒井がライト頭上へあわや本塁打という大飛球を放ち、この打球の処理をもたつく間に、三塁走者・澤田に続き、打った筒井も一気にホームイン。逆転に成功した。
  1点のリードをもらった坂本は、2回以降は強打のニュージーランド打線を向こうに回し、堂々のピッチング。得意のローライズが冴え、女房役の川村の強気のリードがさらにテンポとリズムを作り上げる。ニュージーランド打線に追加点を許さず、味方の援護を待った。
  この力投に打線が応える。日本は5回裏、一死から3番・東がレフト前ヒットで出塁すると、4番・筒井が今度はレフトへホームラン性の大飛球を放つ。レフトが懸命に背走するも追いつかず、まず一塁走者の東がホームイン。打った筒井が三塁を狙うと、レフトからの送球が筒井のヘルメットに当たって逸れ、筒井もホームを踏み、貴重な追加点を挙げた。続く6回裏には、8番・川村が二・遊間安打で出塁すると、9番・北岡が手堅く送りバント。1番・堀田が四球を選び、一・二塁となったところで、ニュージーランドは右のロセフォーから左のコッカーに投手交代。しかし、火のついた日本打線の勢いはもはや止められず、2番・澤田が足を生かしてサード内野安打。3番・東が四球で押しだし。4番・筒井はサードファウルフライに倒れたが、5番・青山のサードゴロが敵失を誘い、6番・伊藤が渋くセンター前に運び、強豪・ニュージーランドを相手に8?1でコールド勝ちを収めた。
  これで一度は諦めかけた2位以上での決勝トーナメント進出の可能性を自力で引き寄せた。今日、この後、ここまで全勝のオーストラリアと1敗のカナダの直接対決が組まれているが、この試合で順当にオーストラリアが勝利を収めれば、日本、ニュージーランド、カナダの3チームが2敗で並ぶ。しかも、明日の予選リーグ最終日にカナダとニュージーランドの直接対決が組まれているため、どちらかは3敗となる。また、日本はカナダ、ニュージーランドとの直接対決に勝利しているため、同率で並んだ場合は、日本の順位が上となるので、カナダが残るオーストラリア、ニュージーランドに連勝して1敗をキープした場合を除いて、日本の2位での決勝トーナメント進出の可能性が限りなく高まった。
  もっとも、日本がアメリカ戦に勝つことが条件になるが……泣いても笑っても残り1試合。勝つしかないのだ。


予選リーグ第7戦(ニュージーランド戦)スターティングラインアップ

  ポジション 選手名  
1番
 DP
堀田 哲史
日本体育大
2番
 セカンド
澤田 優生
国士舘大
3番
 ショート
東   繁
福岡大
4番
 サード
筒井 拓友
日本体育大
5番
 レフト
青山 紀彦
早稲田大
6番
 ファースト
伊藤 皓二
岡豊高
7番
 ライト
下戸 成之
豊田自動織機
8番
 キャッチャー
川村 真司
立命館大
9番
 センター
北岡 大輔
トヨタ自動車
DEFO
(ピッチャー)
坂本 俊行
中京学院大

※選手交代
6回裏 堀田OUT→桑子 恵介IN(同志社大)IN







大会第8日(7月1日/金):予選リーグ第8戦

  1 2 3 4 5 6 7
 日  本 0 0 0 1 0 4 0 5
 アメリカ 0 0 1 0 0 0 0

1

(日)高橋(2回1/3)・○坂本(4回2/3)−川村
〔本塁打〕川村〔二塁打〕青山


▲6回表、勝ち越しのツーベースを放った青山
▲キャプテン・川村のスリーランが勝負を決めた

 前日のオーストラリア対カナダ戦で、オーストラリアが3?1でカナダを下し、通算成績を7戦全勝とし、最終日を待たずに予選リーグ1位通過を決めた
。また、この試合でカナダが敗れたため、1敗がいなくなり、2敗で日本、ニュージーランド、カナダの3チームが並んだ。日本はニュージーランド、カナ
ダとの直接対決に勝利しているため、今日のアメリカ戦に勝てば、予選リーグ2位通過が決まり、メダルが確定する。
  日本は必勝を期してエース・高橋を先発に立て、試合がはじまった。高橋は立ち上がりから二死一・三塁のピンチ。ここは何とか抑えたが、3回裏、一死から1番・ローにレフトスタンドへ運ばれ、先取点を許した。さらに次打者をストレートのフォアボールで歩かせたところで、日本ベンチは素早い決断。今大会の救世主的存在になりつつある坂本をマウンドに送り、後続を連続三振に打ち取って、試合の流れを引き寄せた。
  日本は4回表、この回先頭の4番・筒井が粘って四球で歩き、5番・青山が三振、6番・伊藤がショートゴロで二死二塁とした後、7番・下戸がセンター前にはじき返し、二塁走者・筒井が還り、同点に追いついた。6回表には、一死から4番・筒井が四球を選び、パスボールで二進。ここで5番・青山がレフト線へツーベースを放ち、1点を勝ち越した。次打者・伊藤はファーストファウルフライに倒れたものの、7番・下戸が故意四球(Intentional Walk/四球を宣言するだけで、投球することなく、打者を一塁に歩かせることができる)で一・二塁とし、8番・川村が勝負を決めるスリーランホームラン。度重なる死球やファウルチップで満身創痍になりながら、チームを引っ張るキャプテンの一発がチームを決勝トーナメントへと導いた。
  守っては、リリーフした坂本がアメリカ打線をノーヒットに抑え、8三振を奪う力投。前日のニュージーランド戦に続く“快投”で、決勝トーナメント進出の立役者となった。
  日本はこれで予選リーグ2位通過が決定。上位4チームによる決勝トーナメントがページシステム(敗者復活戦を含むトーナメント)で行われるため、そのシステム上、3位以下になることはないため、メダル獲得が確定した。
  日本の相手は予選リーグ8戦全勝、大会3連覇を狙うオーストラリア。日本は前回大会のファイナルでオーストラリアに敗れて優勝を逃しており、今大会の予選リーグでも1?5で敗れている。立ちはだかるオーストラリアという高く厚い壁を越えなければ、日本の優勝はないのである。オーストラリアは確かに強い。しかし、日本もファイナルで敗れたあの日から、「打倒・オーストラリア」を合い言葉に強化に励んできた。予選リーグでの戦いは参考にならない。「世界一」の座をかけた“真剣勝負”が今、はじまるのである。


予選リーグ第8戦(アメリカ戦)スターティングラインアップ

  ポジション 選手名  
1番
 DP
堀田 哲史
日本体育大
2番
 セカンド
澤田 優生
国士舘大
3番
 ショート
東   繁
福岡大
4番
 サード
筒井 拓友
日本体育大
5番
 レフト
青山 紀彦
早稲田大
6番
 ファースト
伊藤 皓二
岡豊高
7番
 ライト
下戸 成之
豊田自動織機
8番
 キャッチャー
川村 真司
立命館大
9番
 センター
北岡 大輔
トヨタ自動車
DEFO
(ピッチャー)
高橋 速水
岡豊高

※選手交代
3回裏 高橋OUT→坂本 俊行IN(中京学院大)







予選リーグ星取表









大会第9日(7月2日/土)決勝トーナメント1位・2位戦

  1 2 3 4 5 6 7
 日  本 0 0 0 1 0 0 0 1
 オーストラリア 0 1 1 0 3 1 x

6

(日)●高橋(2回1/3)・松田(3回)・大山(2/3回)−川村(5回1/3)・根上(2/3回)


▲4回表、日本は1点を返し、反撃ムードが高まった
▲日本は3人の投手をつぎ込み、防戦に務めたが……


 今日から決勝トーナメントに入り、まず18時からの第1試合で予選3位のニュージーランドと予選4位のカナダが対戦。地元の大声援に後押しされたカナダが、逆転また逆転のシーソーゲームを制し、5?4で勝利。明日のブロンズメダルゲーム(3位決定戦)に駒を進め、ニュージーランドの4位が決定した。
  予選2位の日本は、予選リーグ8戦全勝、大会3連覇を狙うオーストラリアと対戦した。
日本の先発はエース・高橋。しかし、2回裏に早くも1点を失うと、続く3回裏にも1番・ハドソンに二塁打を浴び、送りバント、四球で一死一・三塁となったところでマウンドを降り、代わった松田が初球をワイルドピッチ。序盤で2点のビハインドを背負う苦しい展開となった。
  オーストラリアの先発は大会屈指の好投手・フォーカード。日本打線は予選リーグの対戦では16三振を奪われて完敗したが、この試合も3回までに7三振を奪われ、ノーヒットに抑えられていたが、4回表、この回先頭の2番・澤田がピッチャー強襲安打。4番・筒井の内野安打と3つのパスボールで1点を返し、反撃ムードが高まった。
  しかし、それも束の間、5回裏、オーストラリア打線に松田がつかまり、4本の長短打を集中され、3失点。続く6回裏にも、この回から代わった大山が1点を失い、万事休す。オーストラリアが一足先にゴールドメダルゲーム(決勝)進出を決め、3連覇に王手をかけた。
  敗れたとはいえ、日本の試合内容は決して悪くはなかった。4回表に1点を返し、6回表には一死一・二塁、7回表にも二死満塁と攻め立て、得点差ほどの差があるようには感じなかった。投手陣が踏ん張り、3点以内の接戦に持ち込めれば、日本にも十分に勝機は出てくるはずである。
  日本は明日、12時からのブロンズメダルゲーム(3位決定戦)で地元・カナダと対戦する。スタンドはカナダへの声援で埋め尽くされる。スタンド中が敵となるアウェーの雰囲気。またそれも悪くない。その厳しい戦いを勝ち抜いたとき、日本はまた一つたくましさを身につけているはずである。チームは確かに満身創痍で余力はない。それでも、この厳しい状況を乗り越えてファイナル(ゴールドメダルゲーム)に辿り着ければ、何かが起こる「予感」がする。そう……日本には「三度目の正直」という諺がある。この言葉の意味をオーストラリアに教えてやらなければならない。生涯忘れることのできない衝撃とともに。


予選リーグ第9戦(オーストラリア戦)スターティングラインアップ

ポジション選手名  
1番
 DP
堀田 哲史
日本体育大
2番
 セカンド
澤田 優生
国士舘大
3番
 ショート
東   繁
福岡大
4番
 サード
筒井 拓友
日本体育大
5番
 レフト
青山 紀彦
早稲田大
6番
 ファースト
伊藤 皓二
岡豊高
7番
 ライト
下戸 成之
豊田自動織機
8番
 キャッチャー
川村 真司
立命館大
9番
 センター
北岡 大輔
トヨタ自動車
DEFO
(ピッチャー)
高橋 速水
岡豊高



※選手交代
3回裏 高橋OUT→松田  光IN(京都産業大)
6回表 堀田OUT→桑子 恵介IN(同志社大)※代走
6回裏 松田OUT→大山 達也IN(西日本シロアリ)
6回裏 川村OUT→根上 翔平IN(立命館大)
7回表 桑子OUT→堀田 哲史IN(日本体育大)※代打/再出場







大会第10日(7月3日/日 12:00)決勝トーナメント/ブロンズメダルゲーム(3位決定戦)

  1 2 3 4 5 6
 日  本 0 2 2 4 2 2 12
 カナダ 1 1 0 2 0 0

4

(日)○坂本(5回1/3)・高橋(2/3回)−川村
〔二塁打〕川村


▲2回表、逆転のツーベースを放った川村
▲日本、見事な攻めでカナダにコールド勝ち!

 昨日の決勝トーナメント1位・2位戦でオーストラリアに敗れた日本は、3位・4位戦でニュージーランドとの激闘を制し、勝ち上がったカナダと対戦した。
  日本の先発は今大会の救世主的存在であり、今や日本の大黒柱に成長した坂本。しかし、その坂本が初回、簡単に二死を取った後、3番・アブレイにライトスタンドに運ばれ、1点を失った。
  1点を先制された日本は2回表、二死から6番・伊藤が三・遊間を破り、ワイルドピッチ、四球で二死一・二塁とすると、8番・川村がレフトオーバーのツーベース。二者を迎え入れ、あっさり逆転に成功した。
  逆転を許したカナダはその裏、一死から6番・ハワーズがまたしてもライトスタンドに叩き込み、すぐに同点に追いついた。
  点の取り合いになれば、得点力のある日本打線に分がある。3回表、4安打を集中して2点を勝ち越すと、4回表には打者一巡の猛攻で決定的な4点を追加。5回表、6回表にも2点ずつを加え、12?4で6回コールド勝ちを収めた。
  先発・坂本が3本の本塁打を浴びて4点を失いながら、日本は本塁打こそなかったものの、カナダが繰り出す3人の投手に14安打を浴びせて大量12点を挙げ、圧勝した。
  これで日本のゴールドメダルゲーム(決勝)進出が決まった。相手は宿敵・オーストラリア。今度こそ……予選リーグ、決勝トーナメントで二度にわたってやられはしたが、得点差ほどの差は感じられない。泣いても笑ってもこれが今大会の「ラストゲーム」になる。この大会の最後を飾るにふさわしい試合を見せてくれることを期待しよう。


決勝トーナメント/ブロンズメダルゲーム(3位決定戦)スターティングラインアップ

  ポジション 選手名  
1番
 DP
堀田 哲史
日本体育大
2番
 セカンド
澤田 優生
国士舘大
3番
 ショート
東   繁
福岡大
4番
 サード
筒井 拓友
日本体育大
5番
 レフト
青山 紀彦
早稲田大
6番
 ファースト
伊藤 皓二
岡豊高
7番
 ライト
下戸 成之
豊田自動織機
8番
 キャッチャー
川村 真司
立命館大
9番
 センター
北岡 大輔
トヨタ自動車
DEFO
(ピッチャー)
坂本 俊行
中京学院大

※選手交代
6回裏 坂本OUT→高橋 速水IN(岡豊高)







大会第10日(7月3日/日)決勝トーナメント/ゴールドメダルゲーム(優勝決定戦)

  1 2 3 4 5 6 7
 オーストラリア 2 0 0 0 0 3 2 7
 日  本 0 0 0 2 0 0 0

2

(日)●坂本−川村
〔二塁打〕筒井


▲4回裏、一度は同点に追いついた日本だが……
▲惜しくもオーストラリアに屈し、うなだれる選手たち


 ついに……この舞台に辿り着いた。傷つき、ボロボロになりながらもファイナルまで勝ち上がってきた。相手は「最強の敵」オーストラリア。予選リーグ、決勝トーナメントと二度にわたって完敗。本大会3連覇を狙うオーストラリアとの"最後の決戦"のときがきた。
  日本の先発は坂本。今大会、日本の投手陣を支え続けた右腕に日本の命運を託した。しかし、オーストラリア打線が連投の疲れの見える坂本を立ち上がりから容赦なく攻める。
  先攻のオーストラリアは初回、先頭打者のハドソンが四球を選び、次打者の送りバントがピッチャーへの小フライとなり、一死一塁。オーストラリアにしては珍しい攻めのミスで流れは日本にくるかと思われたが、3番・サウザンがライト前ヒット。この打球の処理を誤る間に一塁走者が一気に生還。打者走者も三塁まで進み、4番・マーソンが力でセンター前へ運び、王者・オーストラリアらしいソツのない攻めで、この回2点を先制した。
  先制された日本は、3回までわずか1安打。またしてもオーストラリアのエース・フォーカードが日本打線の前に立ちはだかった。しかし、4回表、「難攻不落」の大会屈指の好投手・フォーカードを日本打線がついにとらえる。この回先頭の2番・澤田が敵失で出塁し、一死後、4番・筒井がレフト頭上をライナーで越えるエンタイトルツーベース。一死二・三塁と攻め立て、5番・青山が追い込まれながらも気合いでセンター前に運び、まず1点。なお一死一・三塁から6番・伊藤がレフトへ犠牲フライを打ち上げ、三塁走者・筒井が同点のホームイン。試合を振り出しに戻し、完全に「日本ペース」になったかに思えた。
  しかし、ここから王者・オーストラリアが底力を見せる。6回表、一死一・二塁から代打・クローグが力投を続ける坂本の98球目をとらえ、レフトスタンド最前列へ決勝のスリーラン。懸命に打球を追ったレフト・青山のわずか先に打球が落ち、事実上勝負は決した。
  試合後、涙にくれる選手たちを前に、梅下監督は言った。「この悔しさを胸に刻み込み、必ず世界の頂点に立て! 俺たちは世界の頂点には立てなかったが、お前たちならきっとできる。ここが終着点ではない。U-23、日本代表へと道はつながっている」と涙ながらに語り、最後に「ありがとう……」と深々と頭を下げた。
  大会はオーストラリアの3連覇で幕を閉じ、日本の挑戦はまたしても退けられた。選手たちは本当によく戦ったが、余力を残して"最後の決戦"に臨んだオーストラリアと、すでに満身創痍、ボロボロの状態になりながら、気力でそこまで辿り着いた日本では、戦う前に勝負がついていたといっても過言ではない。今後は、国内で経験することのない10日間にわたる長丁場を戦い抜くことができる心身を作り上げなければならない。選手強化本部会を中心に、選手選考の基準をより厳密なものとし、強化合宿の実施回数を増やし、海外強化遠征も行えるようになった。その成果が2大会連続の銀メダルであることは間違いのない事実である。ただ、オーストラリアの強化システムは、さらに"その上"をいっている。
  戦うことはできるようになった。しかも、その戦いぶりはすばらしいものだった。参加チームの中でもっとも観客からの拍手を集め、感動を残したチームだった。それでも"勝つ"ためにはまだ足りないものがあった。7?2……このスコアこそが、その事実を物語っている。


決勝トーナメント/ゴールドメダルゲーム(優勝決定戦)スターティングラインアップ

  ポジション 選手名  
1番
 DP
堀田 哲史
日本体育大
2番
 セカンド
澤田 優生
国士舘大
3番
 ショート
東   繁
福岡大
4番
 サード
筒井 拓友
日本体育大
5番
 レフト
青山 紀彦
早稲田大
6番
 ファースト
伊藤 皓二
岡豊高
7番
 ライト
下戸 成之
豊田自動織機
8番
 キャッチャー
川村 真司
立命館大
9番
 センター
北岡 大輔
トヨタ自動車
DEFO
(ピッチャー)
坂本 俊行
中京学院大

※選手交代
7回裏 伊藤OUT→桑子 恵介IN(同志社大)※代打







第7回世界男子ジュニアソフトボール選手権大会 候補選手 名簿
ニュージーランド海外強化遠征 日本選手団 名簿


No.
守備
氏名
所属先
支部
学年
1
投手
松田 光 ( マツダ ヒカル) 千葉敬愛高校
千葉県
3年
2
高橋 速水 (タカハシ ハヤミ) 岡豊高校
高知県
2年
3
大山 達也 (オオヤマ タツヤ) 鹿屋農業高校
鹿児島県
3年
4
坂本 俊行 (サカモト トシユキ) 相模原高校
神奈川県
3年
5
岡部 彩人 (オカベ アヤト) 郡山北工業高校
福島県
3年
6
捕手
川村 真司 (カワムラ シンジ) 岡豊高校
高知県
1年
7
前田 貴則 (マエダ タカノリ) 九州産業大学九州高校
福岡県
3年
8
内野手
笠間 弘太 (カサマ ヒロタ) 飛龍高校
静岡県
3年
9
伊藤 皓二 (イトウ コウジ) 岡豊高校
高知県
1年
10
澤田 優生 (サワダ マサキ) 岡豊高校
高知県
3年
11
筒井 拓友 (ツツイ タクト) 岡豊高校
高知県
3年
12
堀田 哲史 (ホリタ アキフミ) 岡豊高校
高知県
3年
13
東 繁 (ヒガシ シゲル) 九州産業大学九州高校
福岡県
3年
14
桑子 恵 介 (クワコ ケイスケ) 新島学園高校
群馬県
3年
15
外野手
青山 紀彦 (アオヤマ ノリヒコ) 新島学園高校
群馬県
3年
16
"
北岡 大輔 (キタオカ ダイスケ) 多度津工業高校
香川県
3年
17
"
下戸 成之 (シモト マサユキ) 九州産業大学九州高校
福岡県
3年

No.
役職
氏 名
支部
所属先
1
ヘッドコーチ 梅下 佳裕 (ウメシタ ヨシヒロ) 高知県 岡豊高校
2
コーチ 宮本 和幸 (ミヤモト カズユキ) 和歌山県 箕島高校